階層ボスだけど暇なんで冒険してもいいですか?

つくつく

12実力を測るのじゃ

クロ「よし!準備出来たぞ!」
レヴィ「クロ、うさぎを探しに下の階層を探そう!」
とふたりで楽しそうにフェリドの前に行くと、フェリドはそんな二人を見て微笑むと
フェリド「では、これから害獣を討伐しに行くのじゃ。貴様らにはうってつけの相手じゃ。心してかかるのじゃ」


クロ「…お、おいフェリド」
そうフェリドに声をかける。
フェリド「音量を下げろ。気づかれれたらどうするのじゃ」
レヴィ「クロ。大人しくして」
と二人に注意される。そう言って三人で屈みながら、移動する。音をなるべく出さないように細心の注意を払いながら害獣と呼ばれるそれを探している。場所はダンジョン内だ。
クロ「…おい」
フェリド「あの害獣は、音に敏感じゃ。もうすぐで、おびき寄せた10階層の中枢に着く」
レヴィ「了解」
クロ「フェリド」
そこでフェリドは、ようやくこちらを見る。
フェリド「なんじゃ、うるさいぞ」
そのフェリドの方を見る。真剣な顔で。
クロ「…本気なのか?」
フェリドは、クッククと笑うと
フェリド「無論じゃ」
と即答した。それにクロは後ろにいるフレアを見る。
フレア「クロ。どうこう言ってもしょうがないし、結果は見えてるよ」
そう言って苦笑いを浮かべた。まぁ。ここにくるまでの過程で散々説得しようとした張本人だ。かなり疲れているのだろう。もう諦めている。
フレアは、駄々をこねられると弱い。それはもう分かっていることだ。
フェリド「い、いた。奴じゃ」
その瞬間、緊張が走る。
フェリド「レヴィは左、クロは右、妾とフレアは正面からじゃ。行くぞ」
そう言って、フェリドが突撃したところで、目の前には害獣と呼ばれた者の姿がない。
それに前衛が止まる。後ろから突撃しようとした、フレアは状況が分からず、フェリドにぶつかる。その衝撃でフェリドが倒れる。
フェリド「何をする!」
そう言ったところで顔の真横に槍が突き刺さる。
「5分遅刻だ。レディを待たせるのは感心せんな」
そこでクロは害獣。と呼ばれたエルザを見る。
エルザは、ふんっと一瞥すると。
エルザ「…早くしろ。其奴らの力量を測るならボスぐらいしかおらんだろ?」
そくさくと歩いて行った。
それにフェリドは、抗議の目を向ける。
フェリド「待て!ボス攻略じゃと?」
それにエルザは振り返る。
エルザ「そうだが?何か問題が?」
そう言って二人で睨み合う。それにフレアが手を挙げ聞いた。
フレア「あのー何か問題があるんですか?」
フェリド「大ありじゃ」
レヴィ「どうして?」
フェリド「お主らは自分の事しか頭にないようじゃから言うとくがな」
そう言って一度空気を吸い込むと。
フェリド「今ボス攻略をして行く事で、お主らよりも弱い奴らは装備もなしにどうやって次の階層で闘うのじゃ?」
だが、それに少なからずクロは疑問を持った。
クロ「ボス攻略でしか装備は作れないのか?」
フェリド「そうじゃ。つまり、ボス攻略に参加できなければ、次の階層で生存するのはそれだけ厳しくなると言う事じゃ」
エルザ「貴様らが気にすることではない。強者が生き弱者は死ぬ。自然の摂理であろう?」
フェリド「…こやつらの実力を測るのに、そこまでの事をする必要があるのかと言うておるのじゃ」
エルザは、しばらく睨んだ後、分かったと言うように手をひらひらさせた。
エルザ「興が冷めた。そこらのモンスターに貴様らのド派手な攻撃をすれば良い。それだけでも分かるだろ」
フェリド「…そうじゃな。悪いがそれで良いか?」
レヴィ「問題ない」
うさぎを抱っこしながらレヴィが言った。
一体いつから?と言う疑問を飲み込み、クロも頷いた。

そして、それは手頃なモンスターに攻撃をし、その後の事だった。今までにこれほどまでの彼女を見たことがなかった。それほどに彼女は怒っていたのだ。







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