欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)
夏休みと深まる謎⑤| トーナメント優勝特典旅行⑤
欠陥魔力騎士72
夏休みと深まる謎⑤ トーナメント優勝特典旅行⑤
「こちらが滝の裏側にある洞窟、『竜宮洞』でございます」
「わぁ……すごく、綺麗」
「なかなかに美しい景色ですわね……」
ガイドさんに案内された先にあったのは、とても見事な鍾乳洞。
洞窟内は自然光石でライトアップされており、絶妙な光加減が鍾乳洞の美しさを更に引き立てている。
「あれ? 先客がいるなんて珍しい」
「これは……満器のお嬢様。失礼させていただいています。ただいまこちらの学生さんたちに、この鍾乳洞を案内していたところでして……」
「あぁ、彼らがそうなんだ。ってことは、真ん中の彼が天通限無君!?」
唐突に後ろから現れた少女は、僕の顔を見ると喜色満面で近づいてくる。
「初めまして、僕の王子さまッ!!」
「えぇっ!?」
ガシッと言う音がしそうなほどの勢いで、少女が僕に抱きつく。
「今日のこの偶然を、統一王に感謝いたします。僕の名前は満器可憐。あなたの……許嫁です」
「何ですってッ!?」「どういうことですかッ!?」
少女の言葉に、大和さんと美龍が驚きの声をあげる。
「どういうこと、限無ッ! この女の子とどういう関係ッ!?」
「そうですわご主兄様。第一夫人を差し置いて許嫁などと。言ってくだされば、その女のような娘を第三夫人に連れてきますのに……」
「いやいやいや、ちょっと待ってくれッ! 僕はこの子とは初対面だし、名前だって今初めて聞いたんだ。僕に聞かないで、この子に聞いてくれッ!」
一度見たモノを忘れることがない僕が、少女とは初対面だと認識している。
つまりは僕とこの子は初対面であり、僕が責められるいわれはない。
「あっすみません。少し先走り過ぎましたね。僕はあなたのファンなんです」
「「「「「ファン?」」」」」
少女のその言葉に、僕たち全員の声がそろう。
「新入生歓迎トーナメント優勝と学年無差別チーム戦優勝。そのすべての試合を見ていて、僕はあなたのファンになった。この気持ちはまさしく恋ですッ!!」
「あわわっ」
そういうと少女は、僕の手の裏にキスをする。
「そちらのお姉さん……天通美龍さんとの婚約も、今はまだ不成立だと言うことを知っています。そしてその事実を知ったことで、是非ともあなた様と添い遂げたいと決意しました」
天使のような笑顔を浮かべ、少女は僕を見つめてくる。
「それでしたらお嬢様。こちらの学生さんたちの案内の続きをお願いできますか? こちらの施設については、お嬢様の方が圧倒的に詳しいわけですし。私のようなおばさんに案内されるよりも、お嬢様のような可愛い少女に案内される方が、学生さんたちも嬉しいかと存じます」
「なるほどなるほど。いい提案だよ、夢穂。なら君は、この後は僕のガードとしてついてきてくれ」
「かしこまりました」
少女とガイドさんの間でどんどん話が進んでいき、僕たちの案内役が変わってしまう。
「って、ちょっと待ちなさいよッ! この人はプロのガイドさんなんでしょう? なんであんたの方がうまくガイドできるって言うのよッ!」
「そうですわね。あなたのようなちんちくりんごときに、案内などできまして?」
攻めどころを見つけたかのように、大和さんと美龍は少女にせめよる。
「あっ、もしかして知らないのかい? このリゾートの名前は満器島。僕が作った僕の島だよ?」
「「「「「………………えぇーーーーッ!?」」」」」
どうやら旅行二日目は、まだまだ波乱に満ちていそうだった。
夏休みと深まる謎⑤ トーナメント優勝特典旅行⑤
「こちらが滝の裏側にある洞窟、『竜宮洞』でございます」
「わぁ……すごく、綺麗」
「なかなかに美しい景色ですわね……」
ガイドさんに案内された先にあったのは、とても見事な鍾乳洞。
洞窟内は自然光石でライトアップされており、絶妙な光加減が鍾乳洞の美しさを更に引き立てている。
「あれ? 先客がいるなんて珍しい」
「これは……満器のお嬢様。失礼させていただいています。ただいまこちらの学生さんたちに、この鍾乳洞を案内していたところでして……」
「あぁ、彼らがそうなんだ。ってことは、真ん中の彼が天通限無君!?」
唐突に後ろから現れた少女は、僕の顔を見ると喜色満面で近づいてくる。
「初めまして、僕の王子さまッ!!」
「えぇっ!?」
ガシッと言う音がしそうなほどの勢いで、少女が僕に抱きつく。
「今日のこの偶然を、統一王に感謝いたします。僕の名前は満器可憐。あなたの……許嫁です」
「何ですってッ!?」「どういうことですかッ!?」
少女の言葉に、大和さんと美龍が驚きの声をあげる。
「どういうこと、限無ッ! この女の子とどういう関係ッ!?」
「そうですわご主兄様。第一夫人を差し置いて許嫁などと。言ってくだされば、その女のような娘を第三夫人に連れてきますのに……」
「いやいやいや、ちょっと待ってくれッ! 僕はこの子とは初対面だし、名前だって今初めて聞いたんだ。僕に聞かないで、この子に聞いてくれッ!」
一度見たモノを忘れることがない僕が、少女とは初対面だと認識している。
つまりは僕とこの子は初対面であり、僕が責められるいわれはない。
「あっすみません。少し先走り過ぎましたね。僕はあなたのファンなんです」
「「「「「ファン?」」」」」
少女のその言葉に、僕たち全員の声がそろう。
「新入生歓迎トーナメント優勝と学年無差別チーム戦優勝。そのすべての試合を見ていて、僕はあなたのファンになった。この気持ちはまさしく恋ですッ!!」
「あわわっ」
そういうと少女は、僕の手の裏にキスをする。
「そちらのお姉さん……天通美龍さんとの婚約も、今はまだ不成立だと言うことを知っています。そしてその事実を知ったことで、是非ともあなた様と添い遂げたいと決意しました」
天使のような笑顔を浮かべ、少女は僕を見つめてくる。
「それでしたらお嬢様。こちらの学生さんたちの案内の続きをお願いできますか? こちらの施設については、お嬢様の方が圧倒的に詳しいわけですし。私のようなおばさんに案内されるよりも、お嬢様のような可愛い少女に案内される方が、学生さんたちも嬉しいかと存じます」
「なるほどなるほど。いい提案だよ、夢穂。なら君は、この後は僕のガードとしてついてきてくれ」
「かしこまりました」
少女とガイドさんの間でどんどん話が進んでいき、僕たちの案内役が変わってしまう。
「って、ちょっと待ちなさいよッ! この人はプロのガイドさんなんでしょう? なんであんたの方がうまくガイドできるって言うのよッ!」
「そうですわね。あなたのようなちんちくりんごときに、案内などできまして?」
攻めどころを見つけたかのように、大和さんと美龍は少女にせめよる。
「あっ、もしかして知らないのかい? このリゾートの名前は満器島。僕が作った僕の島だよ?」
「「「「「………………えぇーーーーッ!?」」」」」
どうやら旅行二日目は、まだまだ波乱に満ちていそうだった。
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