キーボードなしでは生きていけないので、ハイ

十五月遡夜

手打ち 面倒い キーボードがいい!

スマホの操作は、基本指でする。
もしくは対応するタッチペンとかでする。
だがなぁ、ワタシはスマホとかの操作の大半をキーボードで占めているのだよ!
だってほら、日常会話でタブにキーボード繋いでるし、スマホは手打ちだけど使用頻度だとタブより低いし。

そもそも電話しないんだし!!

・・・アレ?
スマホ持つ意味なくね?
・・・・ウン。
売ろうか。


________



:とゆことでじゃな:
「ドユコトやねん?」
:制服反対やぞ?:
「いや普通に着てるやろアホ」
:違う違う、校章が下向いてんだよ:
「どうせ今回も嘘なんだろ?・・・あっ、マジだった。つか分かりにくいから最初から校章がって打てや」
:えっ?何で俺がそんなことしなきゃならんの?断固反対だぞ:
「何でだよ!」
:いやほら・・・ね?:
「わかるか!!」

課外最終日の課外終了後、12:37。
氷河は学校に来た。
柴崎綾音先輩からメッセージが届き、来るように伝えられたからだ。
校門を通ってすぐに顔を合わせた相手は言うまでもなく、三芳佐武朗だった。部活はオフらしく、家に帰ってグラるらしい。

:それと中に来てるシャツも反対やぞ:
「今度こそは騙しに来たな?嘘、罵りに乗るかよバ〜カ!」
:バカはお前だアホ。襟の縫い目が逆じゃねぇか?裏表反対に着れるとかある意味才能だな:
「おわっ!?マジだった・・・。何?今日雨でも降るの?マジでお前今日どったの?頭打ったか?」
:基本俺は善人のつもりだぞ?まぁ日頃お前のことだけディスってるから、そう言われても仕方ねぇけどさ:
「アレ〜おっかしいなぁ。珍獣まがいのディスり屋から善人気取って下から目線に皮肉を打たれた気がするぅ〜」
:おかしくねぇよ現実だっつの。あと背に背負ったザックも上下反対だぞ:
「お〜サンキュー!・・・ってぅおぁぁああ!!?」

流れに任せて、にこやかにザックを肩から下ろして上下を逆にする。
途端、中身が漏れた。

「何してくれるんじゃぁぁぁぁぁあああおいぃぃぃぃいいいいい!!!」
:今登校して来たばかりだか?:
「そういう意味で聞いとらんわボケぇぇぇぇえええ!!!」

そもそもザックのチャックを閉め忘れたお前が悪いのだ。
脱兎のごとくその場を退散しながら、氷河はそう思ったのだった。



_______



東校舎3階。
階段を登り右3つ目の教室の前に立つのは、俺を呼び出した先輩だった。

「来たわね」
コクリ
「じゃあ、入って」

生徒会室を開けて、入室を促される。
何を気にする事なく、俺は入った。

外からの光から隔離された一室。
窓ガラスなどは1つもなく、新しく併設されたものらしいものと並んで一室に光を生む栄光灯。左上には今も不定なテンポで灯を明滅させる4本の蛍光灯が。
そして右には、左の2つカチッとはめるのとは違って天井に埋め込むように1本1本の間が1m半と均等に3本並んでいる。

出入り口から縦長に広がる部屋で、2種のライトを隔てるかのように薄黒いシミのようなものがスゥ〜っと通っていた。

(雨漏りかなんかかな?)
「ようこそ生徒会へ、霧谷氷河くん」

雨漏りか否かを検証中だというのに声をかけないでくれよと思いながら、名前を呼び歓迎を述べる男生徒に向き直った。

俺はとりあえず、受け答えの前に図太くも天井のシミを指差して「これはなんだ?」とジェスチャーで聞いてみる。

「ん?あぁ、あのシミかい?」

通じた!
側から見ればただ上を指差したようにしか見えないサインが通じた!!
頷くと「あれはただの雨漏りだよ」と答えてくれた。

今日はただここに来るだけだったので、制服とズボンの後ろポケット2つに財布とキーボードを入れてスマホを手に持ってきただけだ。

・・・・追加だ。
胸ポケットにはスマホスタンドが入っていますです。

縦に長い部屋であるから、入り口から3歩ほどのとこには机と椅子がある。机の配置は縦に長机が5枚、横に3枚。
配置から生まれた空間もまた長方形、この部屋の何分の一のサイズなんだろうなぁ。

スタンドを手に取り、すぐ目の前の席に座ってスタンドとスマホを1つ隣の右の席に置いて、俺の正面にキーボードを広げる。
すぐさまキーを叩いた。
反応して、綾音先輩が画面をみる。
:代弁ヨロです:と打ってから、こう綴った。

「:どうもです。生徒会長の浅野御笠あさのみかささん:。だそうです」
「うん、ありがとう柴崎さん。そのまま代弁を頼むよ」
「はい」
「では・・・。柴崎さんから聞いたよ〜今の生徒会の体制が不満なんだって?一体何が不満なんだい?」

俺はキーボードをたたんで、Bluetoothを解除してスマホに直接打ち込んでスマホを投げた。

「おっとっと、乱暴だねぇ。スマホは大事にしないとダメじゃないか。どれどれ〜・・・フムフム、:別に不満はありませんけど?でもこの前柴崎先輩が生徒会が退屈だとかつまんないとか言って不満丸出しでしたよ:っと」
「ちょっ!貴方何言ってんの!!?」
「彼は何もしゃべっていないよ?むしろ打っている」
「会長までそのノリはやめてください!!」
「それはそうと、一体何が退屈でつまんないんだい?柴崎さん」
「いやだから、彼が言って・・・打っていることは嘘なんです!」
「ふむ・・・。では霧谷くん、君はなぜそんな嘘を?」
首を横に振る
「おや?嘘は言っていないと?」
コクリ
「では柴崎くん」
「だから違いますって!!」
「霧谷くん!」
首を横に振る
「柴崎くん!」
「だから違います!!」

ここでキーボードを開いて、スマホに接続する。スマホとの距離は4m弱くらい、繋がらない距離じゃない。
このキーボードは接続する機器との距離を7mまでなら離しても使えるからだ。

画面を見ずに、俺は打ち込みを開始した。

「ん?何々・・・:俺への話ってそんだけっすか?:、うん。そうだね〜・・・。君自身は生徒会に興味はあるかい?」
コクリ
「うん。なら、どこに興味があるかな?・・・えっと、:会長がホモであることくらいを知っていることしか知らないんで、実際何しているかわからないから興味がある:・・・・。一体誰から僕がホモであることを聞いたんだい!!?もしかして君は僕のことが好きなのかい!!?」
「:違うわアホ:だそうです」
「ん?」

氷河は右手に、iPodを持っていた。
アゲイン。
氷河は右手に、iPodを持っていた。

リピートアフタミー。
『氷河は右手に、iPodを持っていた!』

制服の上着には、左右の胸部の位置に内ポケットがある。
つまりだ!
右の内ポケットにはこの端末が入っていたということなのだ!!

たかが学生の制服なぜここまで機能性に優れているのだ!
これは異常だ!!
オーバーテクノロジーだ!!!


(・・っと、ワタシは思うのだぁ〜)

「:生徒会の活動って、何すんですか?:ですって。あと霧谷くん、あとで説教ね?」

見た目小学生の先輩は、椅子に座ってやっと目線が会う俺に対し恨みを込めた言葉とともに笑みを向けた。
これが発育の進んだ、もしくは単に腹黒な女のものならそれなりに怖いものになるんだろうが・・・。

見た目小学生がそんな真似してもただの笑顔にしか見えないのだった。
・・・虚しいなぁ。

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