異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育成しています ~
水着鑑賞
ドラゴンに搭乗してから30分後。
いよいよ目的地であるサラス海岸が見えてくる。
時速にすると60キロくらいは出していただろうか。
数字で表すと大したことはないように見えるかもしれないが、今まで使用していた亀車と違って障害物の影響を受けないので利便性は段違いである。
本気を出せば倍くらいのスピードが出そうなのだが、車と違って風をモロに受けるのでこれ以上早く移動するのは躊躇ってしまう。
これまでの遠征は何よりも移動時間がネックであった。
ワイバーンをゲットしたことによって、飛躍的に効率良くクエストを達成することができそうである。
「うおおおおおおお! ビーチだあああぁぁぁ」
ビーチに到着した俺は、絶叫しながら砂浜に飛び降りた。
たとえばここが日本の海ならば、空のペットボトルの1つでも転がっていそうなところだろう。
けれども、流石は異世界!
視界に入ってくるのは、エメラルドグリーンの海と純白の砂浜のみである。
「じゃあ、ソータ。アタシは皆が着替え終わるまで、ここで待機しているから」
「え? ディーも早くボールに戻って着替えてこいよ」
「……何言っているの? そんなことをしたら、どっかのスケベな魔物使いに着替えているところを覗かれ放題じゃない」
「ギクッ」
畜生! どうしてアフロディーテはこういう時だけ鋭くなるんだよ。
魔物使いはカプセルボールの中を自由に見渡すことができる。
ボールの中を更衣室替わりに使用することによって、女の子たちの着替えを堪能できる! と考えていたのだが、現実はそんなに甘くはなかったらしい。
~~~~~~~~~~
それから更に20分後。
少し時間はかかってしまったが、ようやく全員の着替えは完了した。
「へへーん! どーよ! ソータ! プリプリプリティなアフロディーテちゃんの水着姿よ~ん」
ほほう。
これは良い仕事をしていますなぁ……。
アフロディーテが選んだ水着は、オーソドックスなビキニ水着であった。
取り立てて水着に特徴がない分、素材本来のクオリティが重要になってくる。
その点、アフロディーテは美の女神を自称するだけあってルックス&スタイルに一切の隙が無い。
たしかに色々なところがプリプリしていますなぁ……。
「……ご主人さま。私の水着は如何でしょうか」
「ああ! キャロもバッチリ似合っているよ!」
キャロライナが身に着けているのは、シックなデザインの黒ビキニである。
パレオの中からスラリと伸びた足が大人っぽい。
キャロライナの水着姿には、アフロディーテとは別ベクトルの色気があった。
「ううぅ。男の人に見られるのは、なんだか恥ずかしいッスね」
シエルが選んだ水着は子供っぽい色合いをしたワンピースタイプのものであった。
だがしかし。
小柄な体躯の割に発育の良いシエルが着ると、ところどころ子供っぽくない部分があった。
グハッ! やるなシエル!
ロリ巨乳に着せる子供水着が、こんなにも犯罪的だとは思ってもみなかったぜ!
「ククク。残念じゃったな。魔物使いよ。妾は下賤な人間なぞに肌を見せるような真似はしないのじゃ」
犯罪度ならば負けていないのがユウコである。
どういうわけかユウコはスクール水着を身に着けていた。
胸元には『ゆうこ』という名前が入れられている。
どうして異世界にスクール水着が?
などと色々とツッコミたいところではあるが、これはこれで魅力的なのにで良しとしておこう。
「グヌゥ……。カ、カゼハヤ……」
最後にロスト。
水着を着ることを拒否してきたロストには、命令権を行使して、強制的に水着を着せてやった。
俺がロストに選んだのは、シンプルに可愛いビキニタイプのものであった。
せっかく海に来たのに罰ゲームみたいな真似はしたくない。
そういう理由もあって俺は痴女っぽいネタ水着ではなく、普通に可愛い水着を選んでやることにした。
「貴様は一体……どこまでボクを辱めれば気が済むんだ!?」
ムチムチの体を揺らしながらも抗議するロスト。
ビキニのボトムに少しだけ乗った腹肉が個人的にはポイントが高い!
「いやいや。普段の格好を考えてみろよ? 随分とフツーの水着だと思わないか?」
「うぐっ。た、たしかに」
俺の言葉を受けたロストは、渋々ながらも納得してくれたようである。
「ここは貴様にしてはまともな水着を選んだと褒めてやるところなのだろうか……」
「大丈夫よ。ロストちゃん! 似合っているって!」
「……なんでしょう。ロストさんを見ていると女としての自信なくなっていくのが分かるッス」
冷静に考えると男がビキニ水着を着るのは、凄く異常なことなんだろうけどな。
普段から恥ずかしい格好をさせ過ぎていて、感覚がマヒしているような気はする。
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