ランダムビジョンオンライン
衝撃の事実
「っ!?」
瞬間俺を光が包む。
そして、俺の体を浮遊感が襲う。
「うっ!? 一体どういう………………「久しぶりだな、由斗……」その声はおじさん!?」
俺は驚いて目をあける。
「ここは……待機場所?」
目をあけた俺がまわりを見回すと、そこは死んだときに来る待機場所だった。
「それがその世界でのお前の姿か……由斗」
「おじさんっ!」
声のした方に振りかえると、そこにはおじさん……二ノ宮秀雄がそこにいた。
「俺限定へのメッセージだなんて、そこまでして俺と話すことなんてあったの? 家族としての会話がしたかったなんてのはなしだよ?」
「あぁ、その通りだ。お前に向けてのこの世界についての重要な事を伝えるためにこのような形をとらせてもらった。……時間がないのでな、サクサク行くぞ? まずはじめに伝えなければならないのは、この世界が……異世界だということだ」
「………………はい?」
俺は思わず呆けてしまう。
「驚くのも無理はないな。全てを最初から話そう……」
そう言うと、おじさんはこのゲーム……この世界について話し始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
この世界は初め、VR技術を用いた新たな世界の創造を目標に掲げてスタートした。
すでにVR技術自体は軍事系で発展しており、巨大なサーバーなどの施設を用意してやれば、可能だと思われていたのだ。
しかし、世界が作られたところで、問題が生じた。そのできた世界を誰が管理するのか? という問題だ。
当然……最初は交代で管理すればいいという風になっていたのだが、ここでスポンサーが待ったをかけた。
この新しい世界には、新しい神を作るべきだと言い出したのだ。
当然無理難題であり、どう実現すればいいのかもわからない指令だったんだが……ある男がそれを可能にできる提案をした。
それは、AIを作って管理させればいいという提案だった。
その世界の住人……NPCは、もともと簡単なAIを用いることが決められていたのでな? それよりも数ランク上のAIを管理AIとして作ればいいというものだった。
これで光明が見えた私たちは、AIを研究しているところに技術提供してもらい、管理AI「GOD」を作成した。
そして、この「GOD」を用いてNPCのレベルも上げていくことにしたんだ。
そうしてできたのがこのゲーム……「ランダムビジョンオンライン」だ。
当初の目標であった「新しい世界の創造」というものを、私たちの得意なゲームという形で実現したわけだ。
しかし、ここで事件が起きる。
ある日の開発者たちで行うテストプレイ中に、雷が落ちたんだ。
これにより、テストプレイしていた全員が意識不明になり数日間帰ってこなかった。
しかしこの事件が、さらなる目標の達成へのカギになった。
意識不明から戻ってきた全員が、神に会ったと言い出したのだ。
事実、その事件が起きた後のAIたちの反応が激変した。
それまでのつたない会話から、まさしく人間と見紛うほどの容姿と反応を持つようになったのだ。
そして更に驚いたのが、AI同士で結婚などをするだけでなく……子供ができるようになったのだ。
もちろん私たちは干渉していないし、サーバーの容量などを増やしたわけでもない。
それなのに、いつのまにか新しいAIが記録として残っているのだ。
そして、一番変わったのが「GOD」だった。
何が変わったかというと、こちらの世界に干渉し始めたのだ。
具体的に言えば、新しい技術だな。
お前が今回使っているあのダイブするための機械も、実は「GOD」が構想したものをもとにつくったんだよ。
そして私たちは最後まで……このゲームのテストプレイをお前たちが開始するまで、あの時彼らが言っていた「神に会った」という言葉の本当の意味を理解していなかったんだ。
………………結論から言うぞ? 今この世界は、私たちの手を完全に離れている。
まさしく「GOD」が管理する新しい世界となっているのだ……。
そしてもう一つお前に伝えなければならない事がある。
それは……お前たちの肉体が、こちらの世界に無いということだ。
あのダイブする機械の中から、ゲームが始まった瞬間に消えたんだよ。
信じられない出来事だったが、事実として受け止めるしかなかった。
あの機械はおそらく、ダイブするための機械ではなく……世界移動を行うためのものだったのだ。
そして残念なことに、今の私たちの技術ではお前たちをどうすればこちらに戻せるのかがわかっていない。
まさしく「GOD」の思惑通りだというわけだ。
しかし、そんな中にも希望はあった。
「GOD」が直接こちらに対して条件を出してきたのだ。
それは……期限であるそちらの世界での3年以内に、「GOD」を倒すということだった。
ただし、私たちからは当たり障りのないメッセージを送ることだけしか許されなかった。
……しかし、私が今お前に話しているように……家族にあてたメッセージだけは自由に設定することができた。
これが「GOD」の油断なのか罠なのかはわからないが、私たちはお前に希望を託すことにした。
どうか、「GOD」を倒してその世界にとらわれているみんなを助けてくれ! こんなことをまだ若いお前に頼むのは心苦しいが、切実なる願いだ。
どうか、私たちの希望となってくれ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「そんなこといきなり言われても、はいそうですかって頷けないよ!」
話を聞き終わった俺だが、いきなりすぎて訳がわからなかった。
「しかし、現段階では最強の半神であるお前以外には荷が重いのだ。わかってくれ!」
おじさんは、悲壮な顔で俺に向かって頭を下げる。
だけど……
「そいつは神なんだろ!? 俺はあくまでも半神だ! しかも、ゲームだと思ってやってきたんだ! 神と戦うなんて……リアルで出来るわけがない!」
この世界が異世界なのだとしたら、ここにいる俺たちにとってはリアルだということだ。
いくら死んでも滅びるわけではないとはいえ、俺は転生してこの「半神」になったのだから……おそらく二度目はない。
「ゲーム上の「GOD」は、あくまでもゲームの隠しボスだ。倒せるように設定している。この値は変わっていないことも確認済みだ」
「だからといって、対抗できるのが俺だけなんだろ!? 他のプレイヤーが倒せないのを、どうして俺が倒せるって言うんだ!」
俺が1人で戦ったとして、万能タイプとして育ててはいるから……ソロとしてある程度まではこなせるだろう。
しかし、ボスとは本来レイドを組んで倒すものだ。
それが隠しボスならば、複数のレイドで協力しなければならないだろう。
「大丈夫だ。半神のお前には、従者をつくることができるようになっている。……これは、了承したプレイヤーと能力を分かち合う事ができるようになるシステムだ。これを使えば、最大で7人……お前を含めて8人の最強パーティーをつくれる! そして、そこにNPCは含まれない。今お前が仲間にしているキャラクターは、レベルを上げれば神にだって届く存在たちだ。十分に勝ち目はある!」
「だけど、今からで間に合うのか!? 後2年を切っているし、俺に親しいプレイヤーは従妹くらいしかいないぞ!?」
悲しいが、今から行って追いついても……パーティーは固定化されているだろうし、俺なんかの従者になってくれるような存在が思いつかない。
「大丈夫だ。もうすぐこの世界はリセットされる。死亡回数が既定数をこえるプレイヤーが出たからな……」
「……どういうこと?」
死亡回数が既定数をこえると、キャラクターが作り直しになるだけのはずだ。
「「GOD」が決めた新しいルールだ。そちらの世界で既定数回死亡すると、全員初期状態で最初の街に戻されるんだ。装備品とアイテムボックスの中身をのぞいてな……」
「そんなのアリかよっ!? それじゃあ余計にクリアが遠のくじゃないか! って今既定数回をこえたプレイヤー出たって……」
ということは、強制的にリスタートってことか!? まてよ……
「あいつらは!? ヒカリたちはどうなるんだ!? なにもできずにお別れなんてゴメンだぞ!?」
全員これまで一緒に戦ってきた、大切なパートナーたちだ。
「大丈夫だ。仲間にしたNPCは、所持品扱いだからな。一緒に始まりの街に飛ばされるよ」
「…………よかった」
とりあえずは安心なのか? だが……始まりの街に飛ばされてリセットってことは、レベルや攻略状況もリセットされるってことだよな? それってまずくないか?
「攻略ルートは変わらないからな、一回目よりも早く攻略できるだろう。……お前なら、先頭に立てるはずだぞ?」
…………たしかに、一回目でも楽勝だった事を考えれば……攻略組の中でもトップになれる気はする。
それに、今度こそプレイヤーの仲間を見つけて冒険できるだろう。
すべてがリセットされるなら、従者になってくれる相手も探しやすいだろう。
「期間は残り2年を切ったままだが、より攻略自体の難易度は下がるだろう。……それに、二回目になることで「GOD」のステータスも少し下がったはずだ」
「それは本当?」
それが本当ならば、少しは希望が持てる。
「あぁ。「GOD」自身が決めたルールだからな。……奴はどうやら、倒されたがっている節がある」
倒されたがっている? どういうことだ?
「神なのに? なんで?」
「わからないが、そう思えるルールがいくつかあるんだ。詳しく話すことはできないが、半神には神に進化できるルートがあったりするしな……」
マジか!? 神になれれば、「GOD」と同等のポテンシャルを持てるってことだよな? ますます希望が出てきたぞ。
「神になれば、「GOD」を確実に倒せる?」
「少なくとも、半神よりは強化されるな。従者も15人までつくれるようになるし、パーティーの上限が16人になるしな。……もちろん、NPCは含まないぞ?」
……それってつまり、今の俺が最大人数まで集めれば……20人で戦えるってことか!?
「倒せる気がしてきたよ。がんばってみるよ!」
「頼んだぞ……? そして……そろそろ時間のようだな。というよりも、むしろ若干オーバーしているな。「GOD」も粋な事をする……」
「また会えるよね? ……いや、絶対に戻ってみせるよ!」
「あぁ……楽しみにしているよ。……またな?」
その言葉を残し、おじさんの姿は消えてしまった。
『プレイヤーの1人の死亡回数が既定数をオーバーしました。世界がリセットされます!』
「これがおじさんが言っていたリセットか。俺はこのままいればいいのかな?」
特に戻る気配もないし、おそらくこのまま転移させられるのだろう。
「まずは従者になってくれる相手を探さないとな……。とりあえずは桜狐に頼んでみるかな?」
『繰り返します。死亡回数が既定数をオーバーしました。世界がリセットされます!』
「スキルとかも初期状態に戻るんだろうな……。最初にとっておいてよかったな……」
半神の目とかは初期でとっていたものだから、おそらくリセットされても残るだろう。
転生しまくりさまさまだな。
『カウントを開始します。5 4 3 2 1 リセット』
そのシステムメッセージを聞いた瞬間、俺の体は光に包まれた。
瞬間俺を光が包む。
そして、俺の体を浮遊感が襲う。
「うっ!? 一体どういう………………「久しぶりだな、由斗……」その声はおじさん!?」
俺は驚いて目をあける。
「ここは……待機場所?」
目をあけた俺がまわりを見回すと、そこは死んだときに来る待機場所だった。
「それがその世界でのお前の姿か……由斗」
「おじさんっ!」
声のした方に振りかえると、そこにはおじさん……二ノ宮秀雄がそこにいた。
「俺限定へのメッセージだなんて、そこまでして俺と話すことなんてあったの? 家族としての会話がしたかったなんてのはなしだよ?」
「あぁ、その通りだ。お前に向けてのこの世界についての重要な事を伝えるためにこのような形をとらせてもらった。……時間がないのでな、サクサク行くぞ? まずはじめに伝えなければならないのは、この世界が……異世界だということだ」
「………………はい?」
俺は思わず呆けてしまう。
「驚くのも無理はないな。全てを最初から話そう……」
そう言うと、おじさんはこのゲーム……この世界について話し始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
この世界は初め、VR技術を用いた新たな世界の創造を目標に掲げてスタートした。
すでにVR技術自体は軍事系で発展しており、巨大なサーバーなどの施設を用意してやれば、可能だと思われていたのだ。
しかし、世界が作られたところで、問題が生じた。そのできた世界を誰が管理するのか? という問題だ。
当然……最初は交代で管理すればいいという風になっていたのだが、ここでスポンサーが待ったをかけた。
この新しい世界には、新しい神を作るべきだと言い出したのだ。
当然無理難題であり、どう実現すればいいのかもわからない指令だったんだが……ある男がそれを可能にできる提案をした。
それは、AIを作って管理させればいいという提案だった。
その世界の住人……NPCは、もともと簡単なAIを用いることが決められていたのでな? それよりも数ランク上のAIを管理AIとして作ればいいというものだった。
これで光明が見えた私たちは、AIを研究しているところに技術提供してもらい、管理AI「GOD」を作成した。
そして、この「GOD」を用いてNPCのレベルも上げていくことにしたんだ。
そうしてできたのがこのゲーム……「ランダムビジョンオンライン」だ。
当初の目標であった「新しい世界の創造」というものを、私たちの得意なゲームという形で実現したわけだ。
しかし、ここで事件が起きる。
ある日の開発者たちで行うテストプレイ中に、雷が落ちたんだ。
これにより、テストプレイしていた全員が意識不明になり数日間帰ってこなかった。
しかしこの事件が、さらなる目標の達成へのカギになった。
意識不明から戻ってきた全員が、神に会ったと言い出したのだ。
事実、その事件が起きた後のAIたちの反応が激変した。
それまでのつたない会話から、まさしく人間と見紛うほどの容姿と反応を持つようになったのだ。
そして更に驚いたのが、AI同士で結婚などをするだけでなく……子供ができるようになったのだ。
もちろん私たちは干渉していないし、サーバーの容量などを増やしたわけでもない。
それなのに、いつのまにか新しいAIが記録として残っているのだ。
そして、一番変わったのが「GOD」だった。
何が変わったかというと、こちらの世界に干渉し始めたのだ。
具体的に言えば、新しい技術だな。
お前が今回使っているあのダイブするための機械も、実は「GOD」が構想したものをもとにつくったんだよ。
そして私たちは最後まで……このゲームのテストプレイをお前たちが開始するまで、あの時彼らが言っていた「神に会った」という言葉の本当の意味を理解していなかったんだ。
………………結論から言うぞ? 今この世界は、私たちの手を完全に離れている。
まさしく「GOD」が管理する新しい世界となっているのだ……。
そしてもう一つお前に伝えなければならない事がある。
それは……お前たちの肉体が、こちらの世界に無いということだ。
あのダイブする機械の中から、ゲームが始まった瞬間に消えたんだよ。
信じられない出来事だったが、事実として受け止めるしかなかった。
あの機械はおそらく、ダイブするための機械ではなく……世界移動を行うためのものだったのだ。
そして残念なことに、今の私たちの技術ではお前たちをどうすればこちらに戻せるのかがわかっていない。
まさしく「GOD」の思惑通りだというわけだ。
しかし、そんな中にも希望はあった。
「GOD」が直接こちらに対して条件を出してきたのだ。
それは……期限であるそちらの世界での3年以内に、「GOD」を倒すということだった。
ただし、私たちからは当たり障りのないメッセージを送ることだけしか許されなかった。
……しかし、私が今お前に話しているように……家族にあてたメッセージだけは自由に設定することができた。
これが「GOD」の油断なのか罠なのかはわからないが、私たちはお前に希望を託すことにした。
どうか、「GOD」を倒してその世界にとらわれているみんなを助けてくれ! こんなことをまだ若いお前に頼むのは心苦しいが、切実なる願いだ。
どうか、私たちの希望となってくれ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「そんなこといきなり言われても、はいそうですかって頷けないよ!」
話を聞き終わった俺だが、いきなりすぎて訳がわからなかった。
「しかし、現段階では最強の半神であるお前以外には荷が重いのだ。わかってくれ!」
おじさんは、悲壮な顔で俺に向かって頭を下げる。
だけど……
「そいつは神なんだろ!? 俺はあくまでも半神だ! しかも、ゲームだと思ってやってきたんだ! 神と戦うなんて……リアルで出来るわけがない!」
この世界が異世界なのだとしたら、ここにいる俺たちにとってはリアルだということだ。
いくら死んでも滅びるわけではないとはいえ、俺は転生してこの「半神」になったのだから……おそらく二度目はない。
「ゲーム上の「GOD」は、あくまでもゲームの隠しボスだ。倒せるように設定している。この値は変わっていないことも確認済みだ」
「だからといって、対抗できるのが俺だけなんだろ!? 他のプレイヤーが倒せないのを、どうして俺が倒せるって言うんだ!」
俺が1人で戦ったとして、万能タイプとして育ててはいるから……ソロとしてある程度まではこなせるだろう。
しかし、ボスとは本来レイドを組んで倒すものだ。
それが隠しボスならば、複数のレイドで協力しなければならないだろう。
「大丈夫だ。半神のお前には、従者をつくることができるようになっている。……これは、了承したプレイヤーと能力を分かち合う事ができるようになるシステムだ。これを使えば、最大で7人……お前を含めて8人の最強パーティーをつくれる! そして、そこにNPCは含まれない。今お前が仲間にしているキャラクターは、レベルを上げれば神にだって届く存在たちだ。十分に勝ち目はある!」
「だけど、今からで間に合うのか!? 後2年を切っているし、俺に親しいプレイヤーは従妹くらいしかいないぞ!?」
悲しいが、今から行って追いついても……パーティーは固定化されているだろうし、俺なんかの従者になってくれるような存在が思いつかない。
「大丈夫だ。もうすぐこの世界はリセットされる。死亡回数が既定数をこえるプレイヤーが出たからな……」
「……どういうこと?」
死亡回数が既定数をこえると、キャラクターが作り直しになるだけのはずだ。
「「GOD」が決めた新しいルールだ。そちらの世界で既定数回死亡すると、全員初期状態で最初の街に戻されるんだ。装備品とアイテムボックスの中身をのぞいてな……」
「そんなのアリかよっ!? それじゃあ余計にクリアが遠のくじゃないか! って今既定数回をこえたプレイヤー出たって……」
ということは、強制的にリスタートってことか!? まてよ……
「あいつらは!? ヒカリたちはどうなるんだ!? なにもできずにお別れなんてゴメンだぞ!?」
全員これまで一緒に戦ってきた、大切なパートナーたちだ。
「大丈夫だ。仲間にしたNPCは、所持品扱いだからな。一緒に始まりの街に飛ばされるよ」
「…………よかった」
とりあえずは安心なのか? だが……始まりの街に飛ばされてリセットってことは、レベルや攻略状況もリセットされるってことだよな? それってまずくないか?
「攻略ルートは変わらないからな、一回目よりも早く攻略できるだろう。……お前なら、先頭に立てるはずだぞ?」
…………たしかに、一回目でも楽勝だった事を考えれば……攻略組の中でもトップになれる気はする。
それに、今度こそプレイヤーの仲間を見つけて冒険できるだろう。
すべてがリセットされるなら、従者になってくれる相手も探しやすいだろう。
「期間は残り2年を切ったままだが、より攻略自体の難易度は下がるだろう。……それに、二回目になることで「GOD」のステータスも少し下がったはずだ」
「それは本当?」
それが本当ならば、少しは希望が持てる。
「あぁ。「GOD」自身が決めたルールだからな。……奴はどうやら、倒されたがっている節がある」
倒されたがっている? どういうことだ?
「神なのに? なんで?」
「わからないが、そう思えるルールがいくつかあるんだ。詳しく話すことはできないが、半神には神に進化できるルートがあったりするしな……」
マジか!? 神になれれば、「GOD」と同等のポテンシャルを持てるってことだよな? ますます希望が出てきたぞ。
「神になれば、「GOD」を確実に倒せる?」
「少なくとも、半神よりは強化されるな。従者も15人までつくれるようになるし、パーティーの上限が16人になるしな。……もちろん、NPCは含まないぞ?」
……それってつまり、今の俺が最大人数まで集めれば……20人で戦えるってことか!?
「倒せる気がしてきたよ。がんばってみるよ!」
「頼んだぞ……? そして……そろそろ時間のようだな。というよりも、むしろ若干オーバーしているな。「GOD」も粋な事をする……」
「また会えるよね? ……いや、絶対に戻ってみせるよ!」
「あぁ……楽しみにしているよ。……またな?」
その言葉を残し、おじさんの姿は消えてしまった。
『プレイヤーの1人の死亡回数が既定数をオーバーしました。世界がリセットされます!』
「これがおじさんが言っていたリセットか。俺はこのままいればいいのかな?」
特に戻る気配もないし、おそらくこのまま転移させられるのだろう。
「まずは従者になってくれる相手を探さないとな……。とりあえずは桜狐に頼んでみるかな?」
『繰り返します。死亡回数が既定数をオーバーしました。世界がリセットされます!』
「スキルとかも初期状態に戻るんだろうな……。最初にとっておいてよかったな……」
半神の目とかは初期でとっていたものだから、おそらくリセットされても残るだろう。
転生しまくりさまさまだな。
『カウントを開始します。5 4 3 2 1 リセット』
そのシステムメッセージを聞いた瞬間、俺の体は光に包まれた。
「SF」の人気作品
書籍化作品
-
-
1512
-
-
3
-
-
1
-
-
6
-
-
1978
-
-
147
-
-
4112
-
-
2
-
-
63
コメント