A Lifeオブchange

ミラRISE

エピソード11

美紅ちゃんが学校へ登校した後裕斗はスーパーや精肉店などを周り夕食の準備を済ませる、今日は講義がなくて良かったと心から思った。今日のメニューは『シーフード・春の訪れみどり酢かけ』と『ローストポーク・畑で食事たっぷり野菜』などだ、今どきの女の子は料理などをSNSで投稿するのが流行ってるようだからそれっぽいものを作ってみたつもりだ。全てが完成して下校まで時間があったので部屋も雰囲気を作るために少しイメチェンした、完成した後10分程でインターホンが鳴った。美紅ちゃんが帰って来たのでドアを開けると、少しボロボロになった美紅ちゃんがいた。

「どっ、どうしたの!」
「なんでもないです…気にしないでください」
「なんでもないわけないでしょ!何があったかいってちゃんと聞くから」

近寄って尋ねるとしゃがみこんで泣き出してしまった、どうやら登校初日にしてイジメにあったらしい。本人曰く不潔そうだから近寄るなだの言われたらいし、それはどうしようもないな〜。
元気になってもらおうと美紅ちゃんの手を取りリビングまで連れてくると、美紅ちゃんはとてもキラキラした目で料理を見ていた。

「一緒に食べよ?」
「うん!」

その後は今さっきまでと違ってとてもニコニコと笑いながらご飯を食べていた、気を紛らせることが出来て良かった。食事中に明日デパートや美容院などに行こうと言うと嫌々ながら了承してくれた。
ご飯を食べ終わり食後のデザートを美紅ちゃんにわたしルイボスティーを嗜んでいると、インターホンが鳴った現時刻8時誰が来たのだろうか。ドアを開けると帽子を深々と被った女性が立っていた、警戒をすると弁明と共に来た理由を話した。

「待ってください!怪しいものではありません!」
「ではどなたですか?」
「貴方は楠裕斗さんあっていますか?」
「はい」
「私はfreekingdomの役員である琴凛こよりと申します、今回伺ったのは日曜日に開催される第一回JAPANking本戦の前夜祭への招待をしに伺いました」
「そんな唐突に伺ってきてもいいものなんですか?」
「それはあなた方に用事がある場合は不参加でも構いませんが、ほかの役員によると貴方以外の方達は参加なさるとの事です」
「そうなんですか…でも明日は妹と美容院に行ったり、服を買いに行ったりしなければいけないので参加できるかは…」
「それなら大丈夫ですよ、主催している『麻戀財閥』の所有する商業区域にデパートなどがありますので」
「そうなんですか!それでは参加します」
「参加確認完了しました、あとの事はこの紙に書いてあるので」

用事を済ませたらしい女性は帰って行った、明日のことを変更すると言い女性…琴凛さんから貰った紙を見せると顔を明るくしていた。

美紅ちゃんがお風呂に入っている最中に新しく購入したゲーム機を用意して待っていた、暇なのでネットでfreekingdomの公式ページを見ていると自分の戦闘動画が投稿されていた。ワイズさんの時と同じくコメントを見に行くと『ワイズどころじゃない化け物いたぞ!』『これ人間?』『GMか?』『これが参加者とか勝ち目あるかよ』『裏技とかチートだろ』など言われていた、やはり嫌われ者はどの世界でも嫌われる運命なんだな。

ガシャ

美紅ちゃんが上がったようなのでコメントを読むのをやめサプライズの準備をする。裕斗は最初の方しか見ていなかったが、後方にはこのような事が書いて会ったりもした。

『参加者の中では1番正義だと思う』

というコメントだ、それは占領されていた所で通報があり偵察に来たドローンが捉えた一部始終の動画がネットに流れそれを見た人たちによるコメントだった。これが裕斗の二つ名『平和の執行官』が出来るもとだったのだ。

美紅ちゃんへサプライズでリビングに入る前に目を手で覆いゲーム機で前まで連れてくる、手を離し目を開けるよう促すと。ゲーム機を確認して後ろを振り向いてまた前を向いた、相当驚いているようで良かった。

「こっ、コレは!」
「プレゼントだよ?」
「でもこれって、今再発行も予約で完売してるんじゃ…」
「そうなの?」
「えっ…」

変な質問をされたが遊べればそれでいいよね?という事なので設定を済ませ今日は寝ることにした、1人でしてもいいと言ったのだか一緒にしよう!と言われたのでまた今度することになった。明日の10時には空港につかなければいけないので、自分は早く眠らなくては。



私は今血の繋がった義兄と暮らす事になった今まであったこともなかったのに、久しぶりに会ったかのように迎えてくれた。
私が学校でイジメにあって帰ったらそれ以上の優しさで迎えてくれた、はたまた十数万する人気ゲーム機まで貰った。今まで疫病神のように扱われていた私をとても可愛いがってくれた、こんなにかっこよくて優しいお兄ちゃんが居たならもっと早く知っていたかった。お母さんにも合わせてあげたかった。あんな男のせいで『病死』なんて名前で処分されるなら、いなくなる前に一緒に逃げればよかったよ。

「お母さんもそう思うでしょ?」

しくしくと泣く女の子の声は美しく、そして憎しみに染った悲しいものであった。

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