異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
堕天使
翌日。
悠斗は新規追加されたQR10の討伐クエストを遂行すべくオルレアンの森林(中級)を目指していた。
オルレアンの森林(中級)の出現魔物はスケルトン・リザードマン・ウッドヘッドの3種類である。
地図によると片道1時間30分という長距離を歩かなければならないらしい。
オルレアンの森林に限らず、難易度の高いエリアほど街から離れた位置に存在していた。
往復3時間程度であれば今はまだギリギリ許容できる範囲であるが、今後更に高難易度のエリアに行くことを考えると何かしらの対策を立てる必要があるかもしれない。
~~~~~~~~~~~~
その男との出会いは何の前触れもなく唐突に――。
思いがけないタイミングで訪れた。
ルシファー
種族:堕天使
職業:七つの大罪
固有能力:魔眼 影縫 金剛 再生
魔眼@レア度 ☆☆☆☆☆☆☆
(森羅万象の本質を見通す力。ただし、他人が所持するレア度が詳細不明の能力に対しては効果を発揮しない)
影縫@レア度 ☆☆☆☆☆☆
(影の中限定で高速移動を可能にする力)
金剛@レア度 ☆☆☆☆☆☆
(斬撃・刺撃・打撃に対する耐性を上昇させる力)
再生@レア度 ☆☆☆☆☆☆☆☆
(自身の心臓が残る限り、傷付いた体を瞬時に再生する力)
オルレアンの森林を目指し、エクスペインの街の西門を通ろうとした折。
1人の男が街の外からエクスペインに入ってくるのを発見する。
その背丈は190センチ近くあるだろう。
トライワイドに召喚されてから悠斗が出会った者の中で間違いなく最大である。
顔立ちは彫が深く整ったものであり、幻想的な色合いをした銀髪によく映えていた。
悠斗がその男に注目した理由はもちろん単純に身長が大きかったからという訳ではない。
(固有能力4個持ち……だと!?)
悠斗はこれまで自分以外に複数の固有能力を所持している人間を見たことがなかった。
そもそも固有能力を所持している人間自体が稀であり、その比率は100人に1人いるかどうかと言った感じであった。
前代未聞の4つの固有能力を所持する男。
しかも《魔眼》を始めとして1つ1つが非常にレアリティの高い強力なものであった。
「? ご主人さま。どうしました?」
「……ああ。いや。何でもない」
間違いない。
目の前の男は以前に戦った《吸血鬼》と同じ《魔族》と呼ばれる類のものだろう。
そのことは魔眼スキルから入手した情報により推し量ることが出来た。
悠斗は《魔族》を追っていた。
何故ならば――。
元の世界に戻るための手掛かりを握っているのは《魔族》であるということがシルフィアから得た情報により発覚したからである。
(……どうする。今この場で戦うか?)
幸いなことに向こうは、こちらに対してさほど警戒心を持っていないらしい。
そのことは警鐘の固有能力が発動していないことからも窺えた。
固有能力を4種類も所持する相手である。
向こうに敵意があれば、間違いなく警鐘の効果が発動するはずだろう。
黒宝の首飾り@レア度 ☆☆☆☆☆☆☆
(他人が所持する《魔眼》スキルの効果を無力化するネックレス)
以前に手に入れた装備を身に付けていたのが幸いした。
こちらからは《魔眼》の効果で相手の情報が分かるが、向こうからはそれが出来ない。
もし仮に。
黒宝の首飾りを手に入れていなかった時のことを考えるとゾッとする。
悠斗は考えた末――。
ルシファーとの戦闘を見送ることにした。
第一に街の外れとは言っても此処は市街地である。
戦闘になれば確実に多くの人の目に止まることになり悪目立ちすることになるだろう。
付け加えて――。
悠斗は現在スピカとシルフィアを連れている。
悠斗は元の世界に戻る手掛かりを探してはいるが、その優先順位は仲間を命の危険に晒してまで得たいと思える程は高くなかった。
すれ違いざま――。
ルシファーは悠斗の姿を一瞥するなり、意味深な笑みを浮かべる。
悠斗の脳裏には、銀髪の男の笑みが張り付いて離れなかった。
~~~~~~~~~~~~
七つの大罪とはトライワイドに存在する魔族の中でも《最強》との呼び声が高い7人の傑物たちのを指す。
傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、暴食、色欲、怠惰の7項から成る、七つの大罪。
その中でも《傲慢》を司るルシファーは、総勢100人近い部下を持つ最高権力者の1人であった。
「どうしたの? 今日はやけに機嫌が良いみたいだけど?」
此処は周囲に人気のないエクスペインの郊外にある廃墟。
ルシファーの隣にいたのは女性であった。
彼女はルシファーと同じ七つの大罪の1人。
名をレヴィアタンと言った。
彼女は七つの大罪の中でも《嫉妬》を司る魔族である。
「……いや、ここに来るまでの途中。久しぶりに面白い人間に出会ってな。人間にしておくには惜しいほどの強者の雰囲気があった」
ルシファーの言葉を聞いたレヴィアタンは露骨に不機嫌になる。
「なによそれ! 私と会っている時に人間なんかの話をしないでよね!」
レヴィアタンの起こした癇癪をルシファーは余裕を以て躱す。
「まあ。そう言うな。我々は痴話喧嘩をするために此処に来た訳ではないだろう?」
「そうだったわね。これから探さなきゃならないのによね。ベルフェゴールのオヤジを……」
ベルフェゴール。
それは七つの大罪の中でも《怠惰》を司る魔族であった。
「ああ。早急に叱ってやらねばなるまい。あの怠け者、マモンから受け取った《召喚の魔石》で遊ぶのに夢中で部下の管理を疎かにしている。吸血鬼、ギーシュ・ベルシュタインの暴走を許してしまったのも彼の不手際によるものだろう」
「あのバカ……今度会ったらとっちめてやるんだから! 計画の遂行中は目立つ行動を避けることっていうのがウチらの絶対の掟だっていうのに」
悠斗の預かり知らぬ水面下にて――。
最強と謳われた7人の魔族たちが動き出そうとしていた。
けれども。
悠斗が彼らと衝突するのは、もう少し先の話になる。
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