魔法世界の例外術者《フェイク・マジック》 - 魔力とは無力である -

風見鳩

序章 - 魔力とは活力である -

 私は喜怒哀楽な人間ではない。

 私は天真爛漫なのだろう。

 いや、詳しくは違う。

 私が「自分は天真爛漫な子だ」と勝手に想像しているだけ、という言い方が正しい。

 私はみんなが思っているよりも純真な子じゃない。

 猫を被った子。

 『笑顔』という仮面を被った女の子。

 人の心を失った少女。

 それが私だ。


 私は嘘つきだ。

 周りにも大人にも友人にも嘘をつく。

 勿論、自分にも。

 嘘を重ねて、重ねて、いつの間にかそれが真実になっている。

 みんなにとっても、自分にとっても『真実』となっていて、誰も疑うことはない。

 みんなを騙し、自分を騙して生きている。

 それが私。

 嘘つきな、悪い子。

 でも、全てが嘘ではない。

 どこかにちらほらと本音が見え隠れしていたりする。

 全てが嘘で塗り固められているわけではない。

 何かのきっかけでそこから剥がしていけば、きっと塗った嘘もポロポロと取れるのだろうか。

 それは脆く、弱々しく、呆気なく。

 『嘘』というのは如何に脆く――『本心』というのは如何に弱いものなのか、を表現するかのように。




 ――これはそんな『自分を偽った』悪い女の子と、『自分をなくした』ある男の子の夏の思い出。

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