intenの俺の知識を聞けェェェ

inten

インテン流ギャップの作り方

インテン流ギャップの作り方

今回はギャップの作り方について書いていく。
今回書くギャップとは、読者を良い意味で裏切るためのものであり、キャラクターをより際立たせたりするためのものだ。

まず最初に前提として、ギャップとは何か? 一言でギャップと言っても、様々な種類がある。
そのギャップに萌えるのか?
それとも憧れるのか?
ギャップが使われるシチュエーションや、物語の流れやキャラクターによって、使われ方は千差万別である。
しかし実はこのギャップは、別の言葉で簡単にまとめることができる。
それはずばり、「想定外」の「裏切り」である。
これを分かりやすくすると、「想定の真逆を行う」ということである。
ギャップとはつまり、読者が作品を読んでいて無意識に行っている想像や想定……つまりは固定観念を裏切ることでおこる。
例えばよく例に出される「不良が雨の日に子犬に傘を……」というやつだが、これは噛み砕くと、「不良という悪いイメージしかない存在」が、「普段の姿から想像できる事とは真逆である善いこと」を行う。
この姿に読者は自分の想像と想定を裏切られ、ギャップという言葉で表すのだ。

では本題だ。
具体的に、ギャップの作り方を書いていこう。
……と言っても、ここまででどうやればギャップが生まれるのかは書いているので、具体例をいくつか出して説明していこう。

パターン①「不真面目キャラの見せる真剣さ」
これも最近ではかなり使われていると思うが、普段はヘラヘラと不真面目な(ふざけているとしか思えない)のに、スイッチが入ると急変して誰よりも真剣に物事に取り組む。

例えば銀魂の銀さん。
彼は普段どうしようもないのに、自分が動く理由ができた瞬間に豹変する。
普段がだらしないからこそ、彼が本気になった姿はよりカッコ良く見えるのだ。
例えば電波教師の純一郎。
彼こそこのパターン①の典型で、自分が楽しく生きるために全力である。
完全に自分の中で線引きがあり、本気を出した時と普段の差は別人である。

このパターン①の作り方を以下に示す。
①そのキャラクターの譲れない部分を決める。
②普段はその譲れない部分とは関係ないことをさせる。
③物語の中で、最後にその譲れない部分に触れさせる。

以上である。

ではこの流れにそって、例を作ってみよう。

①譲れない部分を決める。
普段はシスコンのバカキャラとして、妹を譲れない部分にする。
②譲れない部分以外で生活。
職業を弁護士にして、妹を中学生くらいにする。
普段はまったく妹と接点がなく、主人公は所属する弁護士事務所で雑務をこなす下っぱ。
いつもどうやってサボるかばかり考えており、主人公の先輩に怒られてばかりとする。
③物語の最後に譲れない部分に触れる。
とある女子誘拐事件の犯人を弁護することになり、犯人にされた相手は妹の学校の教師で、妹にお願いされてやる気を出す(ここではシスコン全開で真面目はまだ)。
弁護対象を無罪にするために調べていくと、やはり冤罪としか思えない。
そしてその捜査で決定的な無罪の証拠を発見し、これで無罪にできるとなったところで妹たち(事務所の関係者数人)が誘拐される(ここで真剣になる)。
弁護を先輩たちに任せて、自らは妹たちを取り戻すために動き、判決が終わるまでに逆に敵を追い詰めて自首させる(ここからは主人公の独壇場。わずかな証拠などからすべてを導きだし、敵を圧倒する)。

こんな感じである。
何となくつかめただろうか?
ではもう1つパターンを紹介しよう。

パターン②「完璧超人の見せる脆さ」
完璧に見える王子さまが、自分にだけ見せてくれる弱味や、甘え。
冷酷と言われる超エリート課の課長なのに、面倒見が良くて助けてくれる優しさ。
高嶺の花と言われるミス○○大学の女の子が、実は幼馴染みの主人公の前では甘えん坊など。
このようないわゆるギャップ萌えである。

例えばめだがボックスのめだかちゃん。
彼女こそ完璧超人なのに脆さがある典型だ。
何でもできるまさしく完璧超人なのに、幼馴染みの前ではずぼらだったり、人間的に少し変だったりと、様々なギャップ萌えを持っている。

このパターン②の作り方を以下に示す。
①とにかくまずは完璧超人を作る。
第一に、誰もが憧れるようなすごい存在を作る。
②作ったキャラクターに似合わない弱点を作る。
えっ、そんなのがダメなの? みたいに、とにかく作ったキャラに相応しくない、ありえないと思う弱点を作る。
③物語の中で、強みを見せまくったあとに弱点を見せる。
読者に「このキャラすごい」って思わせておいて、でも実は……のように弱点を出す。

以上である。

ではこの作り方にそって、例を作ってみよう。

①完璧超人を作る。
まず設定として、全国模試で全国トップ10であり、サッカーのU18代表にも選ばれている天才少年というのをもとにする。
②そのキャラに似合わない弱点を作る。
味覚音痴で、不味いものほど美味しく感じるという弱点をつける。
③すごいと思わせてから弱点を見せる。
学内テストで一位をとって、さらにそのあとサッカーで活躍させる。
そして休憩中にマネージャーが粉の分量を間違えたドリンクを出すが、皆は不味いと言っているのに一人だけむしろ毎回この味がいいとマネージャーを誉める。
そこにまわりが突っ込む。
これで残念感と同時に愛されキャラにする。

こんな感じである。
何となくできそうだろうか?

以上でギャップの作り方を終わりとする。
是非役立ててみてほしい。


コメント

コメントを書く

「エッセイ」の人気作品

書籍化作品