命の重さと可能性の重み

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第五十五話

「さて…?というわけで、森に来てみたわけだけれど…」

「見事に何もいないね…気配もしないし、どうしようか?」

「この季節は、魔物自体の活動がすくなくなるからね。もう少し奥まで行ってみる?」

そう。
俺たちは今、森の入り口近くにいる。
森にさえ入れば、何かしらいるだろうと思って来てみたのだが、はずれだったようである。

「うーん…それもいいのだけれど、あまりギルドを離れるわけにはいかないのよね…」

「そういえばそうだったわね…」

「やっぱり、ギルドマスターはギルドに常駐してなくちゃいけないんですか?」

「そうなのよね…一応規則で決まっているの。「緊急時以外は常駐すべし」っていうふうにね…」

「そうなんですか…」

「えぇ、そうなの。…だから、あまり時間をかけるわけにはいかないし…何とかならないかしら?わたくしとしては、とても気になっていますから。…その失われた魔法ロストマジックについては」

「とはいってもねぇ?」

「そうだね。アイスエンドを使うには、対象が生きていないといけないからね…」

「そうなんですの?」

「そうなんですの。…まぁ、生きているなら魔物じゃなくても良いんだけどね…」

「魔物以外というと、具体的には?」

「魔獣とかだね。…人にもつかえるけど、俺がやりたくないし」

「やりたくない以前に…却下よ却下っ」

「まぁ、当然だよね…」

「それではどうしますの?ここには魔物も魔獣もいないようなのですが…」

「うーん。…確かに、気配がないものね…」

「……………」

「……………」

「……………」

三人で黙り込んでしまう。
俺としては、方法がないわけではないんだが………納得してくれるかが問題なんだよなぁ。
まぁいいや、案ずるより生むがやすしだ。

「方法はないわけじゃないよ。…ただ、みてもわかりずらいし…納得しにくいと思うけどね」

「あるんですの?方法が?」

マリアさんは目を輝かせ、

「どうするつもりよ?」

エリカは怪訝な顔をする。

「生きていれば良いんだから…この森は命の宝庫だと言えるよ。…だって、そこらにはえている木につかえば良いんだからねっ!」

「「……………はい?」」

僕が言い放った言葉に、マリアさんとエリカは理解が追いついていないようだった。

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