新しい世界で今度こそ幸せをつかみたい

ゆたぽん

21話

私は先ず教会のシスターの所に向かった。
どうやらナビさんの話では私はほぼ1日寝ており心配したシスターが何度か訪ねて来たそうだ。
幸い泊まっている所は教会の横の為、直ぐに向かうと、門番から話しかけてきた。

「よう!起きたのか!大丈夫か?マリーのやつが部屋から出てこないって心配してたからよ。会って行くか?」

そう言うと私を案内してくれた。道中シスターの名前はマリー、門番はガイと言うそうだ。
私も名乗り歩きながら話しているとドアの前に着いた。そしてガイはノックせずそのまま中に勢いよくバン!とドアを開け中に入った。

「よお!マリー!昨日の奴が尋ねてきたぜ!無事だったから良かったな!」

「キャッ!ガイ!何度も言ってるけど、ドアを開ける時はノックしてって言ってるじゃ…。えっ?あっ!昨日の方!良かったです!お部屋に案内した後、あまりにも静かで物音もしないって宿の者も心配してて。私も心配になって…。」

私が持ち物も無かったので食事をする事もなく部屋で倒れているのかと考えたとの事。
実際に手荷物も腰にバックを巻いているだけだし、食料がないと判断されたのだろう。私はスキルを使い腰のバッグをアイテムバッグにし使う事にしていた。
ナビさんの話ではインベントリを持っている人も少ないので、念のためとの話だった。

(ナビさん、この場合私は食料を持っていると言っても良いのですか?)

と、問いかけると、

⦅ノー、マスターのインベントリを持っている人よりもマジックバック持っている人の数は多いですが、上位と呼ばれる冒険者、一部の商人、一部の貴族たちだけです。ここではこれから食事を食べに行くと説明する事をお勧めします。》

と教えてもらったので、これから食事を食べに行くと話すと一緒にどうかと誘われた。
地球では食事を食べに誘われても行く事が出来なかったので、とても嬉しく了承すると、3人で行く事になった。

「なぁマリー、カミーユの奴は貴族の出かな?話し方が丁寧だからさ。ってか、アイツ男?女?どっちだと思う?」

「ちょっ、確かに丁寧な話し方に違和感はないのよね〜。私も仕事は丁寧に話すようにしてるけど、たまにボロが出ちゃうもん。でもさ〜あれだけ綺麗な顔してるだから近くで見れるだけでも良いんじゃない?男でも女でも!」

うっとりとカミーユを眺めながら頬を赤らめてるマリーを見て、まぁどっちでもいっか!とガイは考えいた。
そして腹減ってるだろうからと連れてこられたのが食堂おでんだった。
何代と続いている食堂で初代が名前をつけたんだそうだ。
3人はお勧めを注文し話し始めた。

「なぁ、カミーユは1人でガロンに来たのか?10歳には見えないし、その年で来るなら何かしら訳があるんだろ?」

と、モグモグとご飯を頬張りながらガイが聞いてきたので、予め決めておいた設定を話し始めた。

元々の家族は貴族であったが魔物の襲撃に遭い私だけが残ってしまった。
その為、生活する為に近くの村で世話になっていた。
その村で、ある程度人数、祝福を受けれそうな子供が集まったので、街に向けて村を出たがまたも魔物の襲撃に遭いバラバラになってしまった。
そして私は街道までなんとか辿り着きガロンに来れたと説明した。
セルディでは魔物の襲撃は珍しくない。その為何度も襲われる事もあるし、私のようなケースも珍しくない。
2人は信じてくれたようで、

「そりゃあ大変だったな〜。でもあれだ、そのお前は若いし、うん!これからだな!」

背中をバンバンと叩かれて、たのでガイを見るとちょっと泣きそうになっていた。
そんなガイをマリーは冷たい眼差しで見ながら、

「ガイ!そんな言い方ないでしょ!いつも考えてから言えって言ってるじゃない!えっと、カミーユさえ良ければ、頼りにならない事もあるけれど、何かあれば力になるから言ってね?私もガイも似たような感じだから。」

話を聞けば、この2人は21歳の同い年で、元々同じ村の出身だと言う。
ただ、村が魔物に襲われてしまって、大人たちは集会所に子供達を集めて結界を張り犠牲になってしまったとの事。
周りには魔物がいるし、いつまで結界がもつか分からない状況の時に近くに居た冒険者が助けてくれたとの事。
ただ、もう村での生活は困難のためそのまま冒険者にガロンまで連れて来てもらったそうだ。

当時、他の子供達は10歳を過ぎていたので祝福を受け、生活のために冒険者になったり、商人になったりなど働きに行けたが、2人はまだ幼く帰る場所もなかったのでそのまま教会でお世話になり、その後は教会で働いていると話していた。
色んな人から助けてもらったので、自分達も他の人を助けるのは当たり前だから!と言ってくれた。

「はい、マリーさん、ガイさん。2人が良ければ、これからもよろしくお願いします。何かあればお2人を頼らせてもらいます。」

ありがとうございます。と礼を言って時に、始めて私の表情筋が仕事をし、薄っすらだが微笑んでお礼が言えた。それを見た2人は顔を赤らめて、

「「…。美人の笑顔って半端ねーわ。」」

何故か2人で声を合わせてそう言った。

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