異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育成しています ~

柑橘ゆすら

精神操作



 配合作業を終えた後は就寝の時間である。

 アフロディーテの奴は、すっかりケダマロに夢中なので暫くは快適に1人でベッドを使えそうである。

 べ、別に寂しくなんかはないんだぞ?

 寝起きにあの見事な胸を拝めなくなるのは残念だが、広々とベッドを使えると思うと心が躍る。

 暫く睡眠不足の日々が続いていたし健康のことを考えるとこれで良かったのだろう。

 さてさて。
 寝る前に一応ステータスを確認しておこうか。


 カゼハヤ・ソータ

 職業  魔物使い
 レベル 570
 生命力 258
 筋力値 96 
 魔力値 205
 精神力 2963

 加護
 絶対支配 

 スキル
 カプセルボール 鑑定眼 魔物配合 コンタクト 精神操作

 使役 
 アフロディーテ
 キャロライナ・バートン
 シエル・オーテルロッド
 ワーウルフ
 アダマイトゴーレム
 ケダマロ
 ゴブリンナイト ×15
 ライトマッシュ ×6
 キツネビ ×4 
 マッドマッシュ ×2 


 精神操作 等級B アクティブ
(使役中の魔物の精神を乗っ取るスキル)


●取得条件

 レア進化1回以上
 精神力 1000以上


 スキルの項目に新たに《精神操作》という文字が追加されていた。

 ほうほう。
 今回ウルフがレア進化してくれたおかげで、取得条件が達成できたみたいである。

 それにしても精神操作て……。
 随分と物騒なスキルだな。

 スキルを使用中はやはり俺の体は無防備になってしまうだろうか?
 幸いにも今回は宿屋の中だしベッドの中で寝ておけば安全だろうが、戦闘中に使用できるスキルではない気がする。

 俺が精神操作のスキルを選択した次の瞬間。
 新しいウィンドウ画面が表示される。


 システムメッセージ
(対象となる魔物を選んで下さい)


→アフロディーテ
 キャロライナ・バートン
 シエル・オーテルロッド
 ワーウルフ
 アダマイトゴーレム
 ケダマロ
 ゴブリンナイト
 ライトマッシュ
 キツネビ 
 マッドマッシュ


 そこで俺はノータイムでアフロディーテを選択。

 か、勘違いしないでくれ。
 これには別に他意はない。

 たまたま選択肢の1番上にあったのが偶然アフロディーテの名前だったというだけでそれ以上の理由は存在しない。

 アフロディーテの精神に侵入して、あのけしからん胸を触りまくろうとか考えているわけではないからな。断じて。


 システムメッセージ
(その魔物を精神操作するにはステータスが足りません)


 ぐはっ!
 どうやらアフロディーテの精神に侵入するには、俺のステータスが足りていなかったらしい。

 おのれアフロディーテめ!
 どうしてアイツはこう……俺にとって都合の悪いタイミングでだけ有能になるんだよ。

 さてさて。
 どうしたものか。

 考えてみると初めての検証作業なので、ここは無難にモンスターを選択するのが良いのかもしれない。

 そう判断した俺はウィンドウ画面でマッドマッシュの名前を選択することにした。

 相手を発情状態にする『乱れ粉』のスキルを保有するこいつなら……ワンチャン、エロいこと出来るかもしれないからな。

 直接的に精神を乗っ取ることは出来なくても希望は捨てたわけではない!


 ~~~~~~~~~~~~


 次に意識が戻った時……俺の視界に入ったのは何処までも続く草原であった。

 此処は何処だろう。
 先程まで俺はベッドの上に寝転がってスキルの検証作業に励んでいたはずなのだが……。

 って、あれ……。
 やけに周囲の草むらが大きいというか、俺の視線が低くなっているような気がするのだが……。


「ノコッ!?」


 ようやうそこで俺は自身の身に起きた変化に気付く。

 そうか!
 俺の精神は今……マッドマッシュの肉体の中にあるんだ!?

 ということはこの草原はもしかして!?

 どうやら俺は……何時も外側から眺めることしか出来なかったカプセルボールの中に迷い込んでしまったらしい……。


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