異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
VS オーガ
今回説明を受けたオーガに関する情報は、シルバーランク以上の冒険者にしか伝えることができないトップシークレットである。
そういう事情もあって悠斗は、スピカ・シルフィアに対して事情を説明して自宅で待機してもらうことにした。
「私、今でも信じられません。まさかこの3人でパーティーを組むことがあるなんて……」
「ふふふ。アタシは、何時かこういう日も来るんじゃないかと思っていたぞ」
こうやってスピカ・シルフィア以外の女性たちとパーティーを組むのは、悠斗にとって新鮮なものであった。
普段と違う美少女たちとの冒険は、楽しみな面もあるが、不便な点もある。
能力略奪の能力に関しては、可能な限り周囲に情報を漏らしたくはない。
いかに能力を使わずにオーガを盗伐することが出来るかは、今回のクエストにおける悠斗にとっての大きな課題であった。
「……お二人とも。お手柔らかにお願いします」
差し当たって今回の遠征の目標は、オーガの討伐数でギリィを上回るということである。
最低限ギリィに勝つことが出来れば、エミリアが妙な難癖をつけられることもないだろう。
「あ。さっそくこの奥に1体いるみたいですよ」
オーガ 脅威LV27
ルナに言われて洞窟の奥に進んでみると、体長3メートルほどの人型のモンスターがそこにいた。
頭からツノを生やしたその魔物は、フィクションの世界で見るような《鬼》に近い風貌をしている。
肌の色は赤黒く、人間と比べると異様に長い腕を持っていた。
敵の数は1体。
数は少ないが、魔物の中でも取り分け大きな体を持ったオーガは迫力十分であった。
「凄いな。どうして分かったんだ?」
「私たちケットシーは耳が良いのです。特に洞窟の中は、音が響きやすいので特定はしやすいですね」
「……なるほど」
つまりはスピカの嗅覚レーダーの聴覚バージョンというわけなのだろう。
これは意外な収穫であった。
索敵のできる仲間が1人いるかどうかで、探索の効率というのは大きく変わってくる。
悠斗が欠かさずスピカを連れて冒険に出かけるのも高い索敵能力を買ってのことであった。
「どうします? 敵はまだ俺たちの方に気付いていないみたいですけど」
「ふふふ。こういう時はアタシに任せて欲しい。遠距離からの攻撃であればユートくんよりアタシの方に分があるだろう」
神秘の火銃@レア度 ☆☆☆☆☆
(大気中の魔力を吸収して火属性の魔法を射出する武器)
ラッセンはそう告げると、右腿に装着したホルスターの中からピストルを取り出した。
正確無比な射撃により《神秘の火銃》から放たれた火炎球はオーガの眼に直撃する。
「グギャアアアアアアァァァ!」
攻撃を受けていることに気付いたオーガは、身の毛のよだつような咆哮を上げる。
「ダメです! 凄い硬さです! 瞼で弾丸を弾かれました!」
「ふふ。ならばこれならどうだ!」
魔境の氷銃@レア度 ☆☆☆☆☆
(大気中の魔力を吸収して氷属性の魔法を射出する武器)
次にラッセンが取り出したのは、左腿のホルスターの中に入っていた《魔境の氷銃》という武器であった。
目にも止まらないクイックドロウ。
眼球に次々と炎と氷の弾丸を当てられたオーガは、両目の機能を停止させられることになる。
「グギャアアアアアアァァァ!」
「……チッ。タフなモンスターだな」
だがしかし。
両眼を破壊された程度ではオーガの戦意は喪失しない。
オーガは視力を失いながらも敵の気配を敏感に探知して、悠斗たちの方向に向かって突進してくる。
「……これで終わりです」
半月の魔刀@レア度 ☆☆☆☆☆
(三日月のように刀身の反り返った刀。込められた魔力によって切れ味が強化されている)
ルナは自身の愛刀である《半月の魔刀》を鞘から抜くと、素早い身のこなしでオーガの体を背後から斬りつけていく。
隠密@レア度 ☆☆☆
(自らの気配を遮断するスキル)
視力を失ったオーガでは、《隠密》のスキルを保有するルナを捉えることは出来なかった。
両手両足の腱を切断されたオーガは、粉塵を巻き上げながらも地に臥せることになる。
「やるではないか。ルナくん。どうやらまた腕を上げたようだな」
「ラッセン先輩こそ。二丁拳銃なんて聞いていませんよ!」
もともと冒険者としてストイックに鍛錬をしていた2人であったが、悠斗の登場によって、その傾向は一層に顕著なものになっていた。
後から冒険者になった悠斗の躍進は、2人の実力を少なからず引き上げていたのである。
「2人とも! 後ろです!」
「なにっ……!?」
「えっ……」
悠斗が叫んだその直後。
ラッセン&ルナにとって予想外のことが起こった。
完全に仕留めた手応えがあったにもかかわらず――。
どういうわけか2人に襲い掛かってきたのである。
(……ウィンドボム!)
普通に攻撃をしても、オーガの攻撃までに間に合わないかもしれない。
そう判断した悠斗は以前に開発した風魔法による高速移動技術、《飆脚》を使用することにした。
地面を強く蹴るのと同時に足の裏からウィンドボムを発生させるこの技は、風魔法を利用することにより、人間の限界を超えた加速を可能にしている。
「ふぎゃぉっ!」
バリバリと頭蓋骨の砕ける音が洞窟の中に鳴り響く。
オーガの巨体は宙を舞い、そのまま意識を途絶えさせることになった。
悠斗はそこでステータスを確認。
近衛悠斗
固有能力: 能力略奪 隷属契約 魔眼 透過 警鐘 成長促進 魔力精製 魂創造 魔力圧縮
魔法 : 火魔法 LV4(12/40) 水魔法 LV6(10/60)
風魔法 LV5(4/50) 聖魔法 LV6(37/60)
呪魔法 LV6(6/60)
特性 : 火耐性 LV3(24/30) 水耐性 LV3(0/30)
風耐性 LV4(6/40)
火耐性のスキルの項目が上がっていた。
どうやらオーガから獲得できるスキルは火耐性+5であるらしい。
「やれやれ。これでまたキミに対して借りが出来てしまったな」
「今のは風魔法でしょうか? 凄すぎます! あまりに速過ぎて、何が起こっているのか全く分かりませんでした!」
悠斗の早技を目の当たりにした2人は、それぞれ目を丸くして驚いているようであった。
「それにしても、先程のオーガは何だったのでしょうか。たしかに急所は突いたはずだったのですが……」
「原因が分かったぞ。こいつを見てくれ」
ラッセンはそこで剥ぎ取ったオーガの角をルナに向かって投げ渡す。
オーガの角@レア度 ☆☆☆
(多量の魔力が詰まった角。様々なアイテムの調合素材として利用されている)
「こ、これは……!」
角を受け取ったルナは絶句した。
何故ならば――。
今回入手したオーガの角は、通常のものと比較をすると2倍近い重量だったからである。
「オーガ系のモンスターの角のサイズは、その戦闘力に比例して大きく成長していくとされている。どうやらこの洞窟のオーガは、極めて戦闘能力が高いようだな」
「そんな……!? 一体どうして……!?」
「さぁ。詳しいことは現時点では何も言えないな。とにかく奥に進んでみよう。そうしたら何か分かることがあるかもしれん」
ラッセンンの一言により3人は洞窟の奥に歩みを進める。
(なんだろう。この違和感……? アタシの勘が正しければ何か……何かとてつもなく悪いことが起こる前触れではないだろうか……)
3人の中で冒険者としてのキャリアが最も長いラッセンは、心の中でそんなことを思うのであった。
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