恋愛サバイバル〜卒業率3%の名門校〜
新たなる敵 1
「なぁ、お前らはどうするつもりだよ…?」
オリエンテーションが終わってから数週間後の一年二組の教室。もう帰りのホームルームが終わってから随分と時間が経っているというのに大勢の生徒が残り、何やら話し合いを行っている。
「勿論、俺達は奴らの敵に回る。そして、俺達はオリエンテーションで奴らに騙されて退学になった中山達の仇を討つ!!」
「私も!このまま怯えながら高校生活送るのも嫌だし。」
「マジかよ、お前ら…。相手はオリエンテーション圧勝で現在クラスでダントツトップの氷室と習志野だぞ?」
「そうよね…。オリエンテーションであんな逆転劇見せられて…。とても敵う気がしないわ…。」
「だよね…。私達のペアも氷室君達に味方するよ。そっちの方が生き残れそうだし…。」
どうやらこの教室では、現在クラスでぶっちぎりのトップを走る氷室・習志野組に対して、今後、自分達がどういう身の振り方をするのかが話し合われているらしい。
生徒達は当人である氷室辰巳と習志野栞がいないのをいいことに本音を晒し合っている。
この場で出た意見は大きく分けて二つ。
一つは、氷室達の味方に徹し、決して敵として認定されないように立ちまわる『穏健派』。あわよくば、氷室達のおこぼれにあやかり、なんとか卒業しようという思想の集団である。
そしてもう一つ。言うなれば『過激派』。とにかく、現在最大の敵である氷室達を排除しようとする集団だ。尤も数組で対抗しても返り討ちに遭うだろうということは本人達も自覚しているようで、なんとか大人数で協力して氷室達を退学に追い込みたいと考えている。
「いやいや!お前ら忘れたのかよ!容赦なくクラスメートを騙して退学に追い込む氷室を!!どうせあいつに味方したって裏切られて終了だ!!」
「でも、あれは元々俺達全員が市川さん達に協力して氷室君達を追い込んだからだし…。」
「そんなの関係ねぇよ!大体――」
話し合いは激しさを増すばかりで、一時間近く経っても意見がまとまる予兆すら感じられない。
そんな中、一組のペアが立ち上がった。
「みんなの意見はよく分かった。それを踏まえた上で僕達の意見を聞いてほしい。――例えば――」
その男子生徒の発言は続き、クラス全体が彼の意見の聞きいる。
そして、彼らの意見を聞き、クラスの空気は一変する。
「――まぁ、それくらいなら…。」
「俺達もある程度は譲歩しねぇとな…。」
男子生徒の真剣で熱い言葉に今までバラバラだったクラスが皆賛同する。
「みんな、ありがとう。――彼、氷室辰巳は必ず僕が倒す!」
男は強い口調で意気込み、それに再びクラスが同調する。
こうして、密かに氷室達の新たな敵が生まれたのだった。
オリエンテーションが終わってから数週間後の一年二組の教室。もう帰りのホームルームが終わってから随分と時間が経っているというのに大勢の生徒が残り、何やら話し合いを行っている。
「勿論、俺達は奴らの敵に回る。そして、俺達はオリエンテーションで奴らに騙されて退学になった中山達の仇を討つ!!」
「私も!このまま怯えながら高校生活送るのも嫌だし。」
「マジかよ、お前ら…。相手はオリエンテーション圧勝で現在クラスでダントツトップの氷室と習志野だぞ?」
「そうよね…。オリエンテーションであんな逆転劇見せられて…。とても敵う気がしないわ…。」
「だよね…。私達のペアも氷室君達に味方するよ。そっちの方が生き残れそうだし…。」
どうやらこの教室では、現在クラスでぶっちぎりのトップを走る氷室・習志野組に対して、今後、自分達がどういう身の振り方をするのかが話し合われているらしい。
生徒達は当人である氷室辰巳と習志野栞がいないのをいいことに本音を晒し合っている。
この場で出た意見は大きく分けて二つ。
一つは、氷室達の味方に徹し、決して敵として認定されないように立ちまわる『穏健派』。あわよくば、氷室達のおこぼれにあやかり、なんとか卒業しようという思想の集団である。
そしてもう一つ。言うなれば『過激派』。とにかく、現在最大の敵である氷室達を排除しようとする集団だ。尤も数組で対抗しても返り討ちに遭うだろうということは本人達も自覚しているようで、なんとか大人数で協力して氷室達を退学に追い込みたいと考えている。
「いやいや!お前ら忘れたのかよ!容赦なくクラスメートを騙して退学に追い込む氷室を!!どうせあいつに味方したって裏切られて終了だ!!」
「でも、あれは元々俺達全員が市川さん達に協力して氷室君達を追い込んだからだし…。」
「そんなの関係ねぇよ!大体――」
話し合いは激しさを増すばかりで、一時間近く経っても意見がまとまる予兆すら感じられない。
そんな中、一組のペアが立ち上がった。
「みんなの意見はよく分かった。それを踏まえた上で僕達の意見を聞いてほしい。――例えば――」
その男子生徒の発言は続き、クラス全体が彼の意見の聞きいる。
そして、彼らの意見を聞き、クラスの空気は一変する。
「――まぁ、それくらいなら…。」
「俺達もある程度は譲歩しねぇとな…。」
男子生徒の真剣で熱い言葉に今までバラバラだったクラスが皆賛同する。
「みんな、ありがとう。――彼、氷室辰巳は必ず僕が倒す!」
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