命の重さと可能性の重み

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第五十話

「次はこっちよ。この受付が、買い取りカウンターよ」

「わかった」

俺はエリカが指差す先にある、買い取りカウンターと書いてある受付の前に立つ。

「いらっしゃいませ。本日はどのようなものを買い取らせていただけるのでしょうか?」

「えーっと、今背負ってるこれなんですけど。…このままで大丈夫ですか?」

「そちらは…ボスーピットでございますか?…まるまる一匹となりますと、解体料金がかかりますが…よろしいでしょうか?」

「いくらくらいですか?」

「ギルドの決まりでは、買い取り金額の10%を差し引かせていただくことになっております」

「それって、買い取り金額から解体料金を引いたものが、そのまま受け取る料金になる…ってことですか?」

「そのとおりでございます。…今回の場合ですと、ボスーピットの買い取り金額が金貨10枚になりますので、解体料金は金貨1枚となります」

「つまり、俺が受け取るのは金貨9枚ってことか…」

「そのとおりでございます。ご納得いただけましたでしょうか?」

「エリカ?それで大丈夫だよね?」

「私は全然かまわないわよ?今回ボスーピットをしとめたのはゲンなんだから、ゲンが決めていいわよ?」

「そう?…だったら、俺はこれでいいからお願いします」

「承りました。それでは、こちらで買い取らせていただきますね?それでは、あちらの受け渡しカウンターのほうに直接渡してくださいませ。その後こちらに戻ってきていただき、買い取りの方のお手続きとなります…」

「わかりました。あっちですね?」

俺は頷いて、受付のお姉さんが指差す方に向かった。

・・・
・・


「いらっしゃいませ。こちらでは、買い取りに出される物の受け取りをおこなっております。…本日は何をお持ちいただいたのでしょうか?」

「ボスーピットです。この今背負っているやつを、買い取ってもらいに来たんです」

「承りました。…それでは、こちらのカウンターにのせていただけますか?」

「わかりました。…これでいいですか?」

俺は、カウンターの上に氷ったボスーピットを置く。

「こちらは…現在魔法がかかっているのでしょうか?…この氷は、消していただいてよろしいですか?」

「わかりました。………「リリース」」

俺が解除のキーワードを唱えると、ボスーピットをおおっていた氷がなくなり、あたりに良い匂いが漂う。

「ありがとうございます。それでは、こちらの番号札を買い取りカウンターの方にお渡しください。そこで報酬が支払われます」

「わかりました。ありがとうございます」

俺は頭を下げると、番号札を受け取り買い取りカウンターに戻ってくる。

「番号札の方をお渡し願えますか?」

「お願いします」

俺は番号札をお姉さんに渡す。

「ボスーピットの買い取り…確かに承りました。こちらが報酬になります」

そう言うと、お姉さんが金貨を9枚渡してくる。

「ありがとうございました」

俺はそれを受け取り、エリカの待つ場所へと歩き出した。

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