欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)
夏休みと深まる謎⑥| トーナメント優勝特典旅行⑥
欠陥魔力騎士73
夏休みと深まる謎⑥ トーナメント優勝特典旅行⑥
「それじゃ、次の所に行こうか。夢穂のガイドってことは、滝と湖は見たんだよね? だったら次は、夕陽ヶ岳渓谷が時間的にぴったりだと思うんだ」
「よろしいと思いますわ。今の時間から向かえば、ちょうど綺麗な夕陽を拝めるはずです」
「うんうん。それじゃ、レッツゴー」
ガイドさんと二人で行き先を決めると、少女……満器可憐が僕たちを先導するために歩き出す。
「少し歩くんだけど、皆さんなら大丈夫だよね?」
「俺は大丈夫だ」
「俺も大丈夫だぜ?」
少女の問いかけに、西城君と陵君が肯定を返す。
「そちらのお姉さんたちは大丈夫?」
「まぁ、大丈夫っちゃ大丈夫なんだけど……」
「わたくしも問題ありませんわ」
大和さんも美龍も大丈夫なようだ。
なら僕も……
「それでは行きましょう。ついてきてくださいね」
「ってあれ? 僕には聞いてくれないのかい?」
四人から肯定の返事を受けとると、少女はそのまま歩き出す。
「何をおっしゃいますか、僕の王子さまなら、僕についてきてくれるに決まっています。無駄な確認ってやつですよ」
(なるほど、こういう子か)
「それはすまなかった。それじゃあよろしく頼むよ」
僕は少女にウインクすると、少女の後ろを歩き出す。
(大人ぶっていても、まだまだ見た目通りの少女ってわけだな)
僕は彼女への評価を定めると、どう対応しようかと考え始めた。
………………
…………
……
「つきました。ここが夕陽ヶ岳渓谷です」
「これはまた……」
「あぁ。こりゃすげぇ……」
たどり着いた夕陽ヶ岳渓谷の景色に、僕らは思わず息を飲む。
「ここは別名、夕陽のエンゲージリング。ここで将来を誓った男女は、幸せになれるって僕が決めたんだ」
「すごい。この世のものとは思えないくらいに綺麗……」
「とてもロマンチックな景色ですわね……。時を忘れてしまいそうです」
目の前にはちょうど夕陽に変わる空があり、その夕陽が渓谷の両崖上の真ん中に見える。
まさしく夕陽のエンゲージリングと言える光景に、僕らは暫し本当に時を忘れた。
………………
…………
……
「そろそろ夕飯に間に合わなくなりますよ? 帰りましょう」
満器さんのその声に、僕らは現実へと戻ってくる。
「できれば最後まで見ていたかったがな……」
「あぁ。柄にもなく見入っちまった」
どれだけの時間が過ぎたかわからなかったが、夕陽は崖の中の隙間を半ば以上に降りており、今はちょうど渓谷の真ん中少し下に鎮座している。
「陽が沈むまで見ていたかったけど、仕方ないわね」
「わたくし、感動いたしましたわ。今日のこの日を永遠に忘れません……」
とても名残惜しいが、ホテルの夕飯をレストランで食べるには制限時間がある。
「また来よう。来年も……そのまた次も」
僕はこの景色を深く胸に刻むと、この記憶を共有できた仲間に感謝し、夕陽ヶ岳渓谷を後にした。
夏休みと深まる謎⑥ トーナメント優勝特典旅行⑥
「それじゃ、次の所に行こうか。夢穂のガイドってことは、滝と湖は見たんだよね? だったら次は、夕陽ヶ岳渓谷が時間的にぴったりだと思うんだ」
「よろしいと思いますわ。今の時間から向かえば、ちょうど綺麗な夕陽を拝めるはずです」
「うんうん。それじゃ、レッツゴー」
ガイドさんと二人で行き先を決めると、少女……満器可憐が僕たちを先導するために歩き出す。
「少し歩くんだけど、皆さんなら大丈夫だよね?」
「俺は大丈夫だ」
「俺も大丈夫だぜ?」
少女の問いかけに、西城君と陵君が肯定を返す。
「そちらのお姉さんたちは大丈夫?」
「まぁ、大丈夫っちゃ大丈夫なんだけど……」
「わたくしも問題ありませんわ」
大和さんも美龍も大丈夫なようだ。
なら僕も……
「それでは行きましょう。ついてきてくださいね」
「ってあれ? 僕には聞いてくれないのかい?」
四人から肯定の返事を受けとると、少女はそのまま歩き出す。
「何をおっしゃいますか、僕の王子さまなら、僕についてきてくれるに決まっています。無駄な確認ってやつですよ」
(なるほど、こういう子か)
「それはすまなかった。それじゃあよろしく頼むよ」
僕は少女にウインクすると、少女の後ろを歩き出す。
(大人ぶっていても、まだまだ見た目通りの少女ってわけだな)
僕は彼女への評価を定めると、どう対応しようかと考え始めた。
………………
…………
……
「つきました。ここが夕陽ヶ岳渓谷です」
「これはまた……」
「あぁ。こりゃすげぇ……」
たどり着いた夕陽ヶ岳渓谷の景色に、僕らは思わず息を飲む。
「ここは別名、夕陽のエンゲージリング。ここで将来を誓った男女は、幸せになれるって僕が決めたんだ」
「すごい。この世のものとは思えないくらいに綺麗……」
「とてもロマンチックな景色ですわね……。時を忘れてしまいそうです」
目の前にはちょうど夕陽に変わる空があり、その夕陽が渓谷の両崖上の真ん中に見える。
まさしく夕陽のエンゲージリングと言える光景に、僕らは暫し本当に時を忘れた。
………………
…………
……
「そろそろ夕飯に間に合わなくなりますよ? 帰りましょう」
満器さんのその声に、僕らは現実へと戻ってくる。
「できれば最後まで見ていたかったがな……」
「あぁ。柄にもなく見入っちまった」
どれだけの時間が過ぎたかわからなかったが、夕陽は崖の中の隙間を半ば以上に降りており、今はちょうど渓谷の真ん中少し下に鎮座している。
「陽が沈むまで見ていたかったけど、仕方ないわね」
「わたくし、感動いたしましたわ。今日のこの日を永遠に忘れません……」
とても名残惜しいが、ホテルの夕飯をレストランで食べるには制限時間がある。
「また来よう。来年も……そのまた次も」
僕はこの景色を深く胸に刻むと、この記憶を共有できた仲間に感謝し、夕陽ヶ岳渓谷を後にした。
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