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雨降って地固まる?

「さっきはすみませんでしたっ! それと、これからよろしくお願いしますっ!!」

 俺は宣言通りに桜狐さくらことデートした後、ヒカリ達と連絡を取って集まった。
 ヒカリ達はこうなることをあらかじめわかっていたようで、先に人数分(桜狐さくらこも含めた人数分)で宿をとってくれていた。

「これからよろしくお願いしますね、桜狐さくらこさん。私はヒカリと言います。この名前はラン様に名づけてもらいました。この中では一番最初からラン様と行動しています」

 まずは代表してヒカリが桜狐さくらこに話しかけた。

「次は……」

「私たちだねっ!」

 ヒカリの自己紹介が終わると同時、桜狐さくらこの後ろからクーとキッカが話しかける。

「私はクー」

「私はキッカ」

「「よ・ろ・し・く・ねっ!?」」

 そう言うと、クーとキッカは桜狐さくらこに抱きついた。

「わわっ!? 抱きつかないでくださいよぉ」

 突然のことに桜狐さくらこは戸惑っているようだ。

「う~ん、可愛いっ!!」

「こんな妹ほしいわぁ……」

「く、くすぐったいですよ! お兄ちゃ~ん……助けてぇ」

 2人は桜狐さくらこのことをよほど気に入ったらしく、すりすりしたりなでなでしたりと好き放題いじっている。

「そのへんにしとけよ? まだもう1人いるんだぞ?」

 俺はそう言って桜狐さくらこから2人をはがす。

「うむ。妾の番じゃな!! 妾はハクじゃ。妾の名前も主様につけてもらったのじゃ。これからよしなにな?」

 そうして最後にハクが自己紹介をする。

「さてと、とりあえず自己紹介は終わったんだから宿で飯にしようか。……といっても、俺と桜狐さくらこはさっきまで食ってきたからおなかすいてないんだけどな?」

「そうなのですか?」「「2人だけでずるいし!?」」「むむぅ……わかっておったが、これは……」

 俺のその言葉に、4者4様の反応がかえってくる。

「その……ごめんなさい。お兄ちゃんを独占しちゃって……。でもでもっ、みんなは今までずっと一緒だったんでしょ? 今日だけは私だけのお兄ちゃんにしたかったの! 許してくださいっ!」

 4人の反応を気にしたようで、桜狐さくらこが頭を下げる。

「そういうわけでな? すまないが、今日は桜狐こいつの兄でいることにしたんだ。部屋とってもらって悪いんだが、俺は桜狐さくらこと別の宿に泊まるよ。……明日の朝、広場で集合しよう。それじゃあな? 行くぞ、桜狐さくらこ?」

「あっ……待ってよお兄ちゃん! みなさんごめんなさいっ! それでは失礼しますっ!!」

 俺は今日1日は兄でいること……桜狐さくらこの甘えをすべて受け入れることにしていたので、4人には悪いが俺は桜狐さくらこと自分でとっておいた別の宿へと向かった。

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