欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)
一年実技授業初回② | 二人の限無の実力①
欠陥魔力騎士6
一年実技授業初回②  二人の限無の実力①
「さてと、二人とも。準備はできているな?」
「はい」
「あァ……できてるぜェ」
初回の対戦の組み合わせが決まり、僕と彼……陵君は、フィールド内で向かい合う。
「知っての通り……フェーデでの負傷は、フィールド外に出た時点で回復される。各々、全力をもって目の前の相手と戦うこと」
そう言うと先生は、僕と彼に目配せする。
「では、カウントを開始する」
5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!
「始めッ!!」
「ヒャッハーーーッ!! 外道流皆伝、陵陵、ヒールに行くぜェェェッ!!」
「天通流皆伝、天通限無……おして参るッ!!」
互いに名乗りをあげ、自分の武装を展開する。
僕のは当然長剣で、彼の武器は円月輪だった。
「なるほど、君は外道流だったのか。なら前の戦い方も納得できる。君たちの流派は、「勝利の探求者」だ。勝利こそすべてであり、そのためにあらゆる可能性を手段とする……」
声に出しながら彼の流派を再認識することで、自らの肉体を彼の流派と戦う物へと作り替えていく。
「昨年度首席ってのは、まんざら嘘でも無さそうだなァァァ? その通りさァァァ、俺はァァァ、勝利のためならァァァ、どんな手段もォォォ、厭わな」
言葉は最後まで聞こえず、彼の姿が突然消える。
「ィヤッハァァァッ!!」
「クッ!?」
次の瞬間、彼は僕の真後ろから現れて斬りかかってくる。
「どうしたどうしたァァァッ!? その程度かよ、天才くゥゥゥんッ!?」
彼の猛攻をしのぎながら、僕は彼の隙を探す。
同時に肉体の最適化を終わらせ、彼が最初に使った物と同じ技で彼の背後をとる。
「外道流、一の裁……猫だまし」
「なッッッんだとォォォ!?」
驚愕する彼を横目に、僕は次の攻撃へと移る。
「外道流、二の裁……光閃」
「くッゥゥゥ!!」
一の裁で背後から奇襲の後、二の裁で相手が振り返る方向に気配を残しつつ、それとは逆に移動しつつの斬撃。
「クソ……やろうがァァァ」
「外道流、三の裁……胴解」
そして再び彼が振り返るのとは逆に移動して、相手の死角から先程とは反対側への斬撃。
ちょうど一回転彼の体の周囲を回った事になり、本来ならこの技が決まった時点で彼の胴体は上下まっぷたつになる。
けれど…………。
「おちょくりやがって……この、クソ、ヤロウ、ガァァァァァッッッ!!」
僕は剣に魔力を纏わせられないため、彼の防御障壁に剣は弾かれている。
それゆえ、完璧に決まった今の一連の攻撃といえど、彼には蚊に刺された程度の痛みしか与えられていない。
……彼のメンタルには、多大なダメージを与えたようだが。
「てめぇはァァァ、外道流じゃなくゥゥゥ、天通流だろォォォガァァァァァッッッ!!」
「くっ……ッ!?」
瞬間、彼の体からすさまじい量の魔力が吹き出し、再び彼の姿が消える。
「外道流一の裁ィィィ……猫だましァァァッ!!」
ギギギギンッッッ!!
彼の初撃と同じく……そして僕の先程の攻撃と同じ一の裁。
それを剣でしっかりとガードし、彼の二の裁までもを読みきる。
「外道流二の裁ィィィ……光閃ァァァッ!!」
カギンッッッ!!
僕の予想した通りに来た二の裁の斬線上に剣を置き、一の裁と同じようにしのぐ。
同時にすべての感覚で彼をとらえ、三の裁までを把握する。
「外道流三の裁ィィィ……胴解ァァァッ!!」
「うぉぉぉぉぉッッッ!!」
最後まで把握し、読みきっていると言えど、彼の剣には魔力があり、僕のには無い。
武器そのものの耐久度によって武器は破壊されないが、その余波で僕の防具は削られる。
「そこまでッ!! 有効打により、勝者陵ッ!!」
実戦授業はその枠内で全員の対戦を終わらせるため、一撃決着と言う特殊なルールで行う。
これは先に有効打……つまりは防具へのダメージを与えられる攻撃を行った方が勝者となるもので、前年度もこのルールゆえに僕は一勝もできなかったのだ。
「はぁっ……はぁっ、はぁっ……はぁっ」
「ギャハハハハハァァァァァッッッ!! 滑稽だなァァァ、天才さァァァん? 技の冴えそのものは、テメェの方が上だったみたいだがァァァ? 魔力もきちんと乗せられない無様さとはなァァァッ?」
返す言葉もない。
返せるはずがない。
僕は……今の僕は、ただの欠陥魔力騎士なのだから……。
一年実技授業初回②  二人の限無の実力①
「さてと、二人とも。準備はできているな?」
「はい」
「あァ……できてるぜェ」
初回の対戦の組み合わせが決まり、僕と彼……陵君は、フィールド内で向かい合う。
「知っての通り……フェーデでの負傷は、フィールド外に出た時点で回復される。各々、全力をもって目の前の相手と戦うこと」
そう言うと先生は、僕と彼に目配せする。
「では、カウントを開始する」
5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!
「始めッ!!」
「ヒャッハーーーッ!! 外道流皆伝、陵陵、ヒールに行くぜェェェッ!!」
「天通流皆伝、天通限無……おして参るッ!!」
互いに名乗りをあげ、自分の武装を展開する。
僕のは当然長剣で、彼の武器は円月輪だった。
「なるほど、君は外道流だったのか。なら前の戦い方も納得できる。君たちの流派は、「勝利の探求者」だ。勝利こそすべてであり、そのためにあらゆる可能性を手段とする……」
声に出しながら彼の流派を再認識することで、自らの肉体を彼の流派と戦う物へと作り替えていく。
「昨年度首席ってのは、まんざら嘘でも無さそうだなァァァ? その通りさァァァ、俺はァァァ、勝利のためならァァァ、どんな手段もォォォ、厭わな」
言葉は最後まで聞こえず、彼の姿が突然消える。
「ィヤッハァァァッ!!」
「クッ!?」
次の瞬間、彼は僕の真後ろから現れて斬りかかってくる。
「どうしたどうしたァァァッ!? その程度かよ、天才くゥゥゥんッ!?」
彼の猛攻をしのぎながら、僕は彼の隙を探す。
同時に肉体の最適化を終わらせ、彼が最初に使った物と同じ技で彼の背後をとる。
「外道流、一の裁……猫だまし」
「なッッッんだとォォォ!?」
驚愕する彼を横目に、僕は次の攻撃へと移る。
「外道流、二の裁……光閃」
「くッゥゥゥ!!」
一の裁で背後から奇襲の後、二の裁で相手が振り返る方向に気配を残しつつ、それとは逆に移動しつつの斬撃。
「クソ……やろうがァァァ」
「外道流、三の裁……胴解」
そして再び彼が振り返るのとは逆に移動して、相手の死角から先程とは反対側への斬撃。
ちょうど一回転彼の体の周囲を回った事になり、本来ならこの技が決まった時点で彼の胴体は上下まっぷたつになる。
けれど…………。
「おちょくりやがって……この、クソ、ヤロウ、ガァァァァァッッッ!!」
僕は剣に魔力を纏わせられないため、彼の防御障壁に剣は弾かれている。
それゆえ、完璧に決まった今の一連の攻撃といえど、彼には蚊に刺された程度の痛みしか与えられていない。
……彼のメンタルには、多大なダメージを与えたようだが。
「てめぇはァァァ、外道流じゃなくゥゥゥ、天通流だろォォォガァァァァァッッッ!!」
「くっ……ッ!?」
瞬間、彼の体からすさまじい量の魔力が吹き出し、再び彼の姿が消える。
「外道流一の裁ィィィ……猫だましァァァッ!!」
ギギギギンッッッ!!
彼の初撃と同じく……そして僕の先程の攻撃と同じ一の裁。
それを剣でしっかりとガードし、彼の二の裁までもを読みきる。
「外道流二の裁ィィィ……光閃ァァァッ!!」
カギンッッッ!!
僕の予想した通りに来た二の裁の斬線上に剣を置き、一の裁と同じようにしのぐ。
同時にすべての感覚で彼をとらえ、三の裁までを把握する。
「外道流三の裁ィィィ……胴解ァァァッ!!」
「うぉぉぉぉぉッッッ!!」
最後まで把握し、読みきっていると言えど、彼の剣には魔力があり、僕のには無い。
武器そのものの耐久度によって武器は破壊されないが、その余波で僕の防具は削られる。
「そこまでッ!! 有効打により、勝者陵ッ!!」
実戦授業はその枠内で全員の対戦を終わらせるため、一撃決着と言う特殊なルールで行う。
これは先に有効打……つまりは防具へのダメージを与えられる攻撃を行った方が勝者となるもので、前年度もこのルールゆえに僕は一勝もできなかったのだ。
「はぁっ……はぁっ、はぁっ……はぁっ」
「ギャハハハハハァァァァァッッッ!! 滑稽だなァァァ、天才さァァァん? 技の冴えそのものは、テメェの方が上だったみたいだがァァァ? 魔力もきちんと乗せられない無様さとはなァァァッ?」
返す言葉もない。
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