異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
出現! 偽悠斗!(前編)
翌日。
朝早く起きた悠斗は、さっそくオーガ討伐クエストのリベンジを果たすべく冒険者ギルドを訪れていた。
「えっ。中止ですか!?」
「……はい。申し訳ございません。先日の調査により持ち帰った情報を精査したところ、今回のクエストはゴールドランク以上の方でなければ討伐は難しいと判断させて頂きました。
現在この街で手の空いているゴールドランクの方はおりませんから、ギルドとしては《岩山の洞窟》のクエストを停止しようと考えております」
「…………」
残念ではあるが、納得の感情が先にきた。
どう楽観的に考えても、《岩山の洞窟》のオーガたちを6人の冒険者で駆逐するのは厳しそうであった。
特に最後に姿を見せた『ゴールデンオーガ』については別格である。
悠斗は推測する。
その実力は史上最悪のネームドモンスターと謳われた《不死王タナトス》すら軽々と凌駕しそうであった。
(……参ったな。いきなり暇になっちまったぞ)
本日はラッセン&ルナと一緒にギルドに集まってオーガ退治を続行するつもりだったのだが、完全に予定が狂ってしまった。
手持無沙汰になった悠斗が頭を悩ませながらもギルドの外に出た直後であった。
「探しましたよ! ユートさん!」
エナ・マスカルディ
種族:ヒューマ
職業:ウェイトレス
固有能力:なし
何処か見覚えのある人物に声をかけられる。
「えーっと……。キミはたしか……!」
普段は店の制服を着ているので気付くのが遅れてしまった。
そこにいたのは、悠斗が時折利用していた小料理屋の看板娘である。
少し垢抜けない顔立ちが魅力的なエナは、悠斗が密かに気にかけている人物であった。
「どうしたの? エナちゃん」
「うぅぅ……。昨日のこと、忘れたとは言わせませんよ! 私の体、散々モテ遊んだ癖に!」
「はい……?」
身に覚えのない非難を浴びせられた悠斗は、ポカンと口を半開きにしていた。
「私、信じていたんですよ……? ユートさんになら私の初めて、渡してもいいなって思っていたのに……」
「ちょっと待ってくれよ。何を言っているのか分からないよ!?」
「とぼけないで下さい! ユートさんはいきなり私の体を抱きしめて、お尻を触ってきたじゃないですか!」
「…………」
事情は分からないが、『可愛い女の子には優しく、そうでない女子はまあそれなりに扱うこと』というのが幼少期の頃より、近衛流の師範である祖父から教えられてきた言葉である。
悠斗にとって現在の状況は看過できないものであった。
「私のこと……遊びだったんですね?」
「そ、そんなこと……」
「なら、私のお尻を触った責任、取ってくれますよね……?」
「…………」
怒涛の追及に思わず口をつぐんでしまう。
悠斗は自他共に認める女好きである。
それは疑いようのない事実であった。
だがしかし。
悠斗はこういう女性の生々しい部分に関しては大の苦手だった。
逆に言うと、こういう修羅場を回避したいからこそ、今日まで不特定多数の女の子と一線を越える行為を我慢できたとも言える。
一体何がどうなっているのだろうか?
悠斗は狐につままれたような気分に陥っていた。
「ククク。見~つ~け~た~ぞ~!」
アドルフ・ルドルフ
種族:ヒューマ
職業:商人
固有能力:鑑定
鑑定@レア度 ☆
(装備やアイテムのレア度を見極めるスキル。魔眼とは下位互換の関係にある)
聞き覚えのある声に連れられて視線を移すと、そこにいたのは意外な人物であった。
ギルド公認雑貨店の主人であるアドルフ・ルドルフは、悠斗にとっては付き合いの長い知人である。
少々ボディタッチが激しいのが玉に瑕であるが、面倒見の良いアドルフには様々な場面で助けられたことがあった。
「ア、アドルフさん!? どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたもあるかっ!」
普段温厚な人間ほど怒ると怖いのだろう。
アドルフの怒りの表情は、悠斗すら圧倒させるものであった。
「オレはよ。兄ちゃんのことを高く買っていたんだぜ? 悲しいぜ! まさか兄ちゃんに店の商品を盗まれる日が来るとはよっ!」
「待ってください! 俺は何も盗んだ覚えがありませんよ!」
「しらばっくれるんじゃねぇ! 許さんぞ! こちとら証拠は挙がっているんだ!」
「…………」
これ以上は何か弁明しても無駄だろう。
事情は分からないが、アドルフは悠斗が犯人であると確信しているようであった。
「ククク……。許さんぞ! 盗んだ分の代金は……キッチリ兄ちゃんのケツ穴で払ってもらうからな!」
「ひぃっ!」
童貞を卒業する前に違う童貞を卒業するわけにはいかない。
身の危険を感じた悠斗は全速力で逃げ出した。
「待ちやがれ!」
「待ってください!」
エナ&アドルフは悠斗の後を追う。
2人の形相に萎縮されてしまった悠斗は、完全に撒くことが出来ないでいた。
「あ! 見つけたぞ! コノエ・ユートだ!」
「ウチの家宝の刀を返して下さい!」
「テメェッ! よくもオレの娘を泣かせてくれたなっ!」
どうやら悠斗に対して恨みを持っていたのは2人だけではなかったらしい。
騒ぎを聞きつけた人間たちは次々と悠斗の後ろに列を作り、痴話喧嘩から始まった事件は気が付くと大騒動となっていた。
「いい加減にしてくれよ! 神に誓ってもいい! 俺は女の子を泣かせるようなことも、他人のものを盗むようなこともしてねえよ!」
もちろん悠斗は走りながらも必死に無実を主張していた。
しかし、脇目も振らずに追ってくる人間たちの耳には届くよしもなかった。
「あ! ラッセンさん! ちょうど良いところに!」
渡りに船とはこのことだろう。
エクスペインの街を一周して冒険者ギルドに戻ってくると、頼れる先輩冒険者の姿を発見することができた。
「聞いて下さい! ラッセンさん! 街の人たちの様子がおかしいんです! どういうわけか俺のことを悪者扱いするんですよ!?」
「…………」
助けを求める悠斗であったが、ラッセンの表情は晴れなかった。
(おいおい。まさかラッセンさんまで……!?)
悠斗が嫌な予感を覚えた直後であった。
ペシンッ!
ラッセンのビンタが悠斗の頬に炸裂する。
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