異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
プランA
燦々と輝く太陽が地面の上を照らしている。
その日の悠斗は、討伐クエストに向かわずに庭の中で魔法の訓練を行うことにした。
「はぁ~。現れよ! 我が分身!」
決め台詞と同時に右手を翳したその直後。
悠斗の掌からはウネウネとした質感の水が放出される。
水属性魔法、ウォーターで作り出した水は、術者のイメージ次第で、質感、色などを操作することが可能だった。
ウネウネとした水の塊は、人の姿に形を変えて、悠斗のイメージに応じて、鮮やかに色づいて行くことになる。
悠斗は肌の質感から、髪の毛の1本1本に至るまで拘りながらも水の人形の着色作業を行うことにした。
魂創造@レア度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(器に魂を込めるスキル)
最後の仕上げに《魂創造》のスキルを使用すれば、試作中の新スキルの完成である。
このところ悠斗は新スキルのバージョンアップに注力していた。
ユウトの化身 脅威LV 5
最終的に完成したのは悠斗の姿をイメージして作られた人形である。
「う~ん。失敗、だな」
完成した分身を目の当たりにした悠斗は深々と溜息を吐く。
戦闘中に自分の分身を作ることができれば何かの役に立つのでは?
そんな思いつきで開発に乗り出した《水分身》のスキルであったが、現状は実用化には程遠い状態だった。
「やはり自分の分身を作るのは難しいのかな……」
いくら自由に着色ができるとは言っても、人間1人の姿をイメージするのは困難を極める。
水魔法によって作られたユウトの化身は、よくよく見ると子供の書いたラクガキのような顔立ちをしていた。
卓越した武術の才能を持った悠斗であったが、『絵心』に関しては一般人のレベルから脱却していない部分があった。
「ふにゅ~。お兄ちゃん! 大変なのです!」
屋敷の中からサーニャの声が聞こえてくる。
ユウトの化身を目撃されると厄介なことになると踏んだ悠斗は、慌ててスキルを解除する。
その気になれば一瞬で普通の水の状態に戻すことができるのは、《水分身》のスキルの大きな利点であった。
「サーニャ。どうしたんだ?」
「とにかく大変なのです! 早く来て欲しいのです! スケルトンさんたちが……! スケルトンさんたちが……!」
サーニャの返事は抽象的でいまひとつ要領を得ない。
だがしかし。
普段はマイペースなサーニャが、異様なまでに取り乱していることから、何やら只事ではない事件が起きているのだということだけは察することができた。
スケルトン 脅威LV16
(これは……!?)
サーニャに導かれるままに場所を移すとそこにあったのは、地面の上に転がっているスケルトン(美少女)たちの姿であった。
進化の湯 レア度@☆☆☆☆☆
(特定の魔物を別形態に進化させる湯)
彼女たちは悠斗の家の庭から噴き出した温泉『進化の湯』によって、受肉を遂げたスケルトンである。
24時間不眠不休で働くことができるスケルトン(美少女)は、屋敷の警備、清掃、栽培している果物の管理、その他、様々な雑用を一手に引き受けている。
今となっては悠斗たちの生活において欠かせない存在となっていた。
「……背後から手刀で一突きか。かなりの手練れだな」
スケルトン(美少女)たちの首筋には、微かな打撃痕が残されていた。
屋敷の中に忍び込んだ刺客は、相当な戦闘訓練を積んでいることが推測できる。
命を奪うリスクを極限まで抑えながらも、キッチリと意識だけを落とす技術には、ある種の芸術的な美しさが備わっていた。
「サーニャ。残ったモンスターを集めておいてくれ。プランAを発動するぞ」
「了解、なのです!」
サーニャが指笛を鳴らしたその直後。
何処からともなく現れた巨大な生物が悠斗の前に大きな影を作っていく。
ブレアドラゴン 脅威LV32 状態 (テイミング)
頭の上から尻尾の先まで加えれば優に8メートルを超えるだろう。
大きく翼をはためかせているこのドラゴンは、サーニャにとっては長年連れ添った相棒であった。
懐柔@レア度 ☆☆☆☆☆☆
(魔物と心を通わし、使い魔にすることを可能にする力。懐柔に成功した魔物は『状態 (テイミング)』と表示される)
魔物を使役する《懐柔》のスキルホルダーであるサーニャは、自由自在にドラゴンを操ることできるのである。
「レアちゃん! 行きますよ~!」
サーニャが命令を下したその直後。
ブレアドラゴンは一気に巨大な咢を広げ始める。
「ズギャアアアアアアアアアアアアァァァズ!」
刹那、爆弾が落ちたかのような音が屋敷の中に響き渡る。
この咆哮が合図となった。
それから1分としないうちに、屋敷の中の女の子たちがゾロゾロと悠斗たちの前に現れる。
「びえええ! 緊急事態です!」
「主君! 何事かっ!?」
「おっ。なんだなんだ」
悠斗が指示したプランAとは、ブレアドラゴンの咆哮により、屋敷で生活をする女の子たちに避難させる作戦であった。
この作戦によって悠斗は、1対1で刺客を打ち倒そうと考えたのである。
(……さぁ。覚悟しておけよ。不届きものめ)
何時かはこんな日がくるような気がしていた。
単純に金銭目当ての小悪党なのか?
はたまた悠斗に対して個人的な恨みを抱いている者なのか?
冒険者として大金を稼ぎ、美少女たちを侍らせる悠斗のライフスタイルは、必然的に周囲の恨みを買いやすいのである。
これまで悠斗が屋敷の警備に力を入れてきたのは、全て今日のような日に備えてのことなのであった。
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