異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
VS 暗殺者
「――観念するんだな。侵入者」
背後から聞き覚えのある男の声。
振り返って本物の悠斗の姿を確認した時には手遅れである。
「なっ――!?」
慌てて逃げようとするサクラであったが、もがけばもがくほどに手足の自由が利かなくなって行ったのである。
何時の間にかサクラの両手は、粘り気の強い謎の物体によって縛られていた。
(……どうやら上手く行ったみたいだな)
この作戦が成功するかは半分賭けのようなものであった。
そもそもの前提として悠斗の使用する水分身のスキルは、不完全な代物である。
間違っても単体では他人の目を欺けるような代物ではない。
冒険者の服@レア度 ☆
(駆け出しの冒険者が好んで着る服。肌触りが良く動きやすい)
蝙蝠のマント@レア度 ☆☆
(ジャイアントバットの皮をなめして作られたマント。風魔法に対する耐性に優れている)
竜皮の靴@レア度 ☆☆☆☆☆
(竜の皮を鞣して作成したブーツ。火、風耐性に優れている)
そこで悠斗が思いついたのは、普段自分が身に着けている衣服を直接分身に装備させるというものであった。
結果的この判断が正解だった。
本物の衣服を装備させた結果、悠斗の水分身のクオリティは短期間で飛躍的クオリティを上げることに成功したのである。
影縫@レア度 ☆☆☆☆☆☆
(影の中限定で高速移動を可能にする力)
水分身のスキルを使用した後は簡単であった。
悠斗は《影縫》のスキルによって分身の影に身を潜めて、獲物が掛かるのを待っていたのだった。
「クッ……! このネバネバ……。貴方が独自に開発した拘束術ですね……!?」
謎のネバネバによって体をつるし上げられたサクラは驚愕していた。
悠斗の使用したネバネバの液体は、幼い頃からあらゆる拘束具から抜け出す鍛錬を積んできたサクラの技を以てしても抜け出すのが難しいものであった。
(ふふふ……。触手魔法を応用して作った拘束具は効くだろうな……!)
ネバネバの正体は粘度を最大限にまで上げた水魔法である。
この拘束術は、屋敷の女の子たちとソフトSMに興じる時に使用していたものだった。
より抜け出すことが難しく、より女の子の肌を傷つけない、理想の拘束具を追及していくうちに悠斗の《拘束魔法》は、とてつもない性能を発揮するようになっていたのである。
「――土足で家に上がり込んできたからには覚悟はできているんだろうな?」
強気の態度で侵入者の元に詰め寄ろうとする悠斗であったが、そこで1つの重要な問題に気付いてしまう。
「………!?」
今までは戦闘に夢中だったので全く意識していなかった。
よくよく見ると顔を上げた侵入者の女は、切れ長の瞳が美しい黒髪の美少女だったのである。
悠斗は迷っていた。
本来ならば返り討ちにしたいところなのだが、相手が美少女の場合、どうやって対応すれば良いのか分からない。
相手がどんな大罪人であろうとも美少女を傷つけることは、悠斗のポリシーに反することだったのである。
(ま、まさか……この状況は千載一遇のチャンスなのでは!?)
不意に悠斗の頭の中は桃色の妄想が広がっていく。
黒髪の美少女がピチピチとキャットスーツを着ながらも拘束される姿は、端的に言って非常に男心をそそるものだったのである。
(……どちらにせよ情報を引き出すことは必要だよな)
目の前の美少女には『無断で屋敷に忍び込んできた』という明確な落ち度がある。
たぶん、きっと、情報を吐かせるために少しくらい悪戯をしても罰は当たらないだろう。
鼻息を荒くした悠斗がサクラの元に近づこうとした直後だった。
「……汚らわしい目で見ないで下さい! この豚が!」
少女の怒鳴り声が聞こえたかと思うと、悠斗の頬に生暖かい『何か』が付着した。
あまりに唐突なことだったので、その物体がサクラの吐いたツバであることに気付くまでに暫くの時間を要した。
「なっ……。ぶ、豚だと!?」
突如としてツバを吐きかけられた悠斗は愕然としていた
見ず知らずの美少女にツバを吐きかけられたこともそうだが、突然の豚扱いは酷すぎる。
異世界に召喚されてからも定期的なトレーニングに打ち込んできた悠斗の肉体には、余分な肉が一切ない。
過去に女の子に罵詈雑言の嵐を浴びられた経験はあっても、『豚』呼ばわりされるのは初めてのことだったのである。
「……どうせ捕らわれのワタシの姿を見て、汚らわしい妄想に耽っていたのでしょう? この発情豚が!」
図星を突かれた悠斗は押し黙ることしかできなかった。
どうやら目の前の少女は、息を吐くように男に対して罵声を浴びるドS属性持ちらしい。
これまでにも何人か出会ってきたのだが、どちらかというと悠斗はドS属性の女性を苦手としていた。
「……本当に最低最悪の豚野郎ですね。アナタのような変態豚の好きなようにはさせません!」
「…………!?」
何時の間にかサクラの右脚はありえない方向に折れ曲がり、靴底からは鋭利な仕込み刃を覗かせていた。
シァキンッ!
サクラが空中で宙がえりすると、靴底に仕込んだ仕込み刃が彼女をネバネバの液体を切断する。
「おお……!」
その動作があまりにも流麗なものだったので、思わず感嘆の声を漏らしてしまう。
本音を言うと『最後の切札』として残しておきたかったのだが、出し惜しみしていられる余裕はなかった。
サクラの靴底に仕込んだ刃には、致死性の猛毒が塗られており、不意を突けば大抵の人間を仕留められる殺傷能力を秘めていた。
「……殺す!」
サクラは大きく踵を振り上げると、靴底に仕込んでいた毒の刃を悠斗に向かって振り翳す。
ガキンッ!
すかさず悠斗は氷で作った剣でサクラの斬撃を受け止める。
互いに一歩も引かない――激しい鍔迫り合いが繰り広げていたタイミングだった。
「主君! 加勢するぞ!」
聞き覚えのある女性の声が屋敷の廊下に響き渡る。
声のした方に視線を移すと、そこにいたのは雄々しく剣を構えたシルフィアであった。
足手纏いになるかもしれないということは分かっていたが、自分の気持ちを抑えることができなかった。
悠斗が単独で屋敷の中に入ってから既に30分以上の時間が経過している。
戦いが長引いていることを感じ取ったシルフィアは、悠斗の援護にやってきたのだった。
「お、お嬢さま!?」
シルフィアの登場によって、何より驚いていたのは意外にもサクラであった。
果たして『お嬢さま』とは誰を差しての言葉なのだろうか?
事情を知らない悠斗はいまひとつ状況を把握できないでいた。
「サ、サクラ……!? どうしてここに……!?」
侵入者の姿を目の当たりにしたシルフィアも同じように戸惑いの声を漏らしていた。
一体何故?
どうしてシルフィアの知り合いが悠斗に恨みを買うようになっていたのか?
疑問に駆られた悠斗は、ひとまず2人に事情を聞いてみることにした。
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