欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)
夏休みと深まる謎④| トーナメント優勝特典旅行④
欠陥魔力騎士71
夏休みと深まる謎④ トーナメント優勝特典旅行④
「そういえばだけど、少し調べてみたのよね」
湖へ向かう途中、唐突に大和さんが近接チャット ──近距離専用の個人またはグループチャット── で話し始める。
「大和さん、主語が抜けていましてよ? 何をお調べになられたのですか?」
「あっ、ごめんなさい。限無の気力について、調べてみたの」
「えっ?」
僕はいきなり出てきたその単語に、思わず驚く。
「限無ってさ、もしかして……いいところのお坊っちゃんだったりしない?」
「ほへっ?」
続く質問に、僕は訳がわからずすっとんきょうな声をあげた。
「それは無いはずだよ。僕の父は会社員だし、母は専業主婦だ。ただ、今の戸籍は天通家に入っている形になっているはずだから、お坊っちゃんと言えなくもないのかな?」
「そうですわね。ご主兄様は、普通の家庭で育てられていましたわ。わたくしのところで引き取る際に、しっかりと調べさせていただきましたから……」
「そうなの? ならどうしてなんだろう……」
「何かございましたか?」
美龍のその言葉に、大和さんが少し躊躇う。
「いやね、気力を調べた時に、一緒に限無についても調べてみたのよ……」
「あらあら。大和さんってば、ひょっとして……ストーカーだったの?」
「失礼なッ!! 前に限無から話してもらった事の裏をとっただけよ」
真っ赤になりながら声をあらげる大和さんだが、その声には覇気がない。
「どうかしたの? 何か問題でも?」
何故かはわからないが、大和さんのその姿に心がざわつく。
「トップシークレットだったのよ……」
「ッ!?」「なんだって!?」「ハァ!?」「…………」
現代でのトップシークレットとは、そのままイコール統一王にまつわる事となる。
「気力がトップシークレットなのは、まだ理解できるわ。だけど限無は……」
(バレてはいないようだけど、注意が必要だな)
僕が統一王に関係のある存在という事実は、僕がトップシークレットとなっていることから判明してしまった。
大和さんから告げられたその言葉は、湖につくまでの僕らに沈黙をもたらした。
………………
…………
……
「つきました。ここがこのリゾート最大の湖、『女神の涙』です。この湖だけで、このリゾートに必要なすべての水を賄っています」
「うわぁ……」
「大きい……ですわ」
「すごいっ、向こう岸が見えないや」
一見海と見間違わんばかりの湖の大きさ。
湖面にはまわりを囲む山がうつり、自然の雄大さを示している。
「潜ってみてぇなぁ……」
唐突に西城君がそう呟く。
「申し訳ありません。この湖は遊泳禁止ですので……」
ただの呟きだったのだが、静けさゆえによく響き、ガイドさんに釘をさされる。
「俺は後で絵にさせてもらうぜ」
陵君もとても気に入ったらしく、後で記憶再生紙 ──降れた者の記録したい記憶を絵として写し出す紙── に記録しても構わないかをガイドさんに確認していた。
「それでは皆様、次の場所へと案内いたします」
しばらく各々で湖を眺めていた僕らは、ガイドさんの声で集合。
次の目的地へと歩き始めた。
夏休みと深まる謎④ トーナメント優勝特典旅行④
「そういえばだけど、少し調べてみたのよね」
湖へ向かう途中、唐突に大和さんが近接チャット ──近距離専用の個人またはグループチャット── で話し始める。
「大和さん、主語が抜けていましてよ? 何をお調べになられたのですか?」
「あっ、ごめんなさい。限無の気力について、調べてみたの」
「えっ?」
僕はいきなり出てきたその単語に、思わず驚く。
「限無ってさ、もしかして……いいところのお坊っちゃんだったりしない?」
「ほへっ?」
続く質問に、僕は訳がわからずすっとんきょうな声をあげた。
「それは無いはずだよ。僕の父は会社員だし、母は専業主婦だ。ただ、今の戸籍は天通家に入っている形になっているはずだから、お坊っちゃんと言えなくもないのかな?」
「そうですわね。ご主兄様は、普通の家庭で育てられていましたわ。わたくしのところで引き取る際に、しっかりと調べさせていただきましたから……」
「そうなの? ならどうしてなんだろう……」
「何かございましたか?」
美龍のその言葉に、大和さんが少し躊躇う。
「いやね、気力を調べた時に、一緒に限無についても調べてみたのよ……」
「あらあら。大和さんってば、ひょっとして……ストーカーだったの?」
「失礼なッ!! 前に限無から話してもらった事の裏をとっただけよ」
真っ赤になりながら声をあらげる大和さんだが、その声には覇気がない。
「どうかしたの? 何か問題でも?」
何故かはわからないが、大和さんのその姿に心がざわつく。
「トップシークレットだったのよ……」
「ッ!?」「なんだって!?」「ハァ!?」「…………」
現代でのトップシークレットとは、そのままイコール統一王にまつわる事となる。
「気力がトップシークレットなのは、まだ理解できるわ。だけど限無は……」
(バレてはいないようだけど、注意が必要だな)
僕が統一王に関係のある存在という事実は、僕がトップシークレットとなっていることから判明してしまった。
大和さんから告げられたその言葉は、湖につくまでの僕らに沈黙をもたらした。
………………
…………
……
「つきました。ここがこのリゾート最大の湖、『女神の涙』です。この湖だけで、このリゾートに必要なすべての水を賄っています」
「うわぁ……」
「大きい……ですわ」
「すごいっ、向こう岸が見えないや」
一見海と見間違わんばかりの湖の大きさ。
湖面にはまわりを囲む山がうつり、自然の雄大さを示している。
「潜ってみてぇなぁ……」
唐突に西城君がそう呟く。
「申し訳ありません。この湖は遊泳禁止ですので……」
ただの呟きだったのだが、静けさゆえによく響き、ガイドさんに釘をさされる。
「俺は後で絵にさせてもらうぜ」
陵君もとても気に入ったらしく、後で記憶再生紙 ──降れた者の記録したい記憶を絵として写し出す紙── に記録しても構わないかをガイドさんに確認していた。
「それでは皆様、次の場所へと案内いたします」
しばらく各々で湖を眺めていた僕らは、ガイドさんの声で集合。
次の目的地へと歩き始めた。
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