ソラの巫女

かるぴすー

第一話 島の伝説

むかしむかし、ある孤島の村に一人の男が住んでいました。
男は村の人々から気味悪がられており、いつもひとりぼっちでした。
笑いもしない。泣きもしない。怒りもしない。喜びもしない。
そう、男には心がありませんでした。
そんな男を不憫に思った神様が、心を与えるため四人の乙女を男のもとに遣わしました。
一人は喜びを教え、
一人は怒りを教え、
一人は悲しみを教え、
一人は楽しみを教え、
四人の乙女達と過ごしていくうちに、男には心が宿っていきました。
男に心が宿ったと知った神様は四人の乙女達に天界に戻るよう命じました。しかし、男は四人の乙女達が好きになり、四人の乙女達も男が好きになっていました。このまま五人で暮らすことを望みましたが、所詮人間と神、ずっと一緒にいることは叶いませんでした。
『約束しましょう。私たちはいつの日か、この輝きを頼りに貴方に会いに来ます。貴方が私達を信じる心を失わない限りこの輝きは消えないでしょう。』
そう言うと、四人の乙女たちは男に青く輝く玉を渡し、天に帰ってしまいました。
男は青く輝く玉を抱きしめ空を眺めながら、乙女たちがやってくる日をずっと待っています。




老人「そしてこの男はな…」
マミ「もうこの伝説、耳にタコできるぐらい聞いたよー」
ユエ「私は好きだけどね、でも本当にあったのかしら巫女伝説なんて」

照りつける太陽が地面に反射し、蝉の鳴き声が響く猛暑の8月上旬
小学校のグラウンドの大きな木にできた日陰に集まるように1人の老人と4人の少女達が座っていた。

サラ「ばあちゃん話なげーよー、眠くなってきたし。」
ヒカリ「日差しも強いし早く帰って休んだ方がいいよおばあちゃん。」

老人の話を遮るように文句を言った少女の名前は「マミ」
村唯一の商店の娘で常に笑顔で明るいが、たまに適当で考えなしな面もある。

老人から伝説の話を聞き、興味深そうに考察している少女の名前は「ユエ」
アグレッシブで危なっかしい両親の元に生まれたせいか、しっかりしており1度決めたことは最後まで突き通す。

欠伸をしながら木に寄りかかり寝ようとしている少女の名前は「サラ」
楽しいことが好きで、村の人たちにいたずらを仕掛けては叱られている。

おばあちゃんの体調の心配をしている優しい少女の名前は「ヒカリ」
小さい頃に実の両親を亡くし、親戚のマミ宅に引き取られた。

老人「学校の宿題で伝説の事を調べなきゃいけないから、話を聞きたいと言ったのはお前達じゃろ」
マミ「そうだけどさぁ、もう昼休み終っちゃうよー」
ヒカリ「次の授業って確か体育だよね…?」
サラ「めんどくせーさぼろーぜー。眠いし」
ユエ「だめよ。ほら!みんな早く着替えに行くわよ!」
老人「まて、まだ話は「じゃあね!おばあちゃん!暑いから早く帰りなよー!」
そう言うと少女達は老人を残し、足早に校舎へと戻っていった。

老人「……伝説はこれで終わりじゃない。続きがあるんじゃ…」

そう、小さく呟いた老人の声は鳴り響く蝉の声と共に夏の空に消えていった

第一話 島の伝説 fin



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