青きレモネード
平静と熱情に砂糖を混ぜて
          そこは物書きが憧れて集まるような
          やや雑多ながら趣きのある喫茶店。
          若青き檸檬は椅子に座り
          完璧なレモネードを注文し
          やってきた一杯に作り直しを命じた。
          作り直しである。
          しかし、ここは普通の喫茶店だ。
          和やかな日常会話が静かに流れる店内で、
          隣のテーブルのカップルだけが、
          彼のオーダーに興味を示していた。
          やがて一体何があったのかと、
          男性のウエイターが静かに歩いて来た。
          四十過ぎだろうか。
          客の対応には手慣れていそうな様子である。    
          皺の多い靴は履き込まれながらも
          手入れされており、
          店の黒い床をコツコツと鳴らす。
        「お客さま」
          落ち着きを携えたウエイターの声に、
          青若き檸檬の顔は、不自然に強張っていた。
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