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恋愛サバイバル〜卒業率3%の名門校〜

うみたけ

習志野栞の事情

「凛、お前にうちの会社を継ぐのは無理だ」
「ど、どうしてですか、お父さん!?」

 難しい表情を浮かべながら、娘である自分に言い聞かせる父。
 私の実家はそこそこ大きな会社を経営しており、代々家長が社長を務めている。
 もちろん、この市川家で一人っ子の私も将来的にこの会社を継ぐため、期待を一身に背負い、幼少のころから英才教育を施されてきた。
 私はその期待に応え、勉強、スポーツ、ピアノ等すべてにおいて優秀な成績を収めてきた。
 しかし……

「どういうことですか!?自分で言うのもなんですが、私は常に誰よりも優秀な成績を収めてきたつもりです!私のどこが不満なのか、説明してください!!」

 お父さんの予想していなかった言葉に激昂し、詰め寄った。

「凛、お前はとても優秀だ。それに真面目でとても素直な子だ」
「それじゃあ――」
「だが、組織の長になるにはそれだけでは不十分なんだ」

 お父さんはそこで一旦言葉を切る。続きを話すべきか少し迷っているようだ。

「一体、私に何が足りないって言うんですか?」
「…お前に足りないもの…それは”ずる賢さ”だ」
「…ずる賢さ?」
「そうだ。会社を経営し、ライバル企業と競争し勝ち残っていくためには単純な能力だけでは足りないんだ。――いい条件で取引したり、社員のモチベーションを上げたりするための駆け引き…。いろいろな会社にいい顔を見せ、味方につける狡猾さ…。残念ながら、どれもお前にはないものだ。――お前は会社を継ぐには良い子過ぎる」

 お父さんは申し訳なさそうに、優しげな口調だった。
 しかし…

「…納得できない」

 私の素直な気持ちだった。
 そして、一度口を開くと私は自分の感情が爆発するのを抑えられなかった。

「今まで会社を継ぐために育てられてきたのに、いきなりそんなこと言われて納得できると思う!?それに、お父さんは私のことなんて全然分かってない!私にだってずる賢さくらいあるわ!!勝手に決め付けないでよ!!」

 私は小さな頃からこの会社の跡取りとして育てられ、そのことに誇りを持っていた。
 だから、周りの期待に応えようと努力もしたし、周りの子たちと比べて自由がなくても全然不満は感じなかった。
 でも、その結果がこれでは…

「う~む…。分かった。それじゃあ、こうしよう」

 私の必死の訴えが実ったのか、お父さんはしばらく考え込み、一つの案を提示してきた。

「凛、私の紹介する高校に進学しなさい。そこは国内屈指の進学校で卒業生には国を代表する人達もたくさんいる。そこならお前に足りないものを教えてくれるはずだ。もし、そこの高校で”ズル賢さ”を学んで、卒業できればお前にこの会社を任せよう」

 私はこの条件をすぐに飲んだ。
 こうして、私の進路は恋星高校恋愛学科に決定した…。

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