欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)

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学年無差別トーナメント⑦| 準決勝は王道バトル①陵陵子の戦い

欠陥魔力騎士55

学年無差別トーナメント⑦ 準決勝は王道バトル①陵陵子の戦い

「やってまいりました準決勝。第一試合は本大会のダークホース対決。チームグリットVSチームウェーブ。一年生ながらもここまで快勝してきたグリットと、二年生の意地を見せてきたウェーブ。グリットは個々の強さで勝ち上がってきましたが、ウェーブはチームの実力として勝ち上がってきた。対照的な勝ち方をしてきた2つのチーム。どんな戦いを見せてくれるかが、今からとても楽しみですッ!!」

「チーム戦と言えど、各ポジション同士の戦いでは個の力が強い方が有利だ。しかしチームウェーブに関してはそうとも言えない。何故ならチーム戦専門のスペシャリストとして戦っているからだ」

「チームグリットはごり押しで相手をねじ伏せてきましたが、チームウェーブはポジション同士の戦いではなく、巧みなチームワークおよびリーダーの策で勝利しています。果たしてチームグリットはこれに対抗できるのか!? それとも策に踊らされて敗北するのか!?」

「非常に楽しみな戦いだが、私はチームグリット優勢と見ている。事前予想もチームグリット優勢だ。是非ともチームウェーブには頑張ってもらいたいな」

「それでは本試合の実況はわたくし、『孤月下みなしごげっか』が」

「解説お馴染みの私、学園長でお送りするぞ」

「それでは会場の九条先生、お願いしますッ!!」

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「両チーム、準備はいいな? ではカウントを開始する」

 5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!

「今回は策と言う策はない。各ポジションで圧勝して、一気に殲滅だッ!!」

 僕はインカムで皆にそう指示を出し、使わなければならないだろうギリギリのカートリッジを送る。
 同時に目の前の陵君に少し多目にカートリッジを渡すと、モニターを全員分うつるように配置して敵の襲撃に備えた。

「さてと、それじゃあ王道バトルを始めようか」

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「これは驚いた!! チームグリットは王道バトルで勝つつもりだぁぁぁッ!!」

「各ポジション同士で戦わせ、一人ずつ確実に潰していくチーム戦の定石の1つだ。個々の力で勝っているチームグリットとしては、一対一では負けないと確信しているのだろう」

「各ポジション接敵ッ!! ここからはチームウェーブのチームワークと、チームグリットの個人技の戦いとなりそうですッ!!」

「これも驚いたな。もしかしたらチームウェーブは、ここまで見せているチームグリットの能力に対策をたてているのかもしれない……」

「接敵から数秒。各ポジション同士の熱い戦いが、今始まりましたッ!!」

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「僕の敵、は……あな、た?」

「某は御波丈助みなみじょうすけ。貴殿を倒して最速でリーダーを倒させてもらうでござる」

 僕の前に現れたのは、忍者のような格好をした男の先輩。
 見るからに奇策を使ってきそうな相手だ。

「それ、じゃ、いき……ます」

「あいや待たれいッ!! そこには……」

「ッッッ!?」

 僕が前進した瞬間、足元が爆発する。
 僕は慌てて飛びすさり、リーダーの前まで戻る。

「罠……? いつの間にこんな数を?」

「某は見ての通りの忍者ゆえ。姿を見せた時点で既に勝っているのであるよ」

「どういう、こと?」

 自信満々でそう宣言する先輩に対し、僕は何故そう言い切れるのかを素直に問う。

「某のポジションはフォワード。故にリーダーへの攻撃も可能でござる。そして今現在、この場は某の支配圏内。つまり、貴殿が動いたとしても、リーダーの方が動いたとしても、先程のように爆発させられると言うことにござるよ」

「なる、ほど……ね。つまら、君たちは僕の能力のことをわかったつもりになっている、ってわけだ」

 恐らくチームウェーブのリーダーは、僕の能力を反射系だと予想した。
 ゆえに対象を反射さそられない……つまりは予想できないようにし、更にリーダーのまわりにも罠を仕掛けたことで、僕が反射した事により生じる余波で、リーダーさえも巻き込んで倒してしまうつもりだった……。

「なる、ほど……ね。でも、残念。窮鼠猫を噛む特異点ジャイアントキリングシンギュラリティ、発動」

「なっ!?」

 僕は彼らの予想を予想した上で、能力を発動させる。
 僕を中心にフィールドを展開し、範囲内のすべてを反転させるッ!!

「いい読みだったけど、残念。君が仕掛けたすべての罠で爆散して、ね?」

 僕は範囲内にとらえたすべての罠の対象を反転。
 同時に設置したと言う事象をも反転させ、すべてを相手の手元に戻す。
 最後に待機状態を反転させ、一斉に爆発させた。

「む、無念……なり」

「勝利のブイ。引き続き、ミドルスに、対応」

 僕はリーダーの前……初期位置へと戻ると、交代で出てくるミドルスへの対応へと頭を切り替えた。


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