欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)

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学年無差別トーナメントに向けて⑥| それぞれの課題と特訓の日々③

欠陥魔力騎士42

学年無差別トーナメントに向けて⑥ それぞれの課題と特訓の日々③

「限無っ、次のメニューをちょうだいッ!!」

 僕が陵君と修練の間の休憩をしていると、大和さんが声をかけてきた。

「もう最初のが終わったのかい? さすがに早いね。なら次は…………これだね。頑張って」

「そ、それだけ? もっと、こう……他には、無いの?」

 僕は彼女の態度を疑問に思いつつ、この修練の意味を伝える。

「大和さんの課題は、必殺技だ。今のままでも、ある程度までの相手であれば、大和さんな確実に倒せる。けれどそれはあくまで、自分より弱い相手に限られる。だからこのメニューで決定力を……「そう言うことじゃなくてッ!!」どういう意味だい?」

「ほら、その……ね? 「頑張ったな」だとかさ? 色々、あるじゃ、ない?」

「んー、よくわからないけど、僕からしたら、今のメニューはこなせて当然と思ってる。大和さんにはまだまだ上を目指してほしいんだ」

「そ、そう、なの?」

 実際、今回大和さんがクリアしたのは、入り口の入り口にすぎない。
 だからこそ、クリアできて当たり前だと信じているわけで……

「でも、そうだな。これからも頑張って。応援してるよ」

「あ、ありが、とう。頑張るわよッ!!」

 何故かわからないが、大和さんは来た時とは真逆の、嬉しそうな顔で戻っていった。

「それじゃ、そろそろ休憩は終わりだ。次のメニューに移るよ?」

「が、頑張り、ますッ!!」

 陵君の修練は、まだまだ始まったばかりなのだから。

………………
…………
……

「ご主兄様、今よろしいでしょうか?」

 今日二回目の休憩中、今度は美龍がやってきた。

「美龍か、最初のメニューが終わったのかな?」

「はい、ご主兄様。次のメニューをいただきに参りました」

 そう言うと美龍は、何故か僕の隣に座る。

「美龍? メニューはまだまだあるんだから、すぐに修練に戻るべきじゃないか?」

「申し訳ありません、ご主兄様。ただいまご主兄様成分を補充中ですので……」

「なんだい、それ? ……まぁいいけどね」

 僕が伝えた美龍のメニューは、全力戦闘時間のコントロールだ。
 僕は先日のトーナメントで、無限領域を出さなかったのには理由がある。
 それと同じように、美龍が最初から本気を出さなかったのにも理由があったのだ。

「確かにわたくしは、体力面や魔力の戦闘配分が苦手ではありますが、わたくしの最大出力に耐えられる相手がご主兄様以外にいるとは思えません」

「それは慢心だよ、美龍。今回のトーナメントでは、最上級生も相手になる。そしてこの学園の最上級生は、君たち入りたての一年生とは次元が違う。彼らはこの学園で競い合い、時にはプロとすら戦ってきたんだ。甘く見てはいけないよ」

 そう。
 この学園のカリキュラムには、プロを講師に招いて戦う授業もある。
 そして今のこの学園の上級生のトップ集団は、トッププロとさえ渡り合える。
 更に今回のようなチーム戦では、流鏑馬先輩のチームがトッププロのチームに圧勝している。

「だからこそ、僕らはもっと強くならなければならない。頑張るんだよ?」

「はい、ご主兄様。美龍は頑張りますッ!!」

 そう言うと、美龍は怪しげな笑みを浮かべながら去っていった。


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