天樹
目が覚めたらここにいた。
目が覚めたらここにいた。
ここはまるで屏風絵の様だった。真っ先に目に入る金色の空。そして独特の木に、流れる清流。
とても美しい所だった。
それが下の方で見える。俺は長い茎のある蓮の葉の様なものの上にいる。更にその上には後光がさしている者がいる。それを直感的に神だと感じる。その周りには仏の顔をした者達が雲の上で演奏していて綺麗で、雅びな後景だった。
(ここは極楽なのだろうか、なら俺は死んだのだろうか。)
色々な思いが頭を巡る。そんな纏まらない考えをしていたら。神様がお声をかけてくれた。
「人生はここまでいいか?」
「?」
(ダメだこの神、主語を喋らないタイプだ。)
顔は後光で逆光のはずなのにハッキリと分かる。男女とも分からず。目は半目でこちらを見ているかも分からない。
「質問をいいですか?」
「構わんよ。」
「ここまでいいかとは?」
「まだ人生を歩みたかと言う事だ。」
(変わってないじゃん。)
「はいと答えれば?」
「お前が生きた世界とは別の場所で生きる事になる。」
「異世界ですか?」
「そうだ。もういいだろう。決めてくれ。」
「はい。」
自分が誰なのか、名前も分からない。そして何故死んだかも覚えていない。だから答えた。
そしたら葉が朽ちて下の川に落ちた。
目が覚めたらここにいた。
ここはまるで地獄絵図だった。真っ暗な空に登る黒い雲、緑が一切ない灰色に火の赤が良く映える。そこは鼻をねじる腐乱臭。禍々しい所だった。
(俺が生きていた場所と変わらんな。)
俺は広い場所にに何百人と集められた所にいた。状況が分からずガヤガヤと騒がしい連中。そこに10メートルはある巨人が現れた。皆が喚き散らす。その中
バンッ!
と大きな音がそれを止める。
「貴様らはほぼ地獄行きが決まっている。ここにいる一人を除いてな。つまり貴様らはにチャンスをやる。」
「まだ生きられるのか?」
「生き返れる!」
「「「ガヤガヤ」」」
そして広場の中心に一本の糸が垂れる。俺はそれを見て誰よりも早く動いた。あれが生き残る手段だと。
「これを誰よりも先に登った者に生をやろう。」
それを聞いて一斉に群がった。周りの足を引っ張り、蹴落とし、醜く、残酷に。ただ生き残るために。
俺は圧倒的に早く登った。下を見た時、絶望的な顔をしていたが気にも止めなかった。そして真っ暗な空に光が射す。
ここはまるで屏風絵の様だった。真っ先に目に入る金色の空。そして独特の木に、流れる清流。
とても美しい所だった。
それが下の方で見える。俺は長い茎のある蓮の葉の様なものの上にいる。更にその上には後光がさしている者がいる。それを直感的に神だと感じる。その周りには仏の顔をした者達が雲の上で演奏していて綺麗で、雅びな後景だった。
(ここは極楽なのだろうか、なら俺は死んだのだろうか。)
色々な思いが頭を巡る。そんな纏まらない考えをしていたら。神様がお声をかけてくれた。
「人生はここまでいいか?」
「?」
(ダメだこの神、主語を喋らないタイプだ。)
顔は後光で逆光のはずなのにハッキリと分かる。男女とも分からず。目は半目でこちらを見ているかも分からない。
「質問をいいですか?」
「構わんよ。」
「ここまでいいかとは?」
「まだ人生を歩みたかと言う事だ。」
(変わってないじゃん。)
「はいと答えれば?」
「お前が生きた世界とは別の場所で生きる事になる。」
「異世界ですか?」
「そうだ。もういいだろう。決めてくれ。」
「はい。」
自分が誰なのか、名前も分からない。そして何故死んだかも覚えていない。だから答えた。
そしたら葉が朽ちて下の川に落ちた。
目が覚めたらここにいた。
ここはまるで地獄絵図だった。真っ暗な空に登る黒い雲、緑が一切ない灰色に火の赤が良く映える。そこは鼻をねじる腐乱臭。禍々しい所だった。
(俺が生きていた場所と変わらんな。)
俺は広い場所にに何百人と集められた所にいた。状況が分からずガヤガヤと騒がしい連中。そこに10メートルはある巨人が現れた。皆が喚き散らす。その中
バンッ!
と大きな音がそれを止める。
「貴様らはほぼ地獄行きが決まっている。ここにいる一人を除いてな。つまり貴様らはにチャンスをやる。」
「まだ生きられるのか?」
「生き返れる!」
「「「ガヤガヤ」」」
そして広場の中心に一本の糸が垂れる。俺はそれを見て誰よりも早く動いた。あれが生き残る手段だと。
「これを誰よりも先に登った者に生をやろう。」
それを聞いて一斉に群がった。周りの足を引っ張り、蹴落とし、醜く、残酷に。ただ生き残るために。
俺は圧倒的に早く登った。下を見た時、絶望的な顔をしていたが気にも止めなかった。そして真っ暗な空に光が射す。
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