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インテンの小説技法基礎講座③「日常系(ギャグ編)」

インテンの小説技法基礎講座③「日常系(ギャグ編)」

さて三回目の今回は「日常系(ギャグ編)」を書いていこうと思う。

では今回も、前提から書いていこう。
まず最初に、「笑い」とはなんだろうか?
これは実は「安心」である。
人間が狩りをしていた頃、草むらなどに反応を見つけ、威嚇の顔で近づきそれを調べ、大丈夫だとわかった時に威嚇を崩した顔……つまりは周囲に安全、安心を知らせるための表情なのである。
そのため「笑い」とは、緊張感の後にその緊張が大丈夫だとなったときに起こる。
以下に基本的な流れの例文を書いてみよう。
────────────
①あれはなんだ?
→②まさかあれは新しい兵器!?
→③しかも近くに人がいる
→④待てよ……形状からしてあれは爆弾だ。しかも時限式では?
→⑤しかもカウントダウンの音がしている!?
→⑥今すぐ止めなくては!!
→⑦くそっ、間に合わない!?
→⑧ドーンという音がして主人公絶望
→⑨近くにいた人「あっ、タイマー終わったからカップ麺食べよう」
→⑩主人公「大袈裟なタイマーだったんかーい!!」
────────────
このような流れが基本となる。
ひたすら緊張感をあおって、読者をまずはドキドキさせる。
主人公と同じ緊張感に包み込んで、そこからの絶望。
「どうにもならない」と思わせたところで、その緊張感を作っていたものが実はたいした事の無いくだらないものだと明かす。
これで「笑い」は作り出すことができる。
これは面白い、笑える芸人のネタなどを思い出すとわかりやすいだろう。
「オリラジの武勇伝」を例にしてみる。
あれの面白さは、

①武勇伝という名前で期待をさせる(すごいものをイメージさせて、緊張感を持たせる)。
②リズムに合わせて掛け合いをしていて、テンポが良くノリやすい(見る人がノルことで、笑いやすい空気を作る)。
③自信満々にネタ(カッコ良さ)を言った直後に、それを落とすことで笑える(緊張→弛緩(笑い)の流れがしっかりしている)。
④同じパターンなので笑うタイミングがつかみやすい(同じパターンで繰り返すことで、笑いの連鎖を起こすことができる。ひとつ前のネタの余韻がある内に次が来るため、段々と笑いが大きくなる)。

以上である。
ではこれらの前提を元に、例文を書いてみよう。

例文①
────────────
主人公「今日こそ決着をつけるぞ?」
友人「望むところだ。俺が勝って、この因縁にケリをつけるッ」
主人公「お前に勝って、俺が最強だと証明するッ」
友人「笑わせるなッ!! 俺の方がお前より強い!!」
主人公「俺の方がお前より強い。断言しよう、俺はお前の上をいくッ!!」
友人「ならば俺は、その更に上をいくッ!!」
主人公「では……いざ尋常に……」
友人「勝負といこうかッ」
二人「…………最初はグー、じゃんけんぽんッ」
主人公「あっち向いてほいッ!!」
二人「じゃんけんぽんッ、あいこでしょッ、あいこでしょッ」
友人「あっち向いてほいッ!!」
二人「じゃんけんぽんッ、あいこでしょッ、あいこでしょッ」
友人「あっち向いてほいッ!!」
二人「じゃんけんぽんッ」
主人公「あっち向いてほいッ!!」
二人「じゃんけんぽんッ、あいこでしょッ、あいこでしょッ、あいこでしょッ」
友人B「まーたやってるよ」
友人C「今度はなにが原因だ?」
友人D「あれだ。どっちがよりルイセにふさわしいかだってさ」
友人B「ルイセってあれか? 人気漫画のヒロインの?」
友人D「そう、それ。その子にどっちがふさわしいか」
友人C「毎度毎度、よくそんなことで勝負できるな?」
友人D「そりゃあれだろ? 愛ってやつじゃない? ……まぁどちらにしろ」
友人たち「くだらねぇ……」
二人「くだらなくないッ!!」
主人公「ルイセちゃんはこの世の天使ッ!!」
友人「ルイセちゃんに比べたら、リアルの女なんてクソくらえだッ!!」
友人たち「あーあ、言っちゃった……」
ヒロイン「○○君? ○○君は、私よりもその娘が好きなの?」
友人彼女「まったく、△△ってば最悪よねッ。私がいるのに、リアルの女なんてクソくらえ?」
主人公「ち、違うんだヒロイン。俺はただ……」
友人「早まるな、彼女。俺はただ……」
ヒロイン「おしおき……かな?」
友人彼女「おしおき……だね?」
二人「友人たち、助けてくれッ!!」
友人たち「助けるかボケッ!! リア充爆発しろッ!!」
ヒロイン「それじゃ……いこうか? ○○君」
友人彼女「いくよ△△? 今日こそは改心させるからね?」
女二人「ふふふっ、ふふふふふふっ」
二人「ぐわぁぁぁぁぁぁ」
────────────

こんな感じである。
バトルで緊張→理由がくだらない→ヒロイン二人登場で修羅場→友人たちが煽る→制裁される
この流れは、よくラブコメで使われるパターンである。
ギャグというよりはコメディだが、今回は日常系なので、ラブコメ風にしてみた。
参考にしてみてくれ。

日常系(ギャグ編)はここまで。
少し短いが、最初に書いた流れの通りなので、色々書いて試してみてほしい。


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