異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
予選開始
冒険者ギルドで大会の登録を済ませた悠斗は、さっそく闘技場にまで足を運んでいた。
「おおー。この街にこんな施設があったんだなー」
その外観はなんとなく古代ローマのコロッセオを彷彿とさせる。
闘技場の中にはA会場とB会場があり、参加者は総勢250人を上回っているという。
「コノエ・ユートさん。Fブロックの予選がまもなく開始されます。中に入って準備をしていて下さい」
受付の女性が名前を呼んだ。
悠斗は静かに席を立って、指定されたA会場に向かう。
「おい。聞いたか? あいつが例の……」
「知っている。こっちは作戦通りにいくぞ」
「へへっ。悔しがるアイツの顔が今から楽しみだぜ」
悠斗がA会場に到着した頃には、既に予選に出場する残りの15人の参加者たちが準備を始めていた。
彼らはそれぞれ悠斗に対して敵意を剥き出しにした眼差しを向けていた。
(なるほど。狙われているな。しかし、一体どうして……。どこかでも恨みを買ったのかな?)
悠斗としてはこれまで極力、目立たないように行動してきたつもりなのだが――。
予選参加者たちは完全に結託した雰囲気を見せていた。
「あの野郎……ラッセン様と親しくしやがって」
「くぅ~。あのエロい体を独占しているかと思うと殺意がこみ上げてきたぜ」
「それより許せねぇのは我らが大天使! ルナちゃんと仲良くしていることだ!」
「まったくだ……。ルナちゃんは我々エクスペインの冒険者にとっては希望の星なのだ……。ああ。ルナちゃんをオレの娘にしたい……」
男たちの密談に聞き耳を立てた悠斗は、そこで自ら置かれた状況について理解することになる。
目的を同じくして一致団結した人間ほど怖いものはない。
参加者たちの個々の能力はさほど高くないようだが、警戒しておくにこしたことはないだろう。
「はぁ? ルナ? あんなチンチクリンのどこがいいんだよ? お前たち……頭湧いているんじゃねーのか?」
「お前こそあんな……尻デカお化けの何処がいいんだよ!? ルナちゃんのちっぱいこそ至高だろうが……!」
「なんだと……。今直ぐに取り消せ!」
「お前こそ! 今直ぐ取り消すのだ!」
「ああん?」
「おおん?」
前言撤回。
ラッセン派とルナ派の冒険者たちはそれぞれ犬猿の仲であるらしい。
本人たちの仲は良好なのにファンたちが険悪なパターンであった。
「それではこれよりFブロックの予選を開始します。試合……開始!」
ベルの音と共に決戦の火蓋は切られた。
次の瞬間。
悠斗が取った予想外の行動に周囲にいた人間たちは度肝を抜くことになる。
「「「なっ」」」
何を思ったのか悠斗は、会場のコーナーにまでゆっくりと1人で歩いていったからである。
この試合の勝利条件は2つ。
それ即ち――相手の背中を地面につけさせるか、相手の体をリングの外に追い出すかである。
「よく分からねぇが……チャンスみたいだな……」
「ああ……! 一斉飛びかかって場外に押し出してやろう」
事前に停戦協定を結んでいた15人の男たちは、悠斗のことを隅に追いやるようにして取り囲む。
「へへっ。悪く思うなよ。コノエ・ユートは俺が仕留める!」
自身の勝利を確信した男は悠斗を場外に押し出すために突進する。
「なっ」
だがしかし。
確実に有利な状況であったにも拘わらず――。
どういうわけか場外にいたのは突撃していった男の方であった。
参加者の男たちは何が起きたのか全く目で追うことが出来ず、シンと水を打ったように静まり返っていた。
「お前ら……抜け駆けなんてバカな真似を考えるんじゃねぇぞ。こいつは全員で力を合わせないとまずい」
「……そうみたいだな」
目の前の相手との圧倒的な実力差を悟った参加者たちは、体勢を整えて、悠斗の周囲を包囲する。
「ここは3・2・1のタイミングで一斉に飛びこむことにしよう」
「「「了解」」」
相手がどんな達人であっても数の暴力には敵うまい。
先程の男が敗れたのは無謀にも1人で突撃していったからだろう。
この時、予選参加者たちはそんな風に考えていた。
「いくぞ! 3・2・1!」
攻撃開始の合図と共に男たちは、リングの隅にいる悠斗に向かって同時に突撃する。
「え?」
「はい?」
「なんで?」
だがしかし。
14人の一斉攻撃にも拘わらず、最後までリングの上に残っていたのは悠斗の方であった。
訳が分からないまま敗北を喫した他の男たちは、ポカンと口を半開きにしていた。
うっちゃり。
それこそが悠斗が使用した技の正体である。
全ての格闘技の長所を相乗させることをコンセプトとした《近衛流體術》を習得した悠斗は、《相撲》の技術にも精通していた。
幼くして角界入りを有望視されていた悠斗が最も得意としていたのは、この『うっちゃり』という決まり手であった。
土俵ぎわで腰を落としバネをきかせながら、相手の体を左右いずれかに振り捨てるこの技は、小兵の力士が大型力士に対抗しうる逆転の一手として知られていた。
悠斗はあえて自分からフィールドの隅に立つことで、最高効率で他の参加者たちを場外に追いやることに成功したのである。
(相撲はなぁ……。裸の男との密着がなければもう少し続けたかったんだけど……)
競技としては奥深く、気に入っていたのだが――。
汗まみれの男との密着だけが、どうしても耐えることが出来なかった。
今にして考えるともう少しだけ続けても良かったかもしれない。
悠斗は相撲に関してはある程度の技術を吸収した後、スッパリと辞めてしまったのである。
(そうか! 良いこと閃いた! 男がダメなら女の子たちと相撲を取ればいいんだ!)
流石に本物のまわしは用意できないだろうが、フンドシを履かせて恥じらうスピカ&シルフィアと相撲を取るのは、さぞかし楽しいに違いない。
名案を閃いた悠斗は、家に帰った後にさっそく詳細な計画を練ることにした。
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コメント
ばけねこ
妙案ですねわかります