ランダムビジョンオンライン
初めてのクエスト
「約束通り、来たぜ! フェンリル!」
俺は森を歩き、フェンリルのもとへと戻ってきた。
「来たか、少年。……準備はととのったのか?」
「あぁ、もちろんだ。今日の俺は、昨日の俺とは違うぜ!」
「そうか……ならばよいのだ。それで? 約束の三日まで一日すぎたために二日になったが…たったの二日でやつらを全滅させることができるのかな?」
「余裕だよ、問題ない。ってか、さっそく倒しに行くけど……見届け人みたいなのはいらないのか?」
「むぅ…たしかに。今回の依頼は全滅だからな……見届け人は必要か」
「なれば我が行く!」
そう言ってあらわれたのは、昨日俺をここまで案内してくれた狼だった。
「お前か。良いのか? 足手まといはごめんだぞ?」
「良いのか? そんなことを言って……」
「どういう意味だ?」
「今回の戦いはたしかに殲滅戦だが、同時に防衛戦でもあるはずだ。ならば……我一人の命くらい護って見せるべきであろう?」
「なるほどな……いいだろう。ただし、邪魔はするなよ?」
「邪魔になるかどうかも、お主の戦い方しだいよ……のぅ、長よ?」
「ふむ……たしかに。そうとも言えるかもしれんの……」
「めんどくさいのは、ごめんこうむりたいんだがなぁ? ……まぁいいや、それで? 具体的にはどうするんだ?」
「我とパーティーを組むのだ。それが一番手っ取り早い」
「なるほど……って、できるのか!?」
「問題ない。我に向かってパーティー申請をしてみよ」
「わかった」
俺はウルフに向けてパーティー申請を投げる。
『ウルフのライト・ハザードとパーティーを組みました』
システム音声が鳴り、パーティー欄にライト・ハザードの名前がのる。
「うむ、これでよい」
「準備はできたようだな?」
「うむ。長よ、行ってくるぞ」
「気をつけるのだぞ?」
「大丈夫であろう? なにせ、この者……ランワードが守ってくれるのであるからな?」
そう言うと、俺に向かって器用にウインクして見せる。
「しゃあなしだな。乗りかかった船だ、こうなったらとことんまで付き合ってやるよ」
「よろしく頼むぞ? 少年……」
「あぁ、了解だ…守ってみせるよ。んで、今日中に全滅させて報告に戻ってくるよ」
「頼もしい言葉だな。良い報告を待っているぞ?」
「我が見定める故、しっかり励めよ?」
「ふっ、問題ない。それじゃあ行ってくるよ。場所は向こうであっているのだろう?」
「あぁ、そうだ。ここから南西に一時間ほど歩いた場所にある、もともと村だった場所を拠点にしている」
「わかった」
「では行こうか? ランワード」
「あぁ! とっとと終わらせてやるぜ!」
フェンリルに向かって拳をつきだすと、そう宣言してから目的の場所へと向かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あそこが目的の場所か? ハザード」
「その通りだ、ランワード。あの村を、やつらは住処にしている」
「たしかに……うようよいるな」
「当然だな。全部で百は軽くこえているのだから、たくさんいない方がおかしい。……まさか、怖じ気づいたのではあるまいな?」
「いや、問題ない。雑魚がいくらいたところで、なぎ払うだけだ」
「それはたのもしいな。…それで? 具体的にあれだけの数をどうやって倒すのだ?」
「こうやってだよ! ファイアボール!」
ファイアーボールを発動し、自分の周囲にとりあえず10個ほどの炎球を浮かばせる。
「続いてウインドカッター!」
そのままファイアボールを維持し、そのうえでウインドカッターを発動する。
ファイアボールといっしょに、10個ほどの風の刃が周囲に漂う。
「ついでにウォーターボール! アースニードル!」
更にウォーターボールとアースニードルも発動させ、全部で40もの「炎球」と「風刃」と「水球」と「土槍」があたりを覆い尽くす。
「いっけぇーーーーーー!! ウインドカッター、ファイアボール、一斉射出!!!」
叫ぶと同時に俺は、展開した全ての「ファイアボール」と「ウインドカッター」をオークとオーガたちに向けて放つ。
ドーーーン!!!
俺が放った魔法はすべて、集まって何かをしていたオークとオーガ達の直前でぶつかり、大爆発を起こす。
今の攻撃で数十体のオークとオーガを倒せただろう。
「行くぜ? ハザード?」
「はははっ! 良いだろう、ランワード! ついて行くぞ!」
「よっしゃあ。行くぜもういっちょ! ファイアボール! ウインドカッター!」
俺は村に向かって走りながら、先ほどと同じように魔法を発動する。
俺の周囲には再び「ファイアボール」と「ウインドカッター」が10個ずつうまれる。
「グルァア!!!」
「グアァ!!!」
爆発に驚いて家などから出てきたオークやオーガが、俺に気づいて咆哮を上げる。
「行くぜ、ウインドカッター発射! ファイアボール射出!」
俺は前方でこちらに向かってくるオークとオーガに向けて、一発ずつ「ウインドカッター」と「ファイアボール」を放つ。
ドン!!!
という音を立てて、前方で爆発が起きる。
爆発の周囲にいたオークとオーガが倒れる。
俺が最初に「ファイアボール」と「ウインドカッター」をとった理由の一つに、今の現象がある。
「ウインドカッター」に「ファイアボール」をぶつけると、爆発するのだ。
これは合成魔法と呼ばれるもので、特定の魔法を特定の順番で使う…もしくは今のようにぶつけることによって起きる。
先ほどの大爆発は、この合成魔法の連続発動によって起こったのだ。
俺はそのまま爆風の中に突っ込み、まわりすべてが敵の状況を作る。
「四方八方敵だらけ……それはつまり、撃てば当たるっていうことだ!! ウインドカッター、ファイアボール、射出! 射出! 射出! 射出! 射出! 射出! 射出! 射出! 射出!」
右回りに向きをかえながら、一発ずつ「ウインドカッター」と「ファイアボール」を射出しまくる。
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
あたりは爆発に包まれ、地獄絵図と言えるかもしれない様相を呈す。
「これで、おおかたけずれたかな? あと何体だろう? …まぁいいや、ウォーターボール、アースニードル、一斉射出」
見える範囲にいる敵に向かい、適当に「ウォーターボール」と「アースニードル」をばらまく。
両方とも追尾性能がついているため、射出すれば必ず当たるのだ。
「今ので全部倒せたらしいな……」
まわりをみわたし、敵がいなくなったのを確認した俺は、クエスト画面を確認する。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
クエスト:フェンリルの願い
森にいるオークとオーガ、およびオークーガを全滅させる。
討伐数
オーク:86/100
オーガ:92/100
オークーガ:38/50
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「今のにオークーガも混ざってたのか……どこにいたんだろう? 建物の中とかにいたのかな?」
「おそらくそうであろう。してランワードよ、ここにはもう敵がいないようだが……残りはどうやって探すのだ?」
「適当に歩きまわれば大丈夫だろう。隠密索敵持ってるし」
「隠密索敵とはなんだ? ランワード?」
「隠密索敵ってのは、半径100メートル以内の状況がわかるようになる能力だよ。ついでに敵から見つかりにくくなる効果もある」
「便利な能力を持っているのだな?」
「まぁね? …さて、このままここで待っていてもおそらく敵は戻ってくるんだろうけど……待ちはあまり好きじゃないんだよね」
「なれば、うってでるのだな?」
「そういうことだ。行くぞ?」
「わかった」
俺はハザードを連れて、オークたちを探しに歩き始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
あれからオークとオーガ、オークーガをさがして森を歩き回り、オークとオーガは100体倒し終えた。
オークーガも残すところ一体だけとなったのだが、その最後の一体が見つからない。
「みつからないな……」
「みつからないであるな……」
「どうしようか? 一回フェンリルの所まで戻ってみるか?」
「残り一体だけであるからな、闇雲に探すよりは良いかもしれん」
「そうと決まれば、走るぞ?」
俺はフェンリルのところまで戻るために、走り出す。
「わかった」
それに追随し、ハザードも走り出す。
「フェンリルが有益な情報を持ってたらいいなぁ……」
軽く期待し、足を速めた。
・・・
・・
・
「!?!?」
異変に気付いたのは、隠密索敵のおかげだろう。
前方…フェンリルたちのいる地点に、別の何かが暴れているのを感じた。
「何かが起こっている!? 急ぐぞ!!」
俺は走る速度を上げる。
「ライトセット」
俺は走りながら右手に剣を装備し、100メートルの距離を一気につめる。
そこでは傷付いたウルフやウルフリーダーと、なぜか反撃せずに佇んでいるフェンリルの姿があった。
「やめろーーーーー!!」
俺は敵とフェンリルの間に入り、敵の攻撃を剣で受け止める。
「うぉーーー!!」
そのまま剣に力を込め、敵の攻撃を弾き返す。
「こいつはやらせない!!」
そう叫ぶと俺は、敵を睨み付けた。
俺は森を歩き、フェンリルのもとへと戻ってきた。
「来たか、少年。……準備はととのったのか?」
「あぁ、もちろんだ。今日の俺は、昨日の俺とは違うぜ!」
「そうか……ならばよいのだ。それで? 約束の三日まで一日すぎたために二日になったが…たったの二日でやつらを全滅させることができるのかな?」
「余裕だよ、問題ない。ってか、さっそく倒しに行くけど……見届け人みたいなのはいらないのか?」
「むぅ…たしかに。今回の依頼は全滅だからな……見届け人は必要か」
「なれば我が行く!」
そう言ってあらわれたのは、昨日俺をここまで案内してくれた狼だった。
「お前か。良いのか? 足手まといはごめんだぞ?」
「良いのか? そんなことを言って……」
「どういう意味だ?」
「今回の戦いはたしかに殲滅戦だが、同時に防衛戦でもあるはずだ。ならば……我一人の命くらい護って見せるべきであろう?」
「なるほどな……いいだろう。ただし、邪魔はするなよ?」
「邪魔になるかどうかも、お主の戦い方しだいよ……のぅ、長よ?」
「ふむ……たしかに。そうとも言えるかもしれんの……」
「めんどくさいのは、ごめんこうむりたいんだがなぁ? ……まぁいいや、それで? 具体的にはどうするんだ?」
「我とパーティーを組むのだ。それが一番手っ取り早い」
「なるほど……って、できるのか!?」
「問題ない。我に向かってパーティー申請をしてみよ」
「わかった」
俺はウルフに向けてパーティー申請を投げる。
『ウルフのライト・ハザードとパーティーを組みました』
システム音声が鳴り、パーティー欄にライト・ハザードの名前がのる。
「うむ、これでよい」
「準備はできたようだな?」
「うむ。長よ、行ってくるぞ」
「気をつけるのだぞ?」
「大丈夫であろう? なにせ、この者……ランワードが守ってくれるのであるからな?」
そう言うと、俺に向かって器用にウインクして見せる。
「しゃあなしだな。乗りかかった船だ、こうなったらとことんまで付き合ってやるよ」
「よろしく頼むぞ? 少年……」
「あぁ、了解だ…守ってみせるよ。んで、今日中に全滅させて報告に戻ってくるよ」
「頼もしい言葉だな。良い報告を待っているぞ?」
「我が見定める故、しっかり励めよ?」
「ふっ、問題ない。それじゃあ行ってくるよ。場所は向こうであっているのだろう?」
「あぁ、そうだ。ここから南西に一時間ほど歩いた場所にある、もともと村だった場所を拠点にしている」
「わかった」
「では行こうか? ランワード」
「あぁ! とっとと終わらせてやるぜ!」
フェンリルに向かって拳をつきだすと、そう宣言してから目的の場所へと向かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あそこが目的の場所か? ハザード」
「その通りだ、ランワード。あの村を、やつらは住処にしている」
「たしかに……うようよいるな」
「当然だな。全部で百は軽くこえているのだから、たくさんいない方がおかしい。……まさか、怖じ気づいたのではあるまいな?」
「いや、問題ない。雑魚がいくらいたところで、なぎ払うだけだ」
「それはたのもしいな。…それで? 具体的にあれだけの数をどうやって倒すのだ?」
「こうやってだよ! ファイアボール!」
ファイアーボールを発動し、自分の周囲にとりあえず10個ほどの炎球を浮かばせる。
「続いてウインドカッター!」
そのままファイアボールを維持し、そのうえでウインドカッターを発動する。
ファイアボールといっしょに、10個ほどの風の刃が周囲に漂う。
「ついでにウォーターボール! アースニードル!」
更にウォーターボールとアースニードルも発動させ、全部で40もの「炎球」と「風刃」と「水球」と「土槍」があたりを覆い尽くす。
「いっけぇーーーーーー!! ウインドカッター、ファイアボール、一斉射出!!!」
叫ぶと同時に俺は、展開した全ての「ファイアボール」と「ウインドカッター」をオークとオーガたちに向けて放つ。
ドーーーン!!!
俺が放った魔法はすべて、集まって何かをしていたオークとオーガ達の直前でぶつかり、大爆発を起こす。
今の攻撃で数十体のオークとオーガを倒せただろう。
「行くぜ? ハザード?」
「はははっ! 良いだろう、ランワード! ついて行くぞ!」
「よっしゃあ。行くぜもういっちょ! ファイアボール! ウインドカッター!」
俺は村に向かって走りながら、先ほどと同じように魔法を発動する。
俺の周囲には再び「ファイアボール」と「ウインドカッター」が10個ずつうまれる。
「グルァア!!!」
「グアァ!!!」
爆発に驚いて家などから出てきたオークやオーガが、俺に気づいて咆哮を上げる。
「行くぜ、ウインドカッター発射! ファイアボール射出!」
俺は前方でこちらに向かってくるオークとオーガに向けて、一発ずつ「ウインドカッター」と「ファイアボール」を放つ。
ドン!!!
という音を立てて、前方で爆発が起きる。
爆発の周囲にいたオークとオーガが倒れる。
俺が最初に「ファイアボール」と「ウインドカッター」をとった理由の一つに、今の現象がある。
「ウインドカッター」に「ファイアボール」をぶつけると、爆発するのだ。
これは合成魔法と呼ばれるもので、特定の魔法を特定の順番で使う…もしくは今のようにぶつけることによって起きる。
先ほどの大爆発は、この合成魔法の連続発動によって起こったのだ。
俺はそのまま爆風の中に突っ込み、まわりすべてが敵の状況を作る。
「四方八方敵だらけ……それはつまり、撃てば当たるっていうことだ!! ウインドカッター、ファイアボール、射出! 射出! 射出! 射出! 射出! 射出! 射出! 射出! 射出!」
右回りに向きをかえながら、一発ずつ「ウインドカッター」と「ファイアボール」を射出しまくる。
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
あたりは爆発に包まれ、地獄絵図と言えるかもしれない様相を呈す。
「これで、おおかたけずれたかな? あと何体だろう? …まぁいいや、ウォーターボール、アースニードル、一斉射出」
見える範囲にいる敵に向かい、適当に「ウォーターボール」と「アースニードル」をばらまく。
両方とも追尾性能がついているため、射出すれば必ず当たるのだ。
「今ので全部倒せたらしいな……」
まわりをみわたし、敵がいなくなったのを確認した俺は、クエスト画面を確認する。
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クエスト:フェンリルの願い
森にいるオークとオーガ、およびオークーガを全滅させる。
討伐数
オーク:86/100
オーガ:92/100
オークーガ:38/50
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「今のにオークーガも混ざってたのか……どこにいたんだろう? 建物の中とかにいたのかな?」
「おそらくそうであろう。してランワードよ、ここにはもう敵がいないようだが……残りはどうやって探すのだ?」
「適当に歩きまわれば大丈夫だろう。隠密索敵持ってるし」
「隠密索敵とはなんだ? ランワード?」
「隠密索敵ってのは、半径100メートル以内の状況がわかるようになる能力だよ。ついでに敵から見つかりにくくなる効果もある」
「便利な能力を持っているのだな?」
「まぁね? …さて、このままここで待っていてもおそらく敵は戻ってくるんだろうけど……待ちはあまり好きじゃないんだよね」
「なれば、うってでるのだな?」
「そういうことだ。行くぞ?」
「わかった」
俺はハザードを連れて、オークたちを探しに歩き始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
あれからオークとオーガ、オークーガをさがして森を歩き回り、オークとオーガは100体倒し終えた。
オークーガも残すところ一体だけとなったのだが、その最後の一体が見つからない。
「みつからないな……」
「みつからないであるな……」
「どうしようか? 一回フェンリルの所まで戻ってみるか?」
「残り一体だけであるからな、闇雲に探すよりは良いかもしれん」
「そうと決まれば、走るぞ?」
俺はフェンリルのところまで戻るために、走り出す。
「わかった」
それに追随し、ハザードも走り出す。
「フェンリルが有益な情報を持ってたらいいなぁ……」
軽く期待し、足を速めた。
・・・
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「!?!?」
異変に気付いたのは、隠密索敵のおかげだろう。
前方…フェンリルたちのいる地点に、別の何かが暴れているのを感じた。
「何かが起こっている!? 急ぐぞ!!」
俺は走る速度を上げる。
「ライトセット」
俺は走りながら右手に剣を装備し、100メートルの距離を一気につめる。
そこでは傷付いたウルフやウルフリーダーと、なぜか反撃せずに佇んでいるフェンリルの姿があった。
「やめろーーーーー!!」
俺は敵とフェンリルの間に入り、敵の攻撃を剣で受け止める。
「うぉーーー!!」
そのまま剣に力を込め、敵の攻撃を弾き返す。
「こいつはやらせない!!」
そう叫ぶと俺は、敵を睨み付けた。
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