新しい世界で今度こそ幸せをつかみたい

ゆたぽん

25話

初めて依頼を受けてからあっという間に半年が過ぎた。初めて依頼の報告をした時は薬草がやけに瑞々しいのと、スライムゼリーの間にある水のクッションで驚かれたが、水魔法が使えると説明したら納得してくれた。

どうやら今までは瓶が割れても気にしないで持って来る人の方が多く、几帳面な人は布などに包んで持ってきていたそうだ。

それから暫くして15歳になり、薬草採取やスライム、ゴブリン以外にも依頼を受けるようになり、ペットの捜索や、薬草以外の採取などほぼ毎日依頼を受けていた。

何となく人混みは好きでなかったので早朝に依頼を受けて午前中に依頼を終わらせ、午後はのんびりと過ごすといったサイクルになっていた。

収入も安定してきてたので教会近くに賃貸があったのでそこに住むことにした。
マリーさんもガイさんも私の事を気にしていてくれて、時折食事に誘ってくれる。
相変わらず敬語は抜けないが、それでも2人は気にせず接してくれる。

そしていつものようにギルドで依頼の報告をしているとカードからピロンと音がした。そして職員の方より、

「カミーユさん、ランクアップすることが可能となりました。ランクアップするにはカードに指定された依頼を受けて頂く事になります。」

と言われて、カードを見せてもらったら蜂蜜の納品10本と書かれていた。
蜂蜜自体は直ぐに分かる場所にあるのだが、近くを飛んでいるキラービーが厄介で、1匹見つかると集団で襲ってくる場合があるそうだ。

確かガロンの森を少し入った所に開けた場所があり、そこでキラービーが蜂蜜を作っていた。
確かに1人で行うには周りを気にしながらでないと危険かもしれないが、私の場合は気配を消せば問題ないので受ける事にした。

蜂蜜は指定された瓶に10本納品となっており、期限はないとの事。先に指定の瓶を預かった。
瓶を麻の袋にしまい、そのままの足でガロンの森に向かった。

森に入り少しするとブンブンと羽の音がし、1メートル程のキラービーが巣の周りを飛んでいた。蜂の巣は地面にあり、高さ的には2メートル程、大きいものになると100メートル以上ものあるそうだ。大きな巣の中は樹脂などで区分されており巣を壊さないように常に見張りと補修するキラービーが飛んでいるそうだ。

ただし、キラービーは魔物に分類されるため、自然に発生する。蜜をキラービーたちが食べるのではなく、キラービーが蜜を集める習慣があるだけなので取っても大丈夫とのこと。それにその土地より味も違うので需要が多いそうだ。

私はそーっと1つの蜂の巣へ向かい巣の中から一箇所切り離し自分用でインベントリにしまった。勝手にとってはいけないと思っていたが、ギルド職員の方から全部取らなければキラービーは同じ場所で作り続けると聞いたからだ。

それもでも切り取った巣はかなり大きくて、たぶん1トン以上はあるだろう。
ナビさんより、本来なら壁になっているところに穴を開け、何かしらの容器に入れて回収するとの事。それだと時間もかかり、キラービーに見つかるリスクが高いため、大量に手に入れることは困難なそうだ。

そして、切り取った巣の壁を補修してから預かった納品用の瓶に風魔法を使い1瓶ずつ入れていった。

全て入れ終わった所であまり早く戻ると目立つと思ったので、蜂の巣をもう一つ取り、マジック空間の中に入り作業をしていた。

以前マリーさんが肌荒れを気にしていたので、蜂蜜を使った美容品が作れないかと思ったからである。
ナビさんに相談し、何種類も作るのは大変だからオールインワンの美容クリームを作成した。

クリームの中は、ガロンの森に自生している薬草や植物などであり、鑑定すれば誰でも作れるような物を作った。
本来なら精油を抽出するのに蒸留器などが必要だった気がするが、そこはナビさんのアドバイスを聴きながら魔法を使い何とか完成した。

仕上がりも上々だったので、帰ってからマリーさんに渡す事にした。(後にガロンの奥様方の噂となり作成依頼が増えてしまい、ガロンの特産品になるのであった。)

美容クリームを作り終わると外は夕方になっており、温泉に入ってから借りている家に帰った。今日にでもランクアップの報告をしたかったが、夕方は混むと聞いていたので翌朝にギルドに行く事にした。

帰り道の途中で丁度マリーさんに会ったので、作った美容クリームを渡した。クリームを塗ってから寝てください。と伝え、さらにタップリ塗りすぎると効果が少ないので薄く塗ってみて下さいと説明した。
セルディでも美容品はあるが王族や貴族、一部のお金持ちと言った人たちが使っているだけで、庶民にはあまり馴染みがないそうだ。

マリーさんからお礼を言われ、今度会った時に感想言うね〜と嬉しそうに帰って行った。

そして翌朝ギルドで依頼完了の手続きを済ませランクアップしたのである。

ギルドカード
名前 カミーユ
種族 人族
レベル 12
年齢 15歳
HP 72/72
MP 76/76
ランク F
昇格 不可
犯罪歴 なし

カードには最低限の事しか載せていない。レベルなどはナビさんが調整して疑われない程度に上げてくれている。
ほかの冒険者から比べるとランクアップは少し遅いぐらいのペースなのでこのままの調子が良いとの事。
そしてランクが上がったので依頼内容も少し変化したのであった。

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