これが純粋種である人間の力………ってこんなの僕のぞんでないよぉ(泣

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少年と学校説明

キーンコーンカーンコーン

チャイムの音により、僕の意識は本の世界から戻ってきた。

「皆さん、席について下さい」

すると担当の先生が来ていたようで、教室内の全員にむけて声をかける。

「それでは、まず…皆さん、おはようございます」

まずは先生が挨拶をする。

「「「おはようございますっ」」」

僕たちは大きな声で返事をした。

「はい。いい返事ですね。…それでは、出席をとります。皆さん、ポータルにログインして下さい」

「「「はいっ」」」

僕たちは返事を返し、昨日配られた端末を使ってログインする。

「………はい。確認しました。皆さんいるようですね。…それではさっそく、授業選択のための説明を始めましょう。配付資料の一番をひらいてください…」

僕たちは再び端末を操作して、今度は今朝配付された資料の一番をひらいて確認する。

「皆さんひらけたようですね?…それでは、説明を始めさせていただきます。まずは………」

僕は端末に目を向けながら、先生の説明をきく。
そうしながら僕は、初めてこの端末…「フォンズ」というものを見た時の事を思い出していた。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇




僕が初めてこの「フォンズ」を知ったのは、4歳の時のことである。

当時、本を読みまくっていた僕は、部屋でも本が読みたくて…どうにかならないか父上に相談に行ったのである。
すると、ちょうどそこに技術長が新しく開発した情報端末…「フォンズ」を見せに来ていたところだった。

僕はその端末で本が読めるときいて、父上と技術長に一台貰えないか交渉した。
すると、モニターになるという条件で一台ゆずってもらえたのだ。

それからの僕は、どこにでもその端末…「フォンズ」を持ち歩き、使い勝手などの感想をメモしながら様々な場所で本を読んだ。
そして1ヶ月後…僕の意見を取り入れられた「フォンズ」は、発売される事になった。

前世でスマートフォンや携帯電話になれていた僕は、たいして驚いたりはしなかったのだが…
この世界では史上初の本が読め、音楽がきける情報端末であり…その反響はすさまじいものだった。

値段は少し高いのだが、ローンが組めるという事もあり、1ヶ月で国民の半数が持つようになり、3ヶ月で持っていないのは全国民の十分の一になっていた。

その後僕は、前世で使っていたようなネットワークをつくれないか技術長に相談し、情報端末の技術は一年でネットから色々なものをダウンロードできるまでに発展した。

僕はそのネットワーク技術を、新しくつくる学校に使うことを父上に進言し、採用された。これにより国立全教科一貫校「アースグレイズ学園」は、正真正銘今までにないまったく新しい学校になった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇




キーンコーンカーンコーン

「チャイムがなりましたので、いったんここで区切りたいと思います。ありがとうございました」

「「「ありがとうございましたっ」」」

「それでは、次の開始時間は十五分後です。皆さん、遅れないようにお願いしますね?」

「「「はいっ」」」

「それでは、いったん解散です。お疲れさまでした」

そう言うと、先生は教室から出て行った。

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