ソウカとジョブと主質テスト

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「そういやゼロカ。お前の点数てなんぼや?」

「え?」

 突然の質問に僕は戸惑う。

「え? やなくて点数や点数。昔はテスト受けてたんやろ? 何点とってたんや?」

「それが覚えてないんだよ、残念ながら。だからサーシャと戦うのは僕じゃない。神太だ」

「それならその神太の点数はなんぼなんや? 称号も気になるしな」

「えーっと……」

「俺か?俺は満点だ。満点。パーフェクト。1000点のオールラウンダーだよ」

「「「!?!?!?」」」

「まぁそうゆう事。だから大丈夫。そう簡単には負けないよ」

「負けないよて、お前今……」

「お兄ちゃん……かわった?」

「まぁね。今のが神太。僕の中にいる僕じゃない僕」

「……そない自由に入れかわれるんか?」

「うん。結構簡単にできるかな。今は二人同時の状態だから」

「「「二人同時!?!?!?」」」

「そないきような事が」

「ちょっと! きいてないわよ!」

 ユーキの言葉を途中で遮りサキが怒鳴る。

「言ってなかったっけ? たまに一緒だったよ?」

「きいてないわよ!」

「言ったけどなぁ……? まぁいいや」

「良くない! それなら兄さんを出して! 今すぐ!」

 そう言って掴みかかってきたサキを

「まぁ落ち着け。可愛い顔が台無しだぞ?」

 俺がなだめる。

「さて、なるべく出てこない事にしてるんだが……。ソノミを泣かせたくはないのでな」

(確かにね。)

「という訳で俺が神太だ。ソノミの五才上の兄だよ」

「兄さん!」

 俺が自己紹介をおえた瞬間ソノミが俺に抱きついてきた。

「兄さん……兄さん兄さん兄さん!」

「よしよし。泣くなよ。さっきも言っただろ? 可愛い顔が台無しだぞ?」

「でも! でもでもでも!」

「「・・・・・」」

 その様子をユーキとトオカがかたまって見ている。

「ほら、ユーキとトカに見られてるぞ? カッコいい女になるんじゃなかったのか?」

「っぐすんっぐすん。うぐっ。……わかった。頑張る」

「よしっ。それでこそ俺の嫁になる女だ」

「う」

「嫁っ!」

「お嫁……さん!?!?!?」

 今度はユーキとトカがサキの言葉を遮った。

「嫁てあんた、兄妹なんやろうが!」

「だめ・・・良くない」

「そこはほら、僕だから大丈夫なん」

「ソノミは俺が兄だった時から俺の嫁だぞ?」

「神太少し黙ってて! 僕が説明する」

 僕はあわてて神太のかわりに出てくる。

「そこらへんはサキの家庭の事情ってやつだから、ここまでにしてくれない」

「いいわ。私が話す」

「ちょ、サキ。何で?」

「こうなった以上隠しても仕方ないわ。私と兄は兄妹だけど兄妹じゃないの。戸籍が別なのよ」

「家族なんやろ? 何故にそないな事を?」

「私は元々兄の子供を産むためにつくられたのよ。……だから戸籍は別なの。一応血は繋がってるらしいけどそれも本当かはわからないわ」

「じゃあ嫁っちゅうのは仕事かいな」

「それは違うわ。兄は私を本気で好きになってくれた。だから私も兄を好きになれた」

「「「………………」」」

「でもある日事件が起こったの。兄が事故にあったのよ。そしてそのせいで体が動かせなくなったの」

「そこで体が必要になったんだ。そしてその体に選ばれたのが、僕らしい」

「ちょうどその頃さっき言った称号の実験計画が企画されたの。そしてその実験の条件にザジと兄が当てはまったの」

「そこから先はさっき言ったよな?」

「僕は記憶を失って……」

「私は兄を失った」

「さて、じゃあ神太が考えたサーシャの攻略法をきいて貰おうか。意見をききたいしね」

「あぁ」

「えぇ」

「う……ん」

「ってちょお待て。お前ら別々に思考を持てるのかいな」

「そうだよ。まぁ疲れるけどね……」

「じゃあ俺から説明するぞー。よくきけよ? ………………」

「それなら」

「そりゃええわ」

「ナイス……アイデア」

 さて、準備は整った。

(待ってろよ。サーシャ。驚かせてやる)

 僕は3日後が楽しみになった。

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