命の重さと可能性の重み

inten

第二十六話

「ギルドへようこそ。こちらでは、冒険者登録をおこなっております。登録なさいますか?」

俺が1番窓口に立つと、見た目俺と同じくらいの少女が話しかけてきた。

「お願いします」

俺は少女に頭を下げる。

「では、可能性目録を出していただけるでしょうか?」

「わかりました」

俺は可能性目録をポケットから取り出す。

「では、こちらの装置に可能性目録をおいていただけますでしょうか?登録をおこないますので…」

「わかりました」

俺は言われるがままに、少女が目の前においたスキャナーのような装置の上に、可能性目録をおいた。

「では、読み込みが終わるまでの間、ギルドについての説明をおこないたいと思います」

「お願いします」

「ではまず、ギルドについてお話いたします…。ギルドとは基本的に、冒険者に依頼…すなわち仕事を斡旋する団体です。この依頼にはランクがつけられており、基本的に冒険者は、自分のランクに応じた依頼を受けていただいております…。ランクについてですが…魔獣のランクと同じく、E~SSSまでの十段階で設定しております…。基本的に、E~Cが初心者。B~AAAが中級者。S以上が上級者にあたります」

「なるほど。わかりやすいな…」

「ありがとうございます…。では続いて、初期ランクについてお話いたします…。初期ランクとは、可能性目録を読み込んだことで決まる、登録時のランクのことです…。基本的には、最低ランクのEになります。冒険者の前に何かの仕事で鍛えていたり、可能性目録に登録されている可能性が多いと、最初から中級者レベルのBやAになります。過去最高の初期ランクとしては、魔獣族の白銀狼の青年が出したAAAとなっています…」

「なるほど…」

俺はその話を聞いて、少し嫌な予感がしていた。
何故ならエリカいわく俺の強さは、実感は無いがSランク相当だという。
つまり、見た目ただの人族ひとぞくである俺が、基本的に能力が高い魔獣族でさえAAAだったのに、Sを出してしまうかもしれないのだ。

「エリカ?大丈夫だよな?」

俺は、初期ランクがSになることによって、目立つことで厄介事がまわってこないかを心配して、エリカに問いかける。

「大丈夫よ、基本的に私がついてるし」

俺の心境をよんだエリカが、笑顔で大丈夫と言ってくれる。

「それに、私の速度についてこれていた時点で、Sランク未満は相手にならないわよ」

そういってエリカが俺の背中を叩く。

「エリカがそういうなら、大丈夫なんだよな…」
俺は、なんだか安心できた。

「…続きをお話しても、よろしいでしょうか?」

俺がエリカに話しかけたい事により、説明を中断していた受付の少女が、前を向いた俺に再び話しかけてくる。

「大丈夫です。お願いします」

俺は再び少女に頭を下げる。

「では続いて、依頼の内容についてです…。依頼の内容は主に「討伐系」「採取系」「指導系」「雑務系」の4つに分類されます」

少女はそこで区切り、机の下からプレートを持ち出す。

「まずは「討伐系」の説明をおこないます…。「討伐系」はその名のとおり、何かを討伐していただく依頼です。主に魔獣こ討伐がこれにあたります…」

「なるほど」

俺は取り出したプレートを見て感心する。
説明にプレートに描いてある絵を使うことで、イメージしやすくなったのだ。

「次に「採取系」の依頼です」

そういってプレートをとりかえる。

「「採取系」の依頼はその名のとおり、何かを採取していただく依頼です。主に薬草採取や魔物捕獲がこれにあたります…。次に「指導系」についてです」

そういってまたプレートをとりかえる。

「「指導系」の依頼は、自分よりランクの低い相手に、何かを指導していただく依頼です。主に魔法指導や技術指導がこれにあたります…。そして最後に「雑務系」についてです…」

そういってまたプレートをとりかえる。

「「雑務系」の依頼は「討伐系」「採取系」「指導系」のどれにも当てはまらない依頼の総称になります。主に荷物運搬や護衛になります。家の修理や店番などの依頼もあります」

「なるほど。ありがとうございました」

「いえ、仕事ですので…」

瞬間、ピーンという音が鳴り響く。

「今の音は何ですか?」

「可能性目録の読み込みと、登録が終了した音です。では、冒険者カードを確認いたします…」

いよいよ俺の初期ランクがあきらかになった…。

「命の重さと可能性の重み」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く