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鍛冶とったどー

「もう夕方か……。時間が経つのはやっぱり早いなぁ……」

「そうですね……。ですが、今日は塔に登ったにしては、早いほうだと思いますが?」

「そうだねぇ……」

「ボスの部屋の近くに出られたからね」

「確かに。ラッキーだったな」

「それでラン様? 今日はこのまま戻りますか?」

「いや、売ってからにするよ。泊まるのに金はあったほうがいいからな」

「確かにそうですね。では、道具屋にでも向かいましょうか……」

「「さんせ~い」」

「それじゃ、行きますか」

「「かしこまり~」」

「はい、ラン様」

 俺たちは近くの道具屋に向かった。

・・・
・・


「ありがとうございました~」

「結構な金額になったな。今日の稼ぎだけで一週間は大丈夫だろ」

 キングスライムジュースが1個1000円であり、10個あるので10000円。
大摩結晶が1個20000円であり、2個あるので40000円。
キングスライムの核は1個25000円であり、2個あるので50000円。
全て合わせて100000円になった。

「そうですね。このままあの旅館に泊まれば、確かに一週間ほどは泊まれますね」

「「ウチはそれなりに安いからねぇ~」」

「んじゃ、売るもの売ったし旅館に戻ろうか?」

「かしこまりました……」

「はいはーい」

「今日もご利用ありがとうございま~す」

 俺たちは旅館へと向かった。

・・・
・・


「ごめんくださ~い」

「「ただいま~」」

「ただいま戻りました……」

「「お帰りなさ~い」」

「いや、おまえらも今帰ってきたばかりだろ?」

「なに? お帰りなさいって言って欲しくなかったの?」

「私たちは一応、この旅館の中居だよ?」

「そういやそうだったな……」

「今日もお世話になります……」

「コースは昨日と同じでいいのかな? 部屋も同じで?」

「8000円の部屋の松。10000円だよね?」

「でもぉ……前に言った通り」

「ラン君たちは無料で良いよっ」

 ……そういえば、風呂でそんなこと言われたな。
 ありがたい提案ではあるんだが、現状お金には困ってないし……。

「これからも一緒にやってくんだし、お金関係はしっかりしといた方が良いと思うんだ」

 それに……自分自身の感覚としても、タダで泊まっているよりは、ちゃんとお金払って泊まる方が……精神的にもリラックスできる気がする。

「ってことだから、それで頼むぜ」

「よろしくお願いします……」

「「了解了解、感謝感激雨霰ってね」」

 俺のその申し出が嬉しかったのか、二人は大袈裟に喜んで見せる。

「ではでは、そゆことで」

「2名様ごあんな~い」

 俺とヒカリは、二人に案内されて昨日と同じ部屋に向かった。

・・・
・・


「それではお二人様」

「どうぞごゆっくり~」

「おまえらはどうするんだ?」

「「お仕事だよ~」」

「昨日の料理だって」

「私たちが作ったんだよ?」

「この旅館には、おまえらしかいないのか?」

「そうだよ~」

「みんな良い人見つけてついて行っちゃったからねぇ」

「今は私たち二人だけなのです……」

「まぁ? 私たちもラン君についていくから」

「「この旅館は休業することになるねっ」」

「そうなのか!? って、それってやばいんじゃないのか?」

「だいじょ~ぶだいじょ~ぶ」

「この旅館ではそれが普通だからね」

「私たちは初めてだけど……」

「私たちが生まれる前にはなったことがあるようだし?」

「そうなのか……」

「そうなのですよ。だから……」

「ラン君のお世話は私たちの最後のお仕事なのよ?」

「それは光栄だな」

「だから楽しみにしててね?」

「今日も美味しい料理と綺麗なお風呂をお届けするから」

「わかった。よろしく頼むよ」

「「かしこまり~」」

「よろしくお願いしますね?」

「それじゃあお二人さん?」

「お風呂は2時間後で、食事は1時間後だよっ」

「それまでは部屋で待っててね?」

「すぐに用意するからね?」

「「ではでは、ごゆっくり~」」

 そう言うと、二人は部屋から出ていった。

「さてと、食事の時間までどうするか……」

「ラン様、少々出てきてもよろしいでしょうか?」

「散歩か? 別にかまわないが?」

「ありがとうございます。それでは少々出てきますね」

 そう言うと、ヒカリは部屋を出て行った。

「さてと、俺はどうするかな? ……そういえば、ステータスやら魔法やらを覚えたりするのをしてなかったな。強化しちゃうか」

 俺は自分自身を強化することにした。

「今の俺のステータスはっと…………」

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ランワード・フリーダム:レベル123
HP:26400/26400
MP:19800/19800
力 :2205
魔力:2205
体力:2205
精神:2205
運 :750

パッシブスキル
疾風迅雷(ON)
烈火怒涛(ON)
半神の目(ON)
隠密索敵スカウトレンジャー(ON)
覚醒(ON)

アクティブスキル
創造
ファイアボール
ウインドカッター
ウォーターボール
アースニードル

職業
全闘士オールラウンダー

ボーナスポイント:7601
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「レベルが123か。まぁ、ボスを倒したりしてたんだから、当たりまえか。…………さて、何を取ろうか?」

 純粋に魔法などを取り、自分自身を強化するか?
 それともサポート系、例えば経験値取得量を増やすものや、鍛冶や細工などの武具や道具などを作成するものがいいか?
 どちらもメリットがあり、デメリットはあまりないように思える。
今の俺は(パーティーは組んでいるが、プレイヤーとしては)ソロなんだし、自由にできる。

「派手な魔法を使ってみたい気はするが、先に鍛冶を取ることにしようか。俺の武器は一点モノだからな、修理や強化が自分で出来たほうがいいだろう……」

 そうと決めた俺は、鍛冶を取ることにした。
鍛冶はレベル1から10まであり、レベル9までは修理及び武器の強化ができる。
レベルが10になると、武器を進化させることができ、今俺の持っているノーマルソードをスーパーソードに変えられる。
 ということで俺は、鍛冶をレベルを10まで上げることにした。

「なになに、鍛冶のスキルはレベル×100のポイントが必要となる……か。全部一気に取ってしまおう」

 俺は鍛冶スキル(強化と修理のできる基本スキル)を全て選択し覚える。
100+200+300+400+500+600+700+800+900+1000で5500ポイントも使用したが、これで武器を壊しても大丈夫だし強化もできるようになった。

「さっそく強化してみるか……」

 武器の強化は、ポイントもしくは材料を揃えることで可能になる。
今回は材料がないので、ポイントを使って強化する。

「えーっと……強化するには、ノーマルソードだから、一律100必要か……。意外とかかるな、だが背に腹はかえられないしな。強化してしまおう」

 俺はノーマルソードを装備から外し、強化を施す。
このゲームでは、強化は武器を選択して実行するだけでできる。
光に包まれるエフェクトが発生し、ノーマルソードがノーマルソード+2になる。
俺はそれを9回繰り返し、ノーマルソード+10にした。

「ポイントを900も使っちゃったな。残りポイントは1201か。進化させられるな……」

 ノーマルソードからスーパーソードにするには1000ポイントが必要になる。
鍛冶レベルはマックスにしているので、進化を選択すれば進化させることができる。

「やっちゃうか? どうしようか? うーん…………やっぱやっちゃおう!」

 俺はノーマルソードをスーパーソードにすることを決めた。
ノーマルソードを選択し、進化を実行する。
強化の時よりも輝かしい光がノーマルソードを包み、光が爆散する。
エフェクトが終わると、ノーマルソードはスーパーソードになっていた。

「よし、進化完了だ。これでかなり有利に戦えるぞ」

 スーパーソードの能力はこんなかんじだ。

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片手剣:スーパーソード
攻撃力:1000
魔法攻撃力:100
防御力:100
魔法防御力:100
耐久値:3000/3000

アクティブスキル
スラッシュ(10)
クロススラッシュ(30)
踏み込みスラッシュ(50)
踏み込みクロススラッシュ(100)
パリイ(50)
カウンター(100)
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 ノーマルソードと比べると、天と地ほどの差がある能力である。
これならば、かなり今後の戦いが楽になるだろう。
新しいスキル群については、要検証だな。

「さてと、もう少しで食事の時間だな。少しごろごろするか……」

 俺は床に寝転がり、食事の時間までまったりと過ごした。

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