異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
人の女に手を出すやつは人間のクズ
「インプか。こいつらが現れるってことは白虎の野郎も直ぐ近くだな」
「注意して下さい。体が小さくても相手は魔族の血を引いているモンスターです。舐めてかかると痛い目にあいますよ」
魔族との戦いに慣れた2人はインプの出現に対しても落ち着き払った様子であった。
インプというモンスターには魔族の下に付いて仕事をする『使い魔』としての役割を担っていることが多い。
中には知性を持って下級魔族として認定される個体も存在しているのだが――。
その多くはモンスターと魔族の中間として位置付けられていた。
「ソフィ。ここはオレに任せてくれ」
ミカエルは杖を構えて前に立つと、悠斗たちの周囲に無数の氷弾を出現させる。
水属性魔法――《イージス》は世界で唯一人ミカエルだけしか使用することの出来ないオリジナルである。
イージスで展開される氷弾は、1つ1つが高度な制御魔法によってコントロールされており――。
ミカエルが敵と認識した存在に対して自動で飛んでいく性質があった。
「「「ピギャッ!」」」
インプたちの断末魔が洞窟の中に木霊する。
数の有利を活かして次々に突撃するインプたちであったが、ミカエルのイージスを攻略することが出来ずに玉砕されていくことになる。
「凄いです……! これほどまでに高度な魔法は見たことがありません……」
「流石は世界最強の魔術師と呼ばれるだけのことはある。氷弾の1つ1つがまるで自分の意志を持っているかのように動いているぞ……!?」
初めてミカエルの魔法を目の当りにしたスピカ&シルフィアは驚きの声を上げていた。
「お怪我はありませんか? 美しいレディたち」
インプたちとの戦闘が終わったことを確信したミカエルは、ニィと白い歯を浮かべてスピカ&シルフィアの前に立つ。
「それにしても驚きましたよ。貴方たちのような可憐なレディをコノエのような野蛮な男のものにしておくのは勿体ない」
「えっ。えっえっ!?」
混乱したスピカは動揺で上擦った声を漏らしていた。
悠斗以外の男に口説かれた経験のないスピカにとってミカエルの言葉は、理解したがいものであった。
「…………」
一方で瞬時に相手の下心を見抜いたシルフィアは、冷めた視線を送っていた。
幼少時には貴族のパーティーに出席することも多かったシルフィアは、軽薄な男から口説かれた経験も多かったのである。
「すまないが、他を当たってはくれまいか? 我々は既に身も心も主君に捧げると誓った身。他の男に心変わりすることなど絶対にありえないのだ」
「そ、その通りです! 他を当たって下さい! 私たちの全てはご主人さまのものなんです! 他の男の人に付いて行くことなんて考えられません!」
見事なまでに誘いを拒絶されたが、ミカエルの笑顔が崩れることはなかった。
ここまでは計算通り。
一途で献身的に尽くしてくれる女性でなければ狩り甲斐がない。
レジェンドブラッド一の色男を自称するミカエルは、女性を口説き落とすまでの過程を何より楽しもうとするタイプであった。
「いやいや。そんな堅いことを言わずに。絶対に後悔はさせませんから。コノエのいないところでキミたちのことをよく知りた……」
「…………」
生命の危機を感じたミカエルは、それ以上の言葉を紡ぐことが出来なかった。
殺気のした方に目をやると、無言の圧力を放つ悠斗の姿がそこにあった。
「ミカエル。1つだけ忠告しておく」
ミカエルの肩にポンと手を置きながらも悠斗は告げる。
「……例外はない。人の女に手を出す奴は人間のクズだ。悪いが俺はクズ相手には容赦しねぇ」
悠斗の言葉の端々からは有無を言わさないプレッシャーが含まれていた。
「……わ、悪かったよ。ほほほ、ほんの冗談のつもりだったんだよ。だ、だからほら、そんなに怒るなって」
ここで開き直りでもしたら――殺される。
そう判断したミカエルは恐怖で声を震わせながらも謝罪の言葉を口にする。
「……しまっ」
インプの残党がパーティーの最後尾にいるソフィアを襲ったのはそんな時であった。
ミカエルのイージスは攻防一体の優れた性質である反面、常に万全の集中力でいなければ発動しないという欠点があった。
故に悠斗の殺気に気圧された状態では、ソフィアを守ることが出来なかったのである。
だがしかし。
これまで数々の魔族と戦ってきた悠斗にとってはインプのスピードは、ハエが止まるかのようなレベルであった。
「おっと」
悠斗は小さな槍を持って突撃してくるインプをデコピンで弾く。
「ピギャァッ!」
その気になれば大木すら薙ぎ倒すことを可能にしている悠斗のデコピンを受けたインプは、そのまま直線上に吹っ飛んでいくことになり――。
洞窟の岩壁に体をめり込ませて瞬時に絶命することになる。
悠斗はそこでステータス画面を確認。
近衛悠斗
固有能力: 能力略奪 隷属契約 魔眼 透過 警鐘 成長促進 魔力精製 魂創造 魔力圧縮
魔法 : 火魔法 LV4(12/40)
水魔法 LV6(10/60)
風魔法 LV5(4/50)
聖魔法 LV6(37/50)
呪魔法 LV6(6/60)
特性 : 火耐性 LV3(19/30)
水耐性 LV3(0/30)
風耐性 LV4(6/40)
どうやらインプを倒して獲得できるスキルは呪魔法プラス3であるらしい。
対象の性的感度を増幅させるルードの魔法は、悠斗にとっては既になくてはならない存在である。
予想外な場面で呪魔法の経験値を獲得できたことは悠斗にとっては嬉しい収穫であった。
「信じられません。まさかインプを指1本で仕留めてしまうだなんて……」
その小さな外見から侮られがちではあるが、インプというモンスターは決して楽に倒せる種類のものではない。
駆け出しの冒険者パーティーがたった1匹のインプに勝てずに半壊するなどという話はザラに聞くものである。
「怪我はありませんか? ソフィさん」
キリッとした凛々しい顔つきで悠斗は尋ねる。
「はい。流石はユウトさんです。どこぞのポンコツラーメンとは違います」
「それは良かった。ところでどうでしょう。この戦いが終わった後は互いに親睦を深めるために2人で食事にでも……」
「ちょっと待ったあああぁぁぁぁぁ!」
自然にソフィアを口説こうとする悠斗の言葉を遮ったのはミカエルである。
「おい! テメェ! こらっ! 人の女に手を出すやつは人間のクズじゃなかったのかよ!? 言っていることが矛盾しているぞ!?」
正確に言うとミカエルとソフィアは恋人関係にあるわけではない。
だがしかし。
本人は決して認めようとしないところではあるが――。
実のところミカエルはソフィに対し、淡い恋心を抱いていたのである。
「ん? まぁでも、それはそれ、これはこれだろ?」
それがたとえ他人の女だろうと関係ない。
俺のものは俺のもの。
他人のものは俺のもの。
悠斗の中では『自分の女に手を出されて怒ること』と『他人の女に手を出すこと』は全く矛盾していなかった。
「ク、クレイジー。本当にお前の頭の中はどうなっているんだ……?」
全く悪びれる素振りを見せずに謎理論を展開する悠斗を前にしたミカエルは、思わず呆気に取られるのであった。
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アン・コ・ロモチ
ジャイアン現る…⁈