神速の生まれ変わり

ユー

勇者召喚


……ここはどこだろう。とても豪華だ。天井にはドでかいシャンデリアがあり、壁には絵画がズラリと並んでいる。前には階段があり、その上に玉座があった。そこに座っているのは髭をはやし、宝石などが散りばめられた服を着ている、いかにも『わし、偉いです!』と主張している。
周りを見るとクラスメイト達が居て皆呆然としている。当然だ、さっきまで見慣れた教室にいたのだから。いつもの教室で友達と喋る者、スマホを弄る者、寝ている者。そんな日常が玉座に座る次の一言で崩れ落ちた。
「よく来てくれた、勇者殿よ。」




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俺は今ダッシュしている。何故かって?
今日は平日、今の時間は8時25分、俺は高校生。つまり遅刻寸前だ!
ヤバいヤバい、こんなことなら夜中に新作ゲームなんてやるんじゃなかった……常習犯だけどね。
まぁ、もう後の祭りだ。
 8時29分、教室入り。ギリギリセーフだ。

「よ〜瞬、またエロゲーでもやってたのか〜?」

俺をニヤニヤしながら言ってきたのは、中澤 寸賀だ。
 寸賀とは腐れ縁で幼稚園からずっと同じクラスだ。ただ、幼稚園から一緒だからって仲がいいわけじゃない。
寸賀は何かと俺にあたってくる。俺は相手にしたら負けだと思ってる。

「エロゲーではないけど、ゲームならしてたよ。」

まったく、またってなんだよ、またって。俺がいつエロゲーやったとか言ったよ。……まぁ、言ってないだけなんだけどね。
 と、俺が持ってきたハマってるラノベを読もうとするとある女生徒が手を振りながら話しかけてきた。

「おはよ、速風くん。またギリギリだね。」

彼女はこの学校のアイドル的存在の深月 雪だ。綺麗な黒髪ロングで胸も平均以上ある、整った顔立ちと欠点がない。
 何故、学校のアイドルの深月さんが話しかけてくるのかは謎だが、毎朝話しかけてくる。何か怖い。
 俺は関わりたくないのだが深月さんはそうではないようで、話しかけてくる。深月さんと話したくないのは周りからの嫉妬の視線が鬱陶しいからだ。

 「あはは、おはよう。もうチャイムなるから座ったら?」

わざと話を早く切り上げて逃げる。面倒くさいし。
 と、丁度いいタイミングで先生が入ってきた。
何か深月さんが名残惜しそうに見てるが無視だ。

忘れてたが俺の紹介をしよう。
俺の名前は速風 瞬だ。容姿平凡。成績平凡。運動神経平凡。特技は無いが、強いて言うなら何故か子供の頃から足が速かった。運動神経は良くはないけど。

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 午前の4時間の授業が終わって各々が自由にしている時にそれは起こった。
 突如、アニメや漫画で見るような魔法陣が教室の床に描かれていた。魔法陣が発光しだすとクラスの誰かが慌てた声で、

 「何かヤベぇぞ!逃げろ!」

と言ったがもう遅かった。
 視界を塗りつぶす閃光に目を瞑る。次に目を開けるとお城のような場所だった。


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「ふふふふ〜ん、もう皆席に付いてるかしら〜?」

と、廊下を歩くとある教師が言った。

「ん?何か妙に静かね。まぁ、いいか。」

教室の前に行き戸を開ける。
そこには誰もいなかった。教師は呆然とし、その場に立ち尽くす。徐々に回復していき、ポツリと言葉が零れた。

「……し、集団ボイコットだわ。」

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コメント

  • ダンまち好きだ~!!!!(特に疾風)

    し、集団ボイコットだわ・・・

    2
  • 鈴

    最後ワロタww

    3
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