異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
ほのぼの異世界ライフ
とある晴れた日の午後。
ごくごく普通の高校生、近衛悠斗は異世界で、購入した自宅でまったりと寛いでいた。
「スピカー」
「はい。何でしょうか」
「暇だなぁ」
「そうですねぇ」
「今日は天気が良いなぁ」
「お日様が気持ち良いですねぇ」
頭から犬耳を生やした美少女、スピカ・ブルーネルは主人の言葉に返事をする。
故あって悠斗は、この少女のことを奴隷として家に迎え入れていた。
今現在。
悠斗はスピカの膝の上に頭を乗せて、屋敷の縁側で呑気に日向ぼっこを楽しんでいる最中である。
何時も通りであれば、この時間は冒険者としての仕事をこなすために遠征に出ているのだが――。
ここのところ悠斗は外出を控えていた。
何故ならば――。
悠斗は先日のダンジョン攻略の報酬としてギルドから2000万リアもの大金を手にしていたからである。
悠斗が召喚された異世界で言う2000万リアと言うと、現代日本の貨幣価値に換算すると約2億円の価値があった。
つまりは当面の期間は、働かなくても食べていくものには困らない。
そういう事情もあって、悠斗の中の労働意欲はここのところ低下の一途を辿っていたのである。
「アハハ! お兄ちゃんってば赤ちゃんみたい、なのです」
悠斗がスピカの膝枕を楽しんでいると、偶然に通りがかったケットシーの少女、サーニャ・フォレスティが無邪気な笑みを浮かべる。
「コラッ! サーニャ! お前はオレたちの主人になんてことを言うんだ!」
「……はうっ!」
妹の無礼な言葉を聞きつけたケットシーの少女、リリナ・フォレスティはサーニャの頭にチョップを食らわせる。
「ご、ごめんな。ユート。サーニャには後でオレの方から言っておくから」
「……いや。別に気にしないでいいよ」
(たしかにここ数日の俺は、全く働いていないわけだからな)
自宅で自堕落的な生活を送っている悠斗とは違って、フォレスティ姉妹は仕事で忙しそうな様子であった。
リリナは主に屋敷の家事全般、サーニャは主に警備・雑務を担当する魔物たちの管理の仕事ををそれぞれ務めている。
「なあ。スピカ。そう言えばシルフィアの奴は何処にいるんだ?」
「えーっと。シルフィアさんでしたら庭の奥で剣の稽古をしているはずですよ」
「……今朝からずっとか?」
「はい。何でもシルフィアさんは剣を握って修行していないと落ち着かないみたいです」
「そうか。シルフィアは真面目だな」
孤高の女騎士、シルフィア・ルーゲンベルクは悠斗が休暇を取っている間もずっと剣の鍛錬に時間を割いていた。
それというのも、シルフィアは焦っていたのである。
ここのところ自分は、主人の持っている圧倒的な戦闘能力に驚くばかりで全く役に立っている実感がない。
主人が休んでいる間は、少しでも実力差を縮める絶好のチャンスだと考えていたのであった。
「実を言うと最近は私もシルフィアさんに剣術を習っているんですよ」
「えっ。スピカがか!?」
「はい。……出過ぎた真似だったしょうか? 私も何時までもご主人さまとシルフィアさんに守られているわけにはいきませんし。
最低でも自分の身は自分で守れるくらいにはならなくてはならないのかなぁ、と思いまして」
「…………」
ライカンという種族の持っている嗅覚と体力を買われて、悠斗の冒険に付き添っているものの――。
宿屋の女中として働いていたスピカには戦闘で役に立つような能力は何もなかった。
スピカもまたシルフィアと同じように、何時も守られてばかりいる現状に対して危機感を覚えていたのである。
「ダメっていうわけじゃないんだけど……剣の稽古なら俺が付けてやってもいいんだぞ?」
「えっ。ご主人さまが……ですか……?」
「ああ。剣だけではなく、馬術・槍術・棒術・弓術なんでもオッケーだ。俺がスピカに《近衛流體術》のイロハを叩き込んでやろう」
「えーっと。それは遠慮しておきます」
「遠慮された!?」
即座に断られた悠斗はショックを受けていた。
どんなに真似をしたところで悠斗の強さに近づけるイメージがわかない。
スピカが遥か雲の上を突き抜けた場所にいる悠斗よりもシルフィアに剣を習いたいと考えるのは、ごく自然な思考の流れであった。
(そうか。みんな頑張っているんだな)
奴隷であるスピカ・シルフィアが頑張っているというのに自分が頑張らないわけにはいかない。
悠斗は心地の良い日差しの中で伸びをしながらも――。
明日から真面目に仕事をしようと決意するのであった。
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