異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
エピローグ ~ 拡大する奴隷ハーレム ~
「びえっ。びえええええっ!」
翌朝。
スピカの悲鳴により悠斗は、目を覚ますことになる。
慌てて階段を降りて声のした方に向かってみると、屋敷の庭で驚いて腰を抜かしたスピカの姿を確認することができた。
スケルトン 脅威LV7 状態 (テイミング)
スピカが悲鳴を上げるのも無理はない。
悠斗の視界に入ったのは、ウジャウジャと庭の中を埋め尽くすように居座るスケルトンの大群であった。
「う~。ご主人さまぁ……」
状況は正確に掴めないが、『状態 (テイミング)』の表記からこの騒動を引き起こした人物については当たりを付けることができた。
「あ。お兄ちゃん。おはようございます、なのです」
問題の人物――。
サーニャ・フォレスティは相棒であるブレアドラゴンの背中に跨り、呑気に挨拶をする。
「……サーニャ。ここにいるスケルトンたちはお前が連れてきたんだな?」
「はい、なのです。折り入ってお兄ちゃんに頼みたいことがあるのです」
「よし。なんとなく嫌な予感がするが……言ってみろ」
「実を言いますと、此処にいる60匹のスケルトンさんたちは、ケットシーの村で生活していたときからのお友達だったのです。
けれども、最近は新しい魔物さんの出現により住処を無くしてしまって、とっても困っているらしいのです。お兄ちゃんのことを話したら、何でも仕事をする代わりにこの家に住まわせてくれないか、とお願いされたのです。お兄ちゃん。お願いします。スケルトンさんたちを助けて上げてはくれませんか?」
「…………」
サーニャの提案を聞いた悠斗は頭を悩ませていた。
打算で考えるのならサーニャの持ち掛けたこの話は、悠斗にとってこれ以上のないほど好都合なものであった。
悠斗は以前から留守中の屋敷の警備をしてくれる人間を探していた。
スケルトンたちは警備の仕事を請け負ってくれるのであれば、人件費は格段に浮かすことができるだろう。
だがしかし。
悠斗の目標はあくまで100人の美少女との奴隷ハーレムである。
どんなに優れた適性を持っていても人外を雇うということには抵抗があった。
そんな心情を知ってか知らずか、サーニャは悠斗の頭を混乱させるかのような言葉を口にする。
「ちなみに此処にいるスケルトンさんたちは、全員、女の子、なのです」
「マジでか!?」
悠斗は悩んでいた。
(性別が♀ということは此処にいる60匹のスケルトンたちは、ギリギリ魔物娘の範疇なのか……?)
仮に此処でスケルトンたちを仲間に加えれば、目標である100人の美少女との奴隷ハーレムに大きく近づくことになるだろう。
生前がどんな容姿であったかが不明な以上、スケルトンたちが美少女である可能性も否定できない。
シュレティンガーのネコ理論である。
「よし。分かった。スケルトンたちは警備員としてウチの屋敷で雇うことにするよ。その代わりサーニャがしっかりと面倒を見ること。これからはサーニャを警備隊長に任命する!」
「本当ですか!?」
だからというわけではないが悠斗はサーニャの提案を受け入れることにした。
困っている美少女の願いであれば極力叶えてあげたいという想いが、悠斗の中にはあったのである。
目標である100人のハーレムにスケルトンたちを入れるべきかは、保留にしておくとしよう。
「お兄ちゃん。大好き、なのです!」
サーニャが甘えた声を出した直後。
周囲の人間たちが唖然とするようなことが起こった。
何を思ったのかサーニャは、悠斗の首筋に手を回して強引に唇を奪ったのであった。
「…………!????」
ちなみにこれは悠斗にとってファーストキスであった。
初めてのキスの相手が10歳の少女という衝撃に打ちひしがれてた悠斗は、魂が抜けてたかのように呆然としていた。
そんな悠斗の様子に不安を覚えたのかサーニャは申し訳なさそうな表情になる。
「あの……サーニャ、なにか変なことをしたのでしょうか? 女の子は好きな男の人にはチューをするものだと村長から聞いたことがあったのですが」
「ああ。うん。俺は構わないんだけど……」
どちらかというとショックが大きかったのは、当事者である悠斗よりも騒ぎを聞きつけて集まってきた女性たちであった。
「ご、ご、ご、ご主人さま!?」
「恐れ入ったぞ! 悠斗殿は小児性愛者であったか!?」
「ユートッ! 人の妹に何てことをしてくれているんだお前はさ!?」
スピカ、シルフィア、リリナの3人の美少女たちは、それぞれ三者三様のリアクションで驚いていた。
(やれやれ。人数も増えると……色々と気苦労が増えそうだな)
けれども、不思議と嫌な気分はなかった。
それどころか、彼女たちの主人という立場にある人間として、女の子たちを幸せにしてやろうというヤル気が湧き上がってくるようである。
4人の美少女と60匹のスケルトンによるハーレムライフは、これからも騒がしいものになりそうであった。
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