階層ボスだけど暇なんで冒険してもいいですか?

つくつく

3ひとまず安心です

すぐにフレアがした嫌悪の表情の意味が分かった。
男はクロに近づき、肩を組んできて、顔を近づかせた。
「お前のツレを俺に売る気はねぇか?」
クロ「…」
「まぁまぁ聞けよ。金貨300枚でどうよ。冒険者のツレなんてギルドに行けばいくらでも集まるだろ。なぁ悪い話じゃねぇだろ」
クロ「…話にならないな」
クロはそう言うと、男の手を払った。
「おいおい?その選択はまずいぜ。金も貰えないうえに女まで奪われてしばらくは寝て過ごすことになるぞ」
そう言って男は笑いながら後ろを見た。
クロもそちらの方を見た。
(あぁ、なるほど。男の自信の源はあれか)
その男の後ろには5人ほどの男がいて、全員が鎧や武器を身につけていた。
「なぁ。どっちがいいかぐらい分かるだろ?」
フレア「ちょと貴方達いい加減にしなさい」
「お前には聞いてねぇよ。それともおまえも来るか?あぁ!冒険者が俺たち商人に逆らって冒険できるとでも思ってんのか?」
だから攻略ができてないのか。
クロ「だいたいのことはわかった」
「で?どうすんだ?」
そこで後ろの自分のパートナーが自分の服をぎゅっと握っているのが分かる。そして、クロは前を向くと
クロ「断る」
「そりゃあ残念だぜ」
と男は余裕顔でおどけて見せた。
その時後ろの冒険者達が前に出てきた。
そして、先頭の男が拳を振り上げて来る。
フレア「クロ!?」
そうフレアが自分を呼ぶのが分かる。
自分に迫ってきた拳を受け止めた。
パンッと乾いた音の後に木の枝が勢いよく折れるような音が響いた。
「え?」
自分を殴ってきた男は力なくぶら下がる手を見た。
その手は鎧を身につけているにもかかわらず、鎧には一切の傷跡もなく、中の骨だけがぐちゃぐちゃになり果てていた。
「俺の手変じゃないか?」
と弱々しくそんな言葉を仲間に問いかける。
しかし誰もが驚き声が出せないでいた。
そんな相手にクロは近づき、兜に手を置いた。
レヴィ「…クロ!!」
とレヴィに言われクロはその男の背中を押して、放心状態の仲間達の方に押した。
何度かつまづき、こけそうになったところで仲間に受け止められた。
そして、クロは商人の方を睨んだ。
「お前、、何なんだよ。こいつ化け物だ。化け物だ!」
と余裕がなくなり小物感が出ており錯乱状態になっている商人を睨みつけ
クロ「俺を攻略したいなら20倍は持ってこい」
威圧をしながら言うと、商人達は逃げて行った。
あたりはクロに対して恐怖の目を向けていた。
ーあぁ。ここでも一人か。やっぱり俺なんかが冒険なんてー
レヴィ「クロ。私にはクロしかいない。あまり危険なことはしないで」
とレヴィがこちらに歩みよりながらそう言った。
フレア「全くです。あんな力があるならもっと穏便に済ませれたんじゃないですか?」
フレアさえもがそう言って歩み寄ってきた。
周囲から一人が拍手をしだした。それにつられるようにまた一人と増えていった。
「よくやった!」「スッキリしたぜ!」
などと歓喜の声さえもが聞こえた。
フレア「ところであれは一体どうやったの?なにかの魔法かしら?」
フレアはそう言って前屈みで聞いてきた。
クロ「あぁ。あれはなー」
クロが言おうとした時、一人の濃い紫色の髪をした女性が近づいてきた。
「なかなかに面白い余興だったぞ」
そう言って近づいてきた女性の背中には槍があり冒険者か?とも思ったがその身には鎧はきておらずチグハグな感じだった。
するとそこでクロの思考は後ろに回ったレヴィの蹴りによって遮られた。
クロ「イテッ」
とつい声が出て後ろを見るとレヴィは、怒ったように顔を逸らした。そして、こちらに横目を向けると
レヴィ「いやらしい目で見てた。クロ悪い子」
そう言ってふたたび視線を逸らした。
そんなやりとりをしていると
フレア「ちょとレヴィとクロ失礼ですよ。特にクロ」
と横から入ってきた。
そんなやりとりを見ていた女性は、ほほえむと
「よい。むしろそうでなくては女がすたるというものだ」
そう言って胸の前で手を組むと大きな胸がより一層強調された。
「自己紹介が遅れた。私はエルザだ」
それにフレアが動きを止めた。
フレア「エルザってあの現最強の冒険者のですか?」
エルザ「そうとも言われるな。…話は変わるがお主ら冒険者になって間もないのであろう?泊まる場所はあるのか?」
そこで二人は停止した。その問題について考えていなかったのだ。
その分かりやすい反応を見たエルザはふふっと笑うと。
エルザ「今宵は気分がよい。泊まる場所は私が用意しよう。この貸しは別の所で返してもらうがよいか?」
それに一安心の様子を見せた。
ゆえに、エルザが不敵に笑ったのが見えなかった。




コメント

コメントを書く

「冒険」の人気作品

書籍化作品