異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
初めての手続き
それから2時間後。
悠斗は気配を悟られないようスピカの後をつけて冒険者ギルドを訪れていた。
消臭の実@レア度 ☆☆
(自分と周囲にいる者の体臭を消す。効果時間は1時間)
鼻の利くスピカに気配を悟られないように《消臭の実》を使用するのも忘れない。
ライカンの中でも特に嗅覚に優れたスピカは半径50メートル近い距離まで生物の匂いを嗅ぎ分けることができるのである。
『私、冒険者になりたいんです! ご主人さまが修業している最中、どうか自由に外出する許可を頂けませんか?』
その日、決意の炎が灯った眼差しでスピカは言った。
スピカの放った予想外の一言は、悠斗をたじろがせるのに十分はインパクトを秘めていた。
『えーっと。冒険者って何時も俺と一緒に行動しているやつじゃダメなのか?』
『違うんです! そういうのではないのです! 私、1人の冒険者として自立した力を身に着けたいんです』
普通に考えればスピカの提案は到底、聞き入られるものではなかった。
奴隷とは主人の所有物であり、一部の例外を除いて自由な行動は認められない。
『分かった。許可するよ』
だがしかし。
悩んだ挙句に悠斗はスピカの願いを受けれることにした。
何故ならば――。
これまでスピカは奴隷として何も不満を零すことなく自分を慕ってくれていた。
出会ってから今日に至るまでスピカが『ワガママ』を言うことは、一度だってなかったのである。
だからこそ悠斗は可能な限りで決断を尊重したいと考えたのであった。
(……クソッ! なんだって俺はこんなにコソコソとしているんだよ!?)
もしかしたら自分の娘を嫁に出す父親はこんな心境に浸っているのだろうか?
柱の影に隠れてスピカを見守る悠斗は、正体不明の感情に駆られて憤っていた。
「おや。貴方はたしか……?」
エミリア・ガートネット
種族:ヒューマ
職業:ギルド職員
固有能力:破壊神の怪腕
破壊神の怪腕@レア度 ☆☆☆☆☆☆☆
(左手で触れた物体の魔力を問答無用で打ち消すスキル)
スピカの存在に気付いたエミリアは不思議そうに首を傾げる。
「どうなさいましたか。今日はユートさんと一緒ではないんですね」
「ご、ご主人さまが何時もお世話になっています! スピカ・ブルーネルです。私、冒険者になりたいんです!」
スピカの言わんとすることを察したエミリアは仕事用の笑顔を作る。
「……ちなみにそれはユートさんも知ってのことですか?」
「もちろんです。ご主人さまにはキチンと許可をもらっています!」
「了解しました。お客様の相談にお乗り致します。当施設の利用には冒険者カードの発行が必用になっております。カードの登録には300リアの費用がかかりますが問題ありませんか?」
「はい。大丈夫です」
スピカはスカートのポケットの中から麻袋を取り出すと、銅貨を3枚受付カウンターの上に置く。
登録費の300リアを始めとした冒険者としての活動資金は、悠斗が事前に渡していたものであった。
「それではこちらの用紙に必定事項の記入をお願いできますか?」
「あの、私、文字を書くのはあまり……」
「いえいえ。大丈夫ですよ。そういうお客様も多いですから。それでは代わりに私が記入しておきますね」
「も、申し訳ありません……」
物心ついた時から宿屋の女中としての仕事に励んでいたスピカは文字を読んだり、書いたりすることが苦手だった。
もっともそれは現代日本と比べて識字率の低いエクスペインで暮らす人間たちの中では珍しいことではない。
だがしかし。
想定外のところで出鼻を挫かれることになったスピカは、必要以上に気分を落ち込ませていた。
「登録の手続きが完了しました。こちらがスピカさんのギルドカードになります」
「これが……私の……!?」
スピカ・ブルーネル
QR1
QP(0/10)
ゴールドランクでも、シルバーランクでも、ブロンズランクでもない、至って普通の白色のカードにはそんな言葉が書かれていた。
「こちらは初めてギルドに登録した方に差し上げることになっている《初心者支援セット》になります。よろしければ自由にお使い下さい」
「はいっ。ありがとうございます」
「後の手続きはこちらで進めておきます。スピカさんの旅が予良きものであるよう、お祈り申し上げます」
どうやらこれで冒険に必要な手続きは全て整ったらしい。
エミリアから《初心者支援セット》を受け取ったスピカは、深々とお辞儀をしてから受付カウンターを後にする。
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