欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)
新入生歓迎トーナメント⑬| 天通限無(兄)VS天通限無(弟)②
欠陥魔力騎士31
新入生歓迎トーナメント⑬ 天通限無VS天通限無(弟)②
「こ・れ・は、まさしく壮絶ッ!! 決勝戦に相応しい戦いだぁぁぁッッッ!!」
「互いに天通流を使いこなす身。天通流同士の戦いだ。しかもどうやらこの戦いの中で、天通兄も創解を覚えたようだしな……」
「これで天通弟選手の有利が消えたと言えるでしょうか!?」
「いや、そうとも言えない。先程の攻防では、天通兄が押しきられている。咄嗟に昨日の力を使ったから何とかなったみたいだが、互いに手の内すべてを見せていない。まだまだ試合はこれからだ」
────────────────────────
この試合が始まる前、大和さんに渡されたこの剣。
これは昨日よりも長く、僕の全力に応えてくれる。
『いい? この剣が貴方の全力に耐えられるのは、だいたい五分が限度よ。できればそれまでに決めなさい?』
大和さんには本当に感謝だ。
僕は彼女のおかげで戦えるッ!!
「しかしまさか、十指創解の、三種合一を使わされるとは思っていませんでした」
「僕も驚いているよ。まさか創解に、その先があるなんてね……」
先程の攻撃は、天通流九指までの技の、3つを同時に発動させたもの。
一度見ただけでは、そのすべてを覚えることはできなかったが、だいたい理屈はわかった。
つまり創解とは、九指までを同時に別の場所で発動。
それを精密なコントロールにより、放つ直前で1つにする。
まさしく天通流究極の技なのだ。
「確かその力には、制限時間があるんでしたよね? ではここに宣言します。俺は貴方のその力が尽きるまでに、貴方を倒して見せるとねッ!!」
「あまりなめないでほしいな。僕はこの力を使った戦いで、まだ負けたことはないッ!!」
無限領域を維持しつつ、僕はどう攻めるかを考える。
昨日見せたような大技は、決まれば大きいが発動までの時間が長い。
それに天通流には、傷を癒す技もある。
一撃で仕留められなければ、彼は瞬く間に元通りだろう。
「では、こちらからいきますよ? 天通流十指創解、夜魔打乃絶突ッッッ!!」
「天通流十指創解、希刻指旋突ッッッ!!」
僕は彼の先程と同じ攻撃に対し、希刻指旋突をぶつけてその攻撃をそらす。
同時に無限領域の把握力を利用して回避行動に移り、彼の攻撃を再びかわす。
「はははっ。その力、予想以上に厄介ですねッ!! でもこれならどうですか!? 希刻夜魔打乃半絶ッッッ!!」
「くっ……、集束せし魔力光の剣ぁぁぁッッッ!!」
相手が放ってきた新しい三種合一に対し、僕は咄嗟に集束せし魔力光の剣で対抗する。
「無駄、無駄、無駄ですよッ!! 貴方の魔力がどれだけ大きかろうと、半絶を混ぜた創解の前には無力ッッッ!!」
「我流、天通流合一……。夜魔打乃集束せし魔力光の剣ぁぁぁッッッ!!」
1つ目の集束せし魔力光の剣が打ち消される前に、僕は夜魔打乃大蛇に集束せし魔力光の剣を重ねた技を放って対抗する。
「それは……悪手ですよ、天通限無ッ!! どんなに魔力量のある攻撃を使ったとしても、それは時間稼ぎにしか……ッ!?」
「その通りだ。この技はあくまでも時間稼ぎだよッ!! 天通流疑似無手の型…………」
僕は稼げた時間の間に、昨日と同じように剣を使っての天通流無手の型を発動する。
「我が剣に宿れ、玄武の鋼。玄武、断空斬ッッッ!!」
「ッッッ!?」
僕が放った一撃は、彼の技を完膚なきまでに打ち消し、彼に致命的と見える傷をつける。
「まさか、これほどとは……。正直予想以上ですよ。貴方の力はッ!! 天通流十指創解、希刻癒穴」
しかし彼のその技により、あたえた傷は瞬く間に癒される。
天通流八指希刻泉により高めたエネルギーを使い、四指癒穴で回復する。
この技は想定通りだが、まさかここまでの回復力とは思っていなかった。
「しかしとても残念です。もう貴方には時間がない。そうでしょう?」
「ッッッ!?」
彼の言葉に間違いはない。
事実、僕が無限領域を使い始めてからもうすぐ五分だ。
「先程の宣言通りとはならなかったのが残念でなりませんが、私の勝ちですね?」
「そう……かもしれないね」
いや、天通流無手の型を正しい形で発動させれば、まだ勝機はある。
しかしこの技は、大会運営に禁じられている。
トーナメント決勝戦を、反則負けなどと言う形で終わらせたくないッ!!
「何をしているの、天通限無ッ!! 貴方がその力を躊躇うのは仕方ないわ。でも信じてッ!! 大会運営の言葉じゃなくて、私の言葉をッ!!」
「大和……さん?」
会場内に唐突な響く、大和さんの声。
見上げれば閲覧席の最前列で、叫んでくれる大和さんの姿があった。
「貴方が貴方を信じられなくても、貴方の力を運営が認めないとしてもッ!! 貴方を信じる私を信じてッ!! 私の知ってる貴方と言う男は、こんなところで絶対に負けないのよッッッ!!」
そうだ……そうだった。
今の僕は一人じゃない。
大和さんと言うかけがえのない存在がいて、僕を常に支えてくれる。
何よりこんな僕を……欠陥魔力騎士だった僕に価値があると教えてくれて、救い上げてくれた。
ならばその期待、応えられなきゃ男じゃないッッッ!!
「武装具変更、モード全力全開ッッッ!!」
今出せる僕の全力。
本気の中の本気の力。
「なんなんですか、その姿は……ッ!?」
「今ここにあらためて宣言するよ。僕の出せる全力全開にて、君の全力を凌駕するッ!!」
新入生歓迎トーナメント⑬ 天通限無VS天通限無(弟)②
「こ・れ・は、まさしく壮絶ッ!! 決勝戦に相応しい戦いだぁぁぁッッッ!!」
「互いに天通流を使いこなす身。天通流同士の戦いだ。しかもどうやらこの戦いの中で、天通兄も創解を覚えたようだしな……」
「これで天通弟選手の有利が消えたと言えるでしょうか!?」
「いや、そうとも言えない。先程の攻防では、天通兄が押しきられている。咄嗟に昨日の力を使ったから何とかなったみたいだが、互いに手の内すべてを見せていない。まだまだ試合はこれからだ」
────────────────────────
この試合が始まる前、大和さんに渡されたこの剣。
これは昨日よりも長く、僕の全力に応えてくれる。
『いい? この剣が貴方の全力に耐えられるのは、だいたい五分が限度よ。できればそれまでに決めなさい?』
大和さんには本当に感謝だ。
僕は彼女のおかげで戦えるッ!!
「しかしまさか、十指創解の、三種合一を使わされるとは思っていませんでした」
「僕も驚いているよ。まさか創解に、その先があるなんてね……」
先程の攻撃は、天通流九指までの技の、3つを同時に発動させたもの。
一度見ただけでは、そのすべてを覚えることはできなかったが、だいたい理屈はわかった。
つまり創解とは、九指までを同時に別の場所で発動。
それを精密なコントロールにより、放つ直前で1つにする。
まさしく天通流究極の技なのだ。
「確かその力には、制限時間があるんでしたよね? ではここに宣言します。俺は貴方のその力が尽きるまでに、貴方を倒して見せるとねッ!!」
「あまりなめないでほしいな。僕はこの力を使った戦いで、まだ負けたことはないッ!!」
無限領域を維持しつつ、僕はどう攻めるかを考える。
昨日見せたような大技は、決まれば大きいが発動までの時間が長い。
それに天通流には、傷を癒す技もある。
一撃で仕留められなければ、彼は瞬く間に元通りだろう。
「では、こちらからいきますよ? 天通流十指創解、夜魔打乃絶突ッッッ!!」
「天通流十指創解、希刻指旋突ッッッ!!」
僕は彼の先程と同じ攻撃に対し、希刻指旋突をぶつけてその攻撃をそらす。
同時に無限領域の把握力を利用して回避行動に移り、彼の攻撃を再びかわす。
「はははっ。その力、予想以上に厄介ですねッ!! でもこれならどうですか!? 希刻夜魔打乃半絶ッッッ!!」
「くっ……、集束せし魔力光の剣ぁぁぁッッッ!!」
相手が放ってきた新しい三種合一に対し、僕は咄嗟に集束せし魔力光の剣で対抗する。
「無駄、無駄、無駄ですよッ!! 貴方の魔力がどれだけ大きかろうと、半絶を混ぜた創解の前には無力ッッッ!!」
「我流、天通流合一……。夜魔打乃集束せし魔力光の剣ぁぁぁッッッ!!」
1つ目の集束せし魔力光の剣が打ち消される前に、僕は夜魔打乃大蛇に集束せし魔力光の剣を重ねた技を放って対抗する。
「それは……悪手ですよ、天通限無ッ!! どんなに魔力量のある攻撃を使ったとしても、それは時間稼ぎにしか……ッ!?」
「その通りだ。この技はあくまでも時間稼ぎだよッ!! 天通流疑似無手の型…………」
僕は稼げた時間の間に、昨日と同じように剣を使っての天通流無手の型を発動する。
「我が剣に宿れ、玄武の鋼。玄武、断空斬ッッッ!!」
「ッッッ!?」
僕が放った一撃は、彼の技を完膚なきまでに打ち消し、彼に致命的と見える傷をつける。
「まさか、これほどとは……。正直予想以上ですよ。貴方の力はッ!! 天通流十指創解、希刻癒穴」
しかし彼のその技により、あたえた傷は瞬く間に癒される。
天通流八指希刻泉により高めたエネルギーを使い、四指癒穴で回復する。
この技は想定通りだが、まさかここまでの回復力とは思っていなかった。
「しかしとても残念です。もう貴方には時間がない。そうでしょう?」
「ッッッ!?」
彼の言葉に間違いはない。
事実、僕が無限領域を使い始めてからもうすぐ五分だ。
「先程の宣言通りとはならなかったのが残念でなりませんが、私の勝ちですね?」
「そう……かもしれないね」
いや、天通流無手の型を正しい形で発動させれば、まだ勝機はある。
しかしこの技は、大会運営に禁じられている。
トーナメント決勝戦を、反則負けなどと言う形で終わらせたくないッ!!
「何をしているの、天通限無ッ!! 貴方がその力を躊躇うのは仕方ないわ。でも信じてッ!! 大会運営の言葉じゃなくて、私の言葉をッ!!」
「大和……さん?」
会場内に唐突な響く、大和さんの声。
見上げれば閲覧席の最前列で、叫んでくれる大和さんの姿があった。
「貴方が貴方を信じられなくても、貴方の力を運営が認めないとしてもッ!! 貴方を信じる私を信じてッ!! 私の知ってる貴方と言う男は、こんなところで絶対に負けないのよッッッ!!」
そうだ……そうだった。
今の僕は一人じゃない。
大和さんと言うかけがえのない存在がいて、僕を常に支えてくれる。
何よりこんな僕を……欠陥魔力騎士だった僕に価値があると教えてくれて、救い上げてくれた。
ならばその期待、応えられなきゃ男じゃないッッッ!!
「武装具変更、モード全力全開ッッッ!!」
今出せる僕の全力。
本気の中の本気の力。
「なんなんですか、その姿は……ッ!?」
「今ここにあらためて宣言するよ。僕の出せる全力全開にて、君の全力を凌駕するッ!!」
「SF」の人気作品
書籍化作品
-
-
93
-
-
4
-
-
15254
-
-
26950
-
-
37
-
-
75
-
-
17
-
-
35
-
-
0
コメント