異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育成しています ~
禁断の出会い
ここまでのハイライト――。
どうやら俺はキャロライナの『ご主人さま』になったらしい。
「ご主人さま。私にして欲しいことがありましたら、何なりとお申し付け下さい。ご主人さまの命令であれば、私は全てのことを受け入れるつもりです」
上品に腰を曲げ、深々と頭を下げながらもキャロライナは告げる。
「な、何でもいいのか……?」
「当然です。これからは命を救って頂いたご主人さまのために誠心誠意、身を粉にして尽くさせて頂きます」
キャロライナは屈託のない笑みを浮かべて感謝の言葉を口にする。
その様子があまりに可憐だったので、思わず俺はドキドキしてしまう。
というか、よくよく考えれば俺はいま凄く状況にいるんだよな。
誰もが振り返るような銀髪紅眼の美少女メイドとベッドの上に二人きりなんて……。
キャロライナは全体的に細見でスラッとしていながらも出るところは出ているという……男の理想を体現したかのような体をしていた。
やばい。
なんか意識をすると余計にドキドキしてきちまった。
「ソータ! 先にお風呂を借りたわよ!」
一種の神々しさすら感じられる凛とした声音。
声のした方に目をやると、バスローブを身に付けたアフロディーテがそこにいた。
シャワーを浴びたばかりの彼女の姿は何時にも増して色っぽい。
バスタオルの隙間からアフロディーテの豊満な胸がポヨポヨと揺れる。
「……なっ。どうして神の眷属が此処に!?」
アフロディーテの姿を目にしたキャロライナは、明らかに顔色を蒼白にしていた。
「もしかしてキャロには、こいつの正体が分ったりするのか?」
「ええ。神族と魔族は表裏一体。互いに正反対の性質を持った存在ですからね。近くにいると朧気ながらも感覚で分かるのです」
なるほど。
そう言えばアフロディーテの方も、キャロライナの姿を見た瞬間に魔族だと断定していたっけな。
「そうか。バレているのなら仕方ないな。こっちの彼女は、アフロディーテと言って色々と事情があって一緒に冒険をしているんだ」
俺の言葉を聞いたキャロライナは今まで以上に動揺した様子を見せる。
「ア、アフロディーテ!? 天界でも最高ランクの地位に就く神族じゃないですか! 何故オリュンポス十二神の1人が地上に!?」
「…………」
知らなかった。
たしかにゲームとかでよく聞く名前だなと思っていたのだが、こっちの世界でもアフロディーテって有名だったのか……。
「えーっと。これには色々と訳があってだな」
ややこしいことになってしまった。
よくよく考えてみると俺は、本来ならば水と油の存在である神族と魔族を同時に契約しちまったんだよな……。
俺は此処に至るまでの経緯をキャロライナに説明することにした。
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