異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
嵐の夜に
それから2時間後。
無事に王女の屋敷の中に入った悠斗たち一向は、屋敷の探索を続けていた。
「うーん。ダメだ。こっちには魔物の気配が全くなかったぞ」
「こちらも同様だ。ベッドの下から、タンスの裏側まで探ってみたが、手がかりらしいものは何もなかった」
悠斗たちの探索は予想外にも難航していた。
いくら広いとは言っても4人で協力をして、2時間も探索を続ければ屋敷の中の隅々まで調べることができる。
だがしかし。
屋敷の中では、モンスターはおろか、ネズミの1匹すらも見つけることができなかった。
いくら悠斗が優れた戦闘能力を持っていようとも、肝心のモンスターが出現しないのであれば意味がない。
「ラッセンさん。本当にこの屋敷には、魔物が住み着いているんですか?」
「おかしいな。アタシが聞いた話では、たしかに大量の魔物が住み着いているらしいのだが……」
実のところ、ラッセンは今回のクエストに関して詳細な情報を得ていたわけではなかった。
クライアントの中には依頼を断られるリスクを、意図的に情報を伏せる輩も存在していた。
今回のケースもその1つである。
ラッセンが事情に知っていたのは、『屋敷の中にモンスターが住み着いている』ということだけであり、それ以上の情報は何も聞かされていなかったのだ。
「びえっ! びええええええええええ!」
異変が起きたのは、悠斗たち一向が硬直状態に陥り始めていた直後のことであった。
隣の部屋から聞こえてきたのは、何かと特徴のあるスピカの悲鳴である。
仲間のピンチに気付いた悠斗は、風魔法による高速移動技術を駆使して一瞬で隣の部屋に移動する。
「スピカ! 大丈夫か!」
「びえっ。びええええ! ご主人さまぁ……!」
悠斗の存在に気付いたスピカは、脱力した様子で駆け寄ってくる。
「スピカ。何があった?」
「人形がぁ……。人形がぁ……」
「人形……?」
「か、勝手に動き始めたんです! 唐突に!」
少女の人形@レア度 ☆
(何の変哲もない只の人形)
スピカの指さす先にあったのは、10センチくらいの大きさの人形であった。
そのデザインは様々であるが、やけにリアルに作られていることだけは一貫している。
棚の上にところ狭しと並べられた人形たちには、見ているものを不安にさせるような薄気味悪い雰囲気があった。
(うーん。見たところ何の変哲もない只の人形のようだが……)
魔眼 レア度@☆☆☆☆☆☆☆
(森羅万象の本質を見通す力。ただし、他人が所持するレア度が詳細不明の能力に対しては効果を発揮しない)
悠斗の保有する魔眼のスキルは森羅万象の本質を見通すことを可能にするスキルである。
もしもこの人形が勝手に動き出す能力を持っているのだとしたら、ウィンドウ画面に表記されるはずなのだが、今のところそれらしい様子は見られない。
「スピカ君。どうやらこれは何の変哲もない只の人形のようだね。おそらく部屋のインテリアとして飾られていたのだろう」
「そ、そんなはずはありません! 私はたしかに……」
「まあまあ。スピカ君の気持ちも理解できる。なんというか、あまり趣味が良いとは言えない人形だね。恐らくスピカ君は疲れていたのだろう」
スピカがウソを吐いているとは思えないが、かといって、何の能力も持たないこの人形が動き始めるとも思えない。
結局、今回の件は『スピカの見間違い』として結論付けられることになりそうであった。
「さて。誠に残念では、そろそろ日も暮れる。今日のところは切り上げて、探索については明日以降に行うことにしよう」
これ以上、調査を続けたところで有益な情報が出てくるとは思えない。
そう判断をしたラッセンが宣言した直後であった。
ゴロゴロッ!
ゴロゴロッ! ゴロゴロッ!
突如として下手の空気が震える。
何事かと思ってカーテンを開けて、外を見ると夥しい量の雨が降り注いでいた。
ピカリッ!
突如として悠斗の目の前を一筋の光線が通過した。
恐る恐る音のした方に目をやると、庭に植えられた大きな木に雷が直撃して、根本から真っ二つに折れているのが確認できた。
「あー。この感じですと、外に出るのは無理みたいですね……」
悠斗1人ならいざ知らず、女の子たちを連れて雷雨の中を出歩くことは難しい。
「な、なんということだ。つまり我々は、この屋敷の中に閉じ込められてしまったというわけか……」
ラッセンは狼狽えていた。
何故ならば、数々の経験を積んできたラッセンであったが、流石にモンスターの住み着く家で一泊を過ごすのは初めてのことであったのだ。
「びえっ! びえええええっ!」
「クッ……。何か不吉なこと起きなければ良いのだが……」
他の2人も同様である。
突如として屋敷の中に閉じ込められることになり、分かりやすく動揺しているようであった。
だがしかし。
その場にいたもののなかで悠斗だけは、この状況を好意的に捉えていた。
(あれ……? もしかするとこれは稀に見る役得なのでは……?)
悠斗にとっては、モンスターの近くで生活をする不安よりも女の子たちと過ごす喜びの方が上回っていた。
中でも以前から気になっていた先輩冒険者ラッセンとお近づきになれるチャンスは、悠斗にとって最大の魅力として映っていたのである。
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