海蛇座の二等星

ぽん

story.0 或る二人

《生命体を感知。解析スキャンします。解析失敗エラー。解析を続けますか?Yes./No.》


不思議な目の色を持つ少年が、ディスプレイを叩くようにしてNo.を選択する。


「ねーちゃん無理。このスキャナー使えない。ていうか完全に未確認生物っぽい」


彼の目線の先、彼と同じ瞳の少女が困ったように笑う。


「こっちはすこーし解析出来たよ。音声言語の一致してる場所では名称は地球人、人間、ヒト、あと国名にじんをつけたりーってかなり沢山あって……あと魔力を持たないんだってー」


少年は目を見開いて大袈裟に驚いて見せる。


「ますます興味深いね。音声言語が一致してるところはどこ?丁度良いからちょっと遊び相手実験体になって貰おうよ」


「んー。どこだっけ。あ、ここ!」


彼らは結果が映し出されたモニターを覗きこんだ。

「「日本?」」

二人は顔を見合せ笑った。

「ここにしよう」



カチリ

時計の針が進んだ。


2月22日0時0分
世界崩壊まで残り16時間


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