欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)

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新入生歓迎トーナメント④| 本戦開始は激闘の始まり②

欠陥魔力騎士22

新入生歓迎トーナメント④ 本戦開始は激闘の始まり②

「お疲れさま、さすがの試合だったわ」

「ありがとう、大和さん。初戦でアレを使わされるとは思わなかったけどね?」

 先程の戦いを思い返し、彼女と話しながら、僕は反省と改善を行う。

「貴方と私が戦えるのな、決勝戦。私はその前に、もう一人の天通限無を倒さなきゃだけどね?」

「大和さんには悪いけど、正直五分五分だと思うよ。彼の練度は相当なものだ。更に彼は免許皆伝。つまりは十指じゅっし創解そうほどきが使える」

 十指創解は、僕が覚えられずに天通流の道場を出ることを決意した技。
 一指から九指までを組み合わせた変幻自在の技としか聞いていない。
 現在は彼以外使えない技であり、その威力がどれ程の物なのか想像もつかない。

「わかってるわ。相手が強大なことはね。けど私は負けない。貴方と決勝で戦って勝つんだかッ!!」

「心から楽しみだよ。僕も必ず決勝まで上り詰めるよ」

 僕らは互いに笑顔を交わしながら、待機位置で試合を見つつ意見を交わす。

「それじゃ、次は私ね」

 僕の試合から八戦後。
 彼女の出番がやってきた。

「行ってらっしゃい。頑張って」

「えぇ、もちろんよッ!!」

 僕は舞台へと上がる彼女を見送ると、その試合を一挙一動、わ見逃さないように完全掌握操作状態パーフェクトコントロールゾーンに入り待機した。

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「続いて第九試合、Sクラス大和光VS同じくSクラス明石薫あかしかおるッ!! 両者は前へ」

「「はいッ」」

「双方、戦う準備は良いな?」

「大丈夫です」

「問題ありません」

「それではカウントを開始する」

 5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!

「咲き乱れろッ!! 千変万化針ネズミの型ッ!!」

 開始と同時に、私は剣状態の千変万化を地面に突き立てて魔力を込める。

「こ、これはッ!?」

 地面に突き立てた千変万化を起点として、フィールド全体へと広がるように、地面から同じ形の剣が突き上がる。

(彼に遠距離攻撃は無い。だからこの初手で彼が上に避けて距離をとれば私の思い通り、もし剣をかわしつつ向かってきても、それはそれで好都合)

 私は相手がどう動いてもいいように構えつつ、次のアクションへそなえた。

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「開始早々ド派手な技が炸裂したぁぁぁッ!! 大和選手の千変万化が、針ネズミの針のように、フィールドすべてを多い尽くしていくッ!!」

「これが彼女の武装具、千変万化の力の一部だね。恐らく彼女の武装具は、音声認識と動作認識を複合させて、様々な姿へと変化させられるのだろう」

「つまり、先程の言葉と動きに秘密があると?」

「その通りだ。彼女の武器である千変万化は、まず音声認識……つまりは先程の「咲き乱れろ」を起点として、続いての「剣を地面に突き立てる動き」を行い、最後に魔力を流し込む。この「魔力を流し込む」事を発動キーとして、その前の2つによって定められた型を発動させるのだろうよ」

「なるほど。つまり大和選手の千変万化は、文字通りの武装具というわけですね!!」

「その通りだ。ここからは一気に決まるだろうよ」

「さぁさぁさぁ、大和選手のこの攻撃にたいし、ジャンプでかわす明石選手。大和選手はここからどう動く!?」

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(彼女の千変万化は、形状を変化させてからの攻撃がメイン。ならば一度ジャンプで距離をとり、この針ネズミのような剣のフィールドから離れると当時に近づけば……)

「空中への追撃は無しと見たっ。このまま距離をつめて僕の距離にするッ!!」

 明石くんは、私の千変万化針ネズミの型を受けて、大きくジャンプし、かわすと同時に距離をつめようとしてくる。
 けれどジャンプそれは、私の望み通りの動きッ!!

「罠にはまってくれてありがとう。これで終わりよ? 飛び跳ねろ、針ネズミッ!!」

 私が突き刺した剣を抜いて地面を叩くと、突き出ているすべての剣が彼に向かって跳び跳ねる。

「ぐわぁぁぁぁぁッ!!」

「そのまま終わらせるわよ? 包んで弾ぜよ、針ネズミッ!!」

 私の声に応じて、彼を切りつけながら跳び跳ねていた剣がすべて、彼の周囲を多い尽くす。

「これで終わりよ? ボムザエンドッ!!」

「うわァァァァァッッッ!?」

 私は告げてから彼に向けて剣を投げる。
 それと同時に周囲を多い尽くしていた剣すべてが彼へと突き刺さる。
 そして投げた剣が彼に刺さると同時に、すべての剣が弾けて爆発した。

「安らかに眠りなさい……」

「そこまでッ!! 勝者大和光ッ!!」

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「決まったぁぁぁ!! 最初から最後まで、明石選手は大和選手の手のひらの上だったぁぁぁ!!」

「初手の範囲攻撃で自由の無い空中へと誘い、次の攻撃で逃げ場をなくす。そしてトドメの一撃を容赦なく叩き込む。見事な連携であったな……」

「さすがは世界一の天才と呼ばれる大和選手っ!! 彼女は相手の動きをすべて読みきっていたとでも言うのかッ!?」

「わからぬ。しかし彼女もまた、この学園のトップを争えるだけの実力の持ち主と言うことだな」

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「ふぅ。完璧に決まったわね」

 初戦の相手が、よく知っている明石くんで良かった。
 おかげで最初から最後まで読みきれた。

「このまま勝ち進むわよ……」

 勝者として名前を呼ばれた私は、千変万化を回収してから舞台を降りた。


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