恐怖の家
恐怖の家
ジョン・ハビエルは結婚を機に、家を買うことにした。
立地条件、広さ、価格...
なかなかいい物件が見つからない中、1つだけ相場に比べて値段の安く、立地条件も良い物件を見つけた。
これに目を付けたジョンは1度家を新妻のオリビア・ハビエルと共に見に行くことにした。
新婚夫妻の目の前には、古いが立派な家があった。
「おお、庭も古いがしっかりしたものじゃないか!もう少し手入れをすればいい庭になるぞ。」
「そうでしょうけど...なんだか薄気味悪いわ、この家...」
「まぁかなり古い家だからなぁ。多少の手入れをすれば良くなると思う。」
「もう帰りましょうよ。私、この家は好きじゃないわ。」
「何言ってんだ。まだ家の中も見てないだろう?中は気にいるかもしれんし...とにかく中を見てみよう。」
こうして新婚夫婦は家に入ることになった。
ーーー数十分後
「おお、家具もなかなか良い物があるじゃないか。」
「この家、絶対おかしいわ。だって冷蔵庫の中もそのままだし、物が散乱したままになっている。夜逃げした様な状態じゃないの。」
「でも綺麗に片付ければ良いと思うぞ。部屋数も多いし、広いから子どもが産まれても自由に過ごせる。」
...
「ちょっとトイレに行ってくるよ。」
ガチャ。ドタドタ...
(どうみてもこの家は怪しい。一体どうなってるの。)
ふーと息を吐いて椅子に座ろ...
脇に置いてある鏡に、見知らぬ顔色の悪い男が写った。
声が出ない。動けない
(ジョン、助けて。)そう祈るが戻ってくる気配がない。
幸い男はこちらを見ていない。が
男の首がこちらに向かって少しずつ回転している。
オリビアは必死で叫ぼうとしたが口を開くことすらできなかった。
叫びたくても叫べない苦しさが全身を覆い尽くした。
そして...
鏡越しに目が合う。
血まみれの男の頭部がニタリ、と嗤った。
男の目は生気が感じられない。
この時間がオリビアには永遠に思えた。
突如、男が消える。夫が戻ってきたからだ。
「今、そこに幽霊が!」
へたり込みながらオリビアがかすれた声でそう叫んだ。
しかし、特に変わった様子が無い。
「俺が幽霊など信じていないことを知っているだろう。この家が嫌なら嫌とはっきり言って欲しい。」
「でも本当にいたのよ。なんで信じてくれないの...」
彼女は泣き崩れこの夫婦は家をひとまず離れることにした。
その後もこの夫妻は他の物件を探したがあの物件ほど値段が安く大きくて立派な物件は無かった。
「君は結婚式などいろいろあって疲れていたんだよ。あの家が予算的にも一番いい物件なんだ。頼む。」と夫が必死に懇願したこともありついあの家で暮らすことをオリビアは承諾した。
(大丈夫なのかしら?)
不安を抱えながら。
引っ越して3ヶ月。生活は順調に思える。
適当に家事をこなし、また休日は2人の時間を楽しむ。
雰囲気こそ怪しく、何かの気配は感じる時はあるのだが人影などを見かけることもなく、この家を見学した当初の事など忘れていた。
そんな日常を壊したのはある大雨の日のことだった。
「今日の雨はかなり強いな。庭の手入れがまた大変だ。」「本当に勘弁して欲しい。洗濯物が乾かない。」2人してぼやきつつ、カーテンをそっとめくる。空は雨雲に覆われ、雨がシャワーのごとく降る。
ドシャッ!「凄い雷だ。」
ズドーン!ハビエル夫妻は眉をひそめる。
突如プツッと部屋から光が消えたからだ。
手探りで懐中電灯を探り当てる。
「おそらく今の雷でブレーカーがいかれたのだろう。」
「ブレーカーはどこにあるの?」
「......」
こんな事態は初めてである。
二人はブレーカーの場所を知らなかった。
仕方なく不動産屋からもらった家の見取り図を取り出して見る。
「おい、こんな所に地下室があるぞ...。」
「そんなことよりブレーカーはどこ?」
「この地下室の中だ。」
「.......」
結局、地下室へは2人で行くことになった...
「着いたぞ、ここが地下室だ。」
そこは昼でもなお薄暗いであろうと感じられるような、妖気がただよう部屋だった。
懐中電灯が発する光は頼りなく思えた。
「なんだか寒くない?」
「地下室だから寒いんだろう。そんなことはどうでもいい。さっさと直して部屋に戻ろう。」
ズシャッ!
雷鳴と共にあたりが一瞬明るくなる。
ジョンは辺りを素早く見渡し、ブレーカーを発見。
「おい、あったぞ!」
しかし、オリビア青い顔で震えるばかりであった。
「どうした?」
「.......なんでもないわ。」
実はこの時、オリビアさんは窓の外で不気味な男を見た。しかしここで騒いでも何もならないと感じたのだ。
.......ここで違和感を覚えた方は正しい。
異変は続く。
突如、辺りが明るくなる。
なんてことはない。ブレーカーを直しただけだ。
ただ、一瞬窓の外に浮かぶ光景に驚く。
上から人が降ってくる。頭から地面に着地する間際、こちらを見たような気がした。
ぐしゃり。肉が潰れ骨がひしゃげる音と共に窓が消えた。
「え.....」
「何なんだ、今のは...なぜ窓が消えた?」
考えてみれば当然のことだが、地下室に窓なんて無い。
「やはりこの家はおかしい。やはり引っ越した方がいいよ。」
「今さら何言ってんだ。時間もかかるし、そんな予算はどこにも無い。」
「.......」
「どうかしたのか?」
 オリビアが部屋の隅を指差す。
「あれは何?」
がらんとした地下室。ブレーカー以外、何も無いはずの部屋。
その床に、ポツンと置いてあるボロボロの紙。
嫌な予感を無視し紙を手に取ったオリビアさんは更に青い顔をする。
ソレにはこうある。
「私は罪を犯したのかもしれない。しかしそれを理由に害する者は許さない。死んでも許さない。
もし私が死んだなら全て呪い殺そう。」
オリビアは声にならない声をあげ逃げた。
「おい、待てよ。」
異様な雰囲気を察したジョンが後を追う。
残されたこの手紙の行方を知るのは、この家の死者だけだろう。
この一件以来夫婦の仲が悪くなり離婚。
オリビアさんは外へ出て行き、ジョンはこの家に今も住んでいる。
昔からある家。
そんな家には耐震性の低さなどと違った危険が潜むのかもしれない。
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