新しい世界で今度こそ幸せをつかみたい

ゆたぽん

33話

初めてダンジョンに入ってから1年が過ぎていた。
初めは順調にボス部屋をクリアしていったが、50階〜のフロアーで少し手間取っていた。

50階〜はスキル使用禁止の水中フロアーであり、ラビさんが戦えない。
私は事前にナビさんから縛りのフロアーの話を聞いていたので、念のため水中で使える魔具を作っていて良かった。
しかし呼吸は大丈夫なのだが、身体強化が出来ないため、どうしても動きが鈍る。

水中の魔物は動きが速く倒すのも一苦労な状態だった。
倒した後もインベントリにドロップアイテムが入らないのでアイテムバックに収納されるようにしていた。

そしてマジック空間もにスキルに分類されるので、安全地帯でしか使えない。

毎フロアーに安全地帯があるとは限らず、中間の55階にある安全地帯で足踏みしている状態であった。
下の階層に降りる為の階段付近に大きなイカ、クラーケンがいてなかなか倒せないでいた。

クラーケンは全身がヌルヌルしており攻撃が通り辛い。
絡みつかれた時はヌルヌルしていて気持ち悪かった。
魔法なら通りそうだが使えないので、どうしたもんかと四苦八苦していた。

《ナビさん、やはり此処は雷の魔具を作り、一気に下の階層まで行くのはどうでしょう?前に一度使用した物より強力な魔具なら平気だと思うのですが…。》

《イエス、マスター。雷は有効ですが、水中での使用はマスターにも影響を与えます。以前より強力となると更に危険だと考えられます。》

確かに、来た時に一度雷の魔法を付けた魔具を作り、水中で解放したのだが、スキル使用禁止のため耐性が発動しなかったので、私自身も感電してしまい危険だった。

先に動けるようになったのはクラーケンだったが、階段前から離れることはせず微動だにしなかった。
どうやら階段に近づかない限り攻撃をしてこないようだった。

暫くして私も感電が治り安全地帯まで戻った。
このままではクラーケンを倒すこともできず、うーんと考えているとナビさんから、

《マスター、発言の許可を…。はい、では雷は有効なので時間差で作動するような魔具を作ればよろしいかと。マスターが水中から離れ、安全地帯まで戻って来てから作動すれば感電しないので、問題ありません。》

その場で発動しないといけないと思い込んでいたので、それなら確かに問題ない。

ちょうどいい魔石を取り出し、ナビさんから教えてもらった術式を魔石に取り込んだ。
本来なら何人もの錬金術師が、数ヶ月かかるものだったが、一晩かけて完成させた。

翌日、私は再びクラーケンの元に行き、タイマー式雷発生機を設置して安全地帯まで戻った。
暫くするとバリバリ、パン!と音が鳴り、ドロップアイテムとお金が入ってきた。
魔力を半分以上込めたので、討伐出来たようだ。

再びクラーケンが出てくる前に階段を抜け、そこからはボス部屋まで順調に進んでいった。

そしてボス部屋の前に到着すると、


[挑戦者を確認。この部屋は6人まで挑戦可能です。スキル使用不可、挑戦しますか?]

とアナウンスされた。
やはり此処のボス部屋も縛りがあるようだ。
私はハイと答えるとなると扉の中に吸い込まれた。

すると中は水で覆われており、豪華な椅子に座る背中に羽を生やした巨大な人魚が居た。するとその人魚は話しかけてきたのだ。

「ほう、人とは珍しい。ん?不思議そうな顔しておるな?魔物が話すのが不思議か?
まぁ、我の場合は魔物と言うてもちと特殊でな。」

話を聞いてみると、海底で誕生したが、何故が自我を得てしまったそうだ。
それからは存在理由を求めて世界を回って居たところ、たまたまこのダンジョンに入ったのだという。

その頃はこのフロアーは湿地帯でありレベルも、高くはなかったが、この部屋のボスを倒した時に此処のダンジョンマスターより誘われたとの事。

初めは色々な種族の者たちが来ており、人魚に挑んでいたが、人の話を聞かず、闇雲に戦いを挑んで来る日々に飽きてしまったそうだ。

他に行きたいとダンジョンマスターに話したところ何の返事もなく、この部屋から出れなくなっていたそうだ。

仕方なく少しでも戦わなくて良いようにと、勝手にフロアーに魔力を流し縛りのある水中フロアーを作り挑戦者をこないようにしてたとの事。

「我は倒されてもまたこの部屋に復活するのだ。
そなたもこの先に向かうのであろう?
見ればかなりの実力があるようではないか。
我は抵抗はせぬ。好きにするが良い。」

と話して哀しそうな瞳を向けていた。
私はうーんと考えて、思わずナビさんな相談してみた。

《ナビさん、あの人魚さんを仲間にする事は可能でしょうか?
1人の生活はとても寂しいものと私も知ってますし、今回のように水中フロアーではとても助かると思うのですが…。》

《イエス、マスター。同意を得れば仲間になる事は可能です。知力が高い魔物は人化出来る可能性もあるので、今後のためには仲間を増やす事は賛同します。》

これからの事を考えると、いろんな環境に遭遇するので、仲間は出来るだけ増やした方が良いとの事。

私は人魚に今の状況を説明し、仲間にならないかと話してみた。

「我のことを連れ出してくれるのか?我はまた地上に戻れるのか?それならそなたの仲間になりたい。頼む、我を連れ出してくれ!」

人魚の同意が得れたので、私は、

「我何時の力を求む者なり、ティム」

と、唱えると人魚とパスが繋がり仲間にする事が出来た。
人魚を仲間にすることにより、ボス部屋はクリアとなり奥に扉が出現した。
金の宝箱があり、中からはミスリル鉱石が大量に出てきた。それをしまい、安全地帯に入った。
先ずは、名付けの前に人魚さんのステータスを確認した。

名前 なし
性別 女
種族 セイレーン希少種
レベル 349/500(進化不可)
ランク S
年齢 1184歳
HP  2374501/2374501
MP 1854397/1854397
固定スキル
魅惑の声
スキル
水魔法 Max 危険回避 Max 回復魔法 3 魅了  Max 状態異常耐性 3 身体強化 2 
加護
なし
契約者
カミーユ

どうしよう、かなり強い魔物のようだし、名前は…。
人魚…マーメイド…ローレライ…ちらっと人魚さんの方を見ると期待しているかのように目がキラキラしていた。
更にうーんと考えて、セイレーンは歌が上手い?綺麗な歌声と言われてたような…。

「人魚さんの名前はカナリアさんでどうでしょか?」

「我の名はカナリア。そなた、いや主人よ、名をありがとう。」

こうして新たな仲間が加わったのであった。

?ダンジョン 50/100

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