異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~
スピカとシルフィア
「なるほど。このままでは私の主人は……そのアンドレア・スコット・マルニッシュという貴族になってしまうわけだな」
「ああ。けど、安心してくれよ。お前のことは必ず手に入れてみせるからさ」
悠斗はシルフィアに吸血鬼の一件を黙っておくことにした。
何故ならば――。
言ったところで信じてもらえるか分からない上に、彼女のことを余計に不安にさせてしまうのではないかと考えたからである。
「スピカ殿……と言ったか。貴公の眼を見て確信がいった。スピカ殿は主人に大切にされているのだな」
「……はい!?」
唐突に話題を振られたスピカはしどろもどろになる。
「た、たしかに私は毎日……ご主人さまには良くして頂いています。けれども、どうしてそのようなことが分かったのですか?」
スピカが尋ねるとシルフィアは瞳に影を落とし。
「こう見えて私はこれまで……沢山の奴隷を見てきたからな。傲慢な主人を持った奴隷は、一目で分かるのだよ。自傷行為を禁じられている彼らは……自らの意思で死ぬことすら出来ず……命が擦り切れるまで過酷な労働を強いられているからな。そのような者たちは……みな同じ色の眼を持つようになる」
「そんな! ご主人さまはたしかに少しだけ鬼畜なところはあるかもしれませんが……本気で私が嫌がっていることを命令するような方ではありませんよ!」
「……だろうな。故に私はスピカ殿が大切に扱われていると思ったのだ」
決意の光が宿った真剣な眼差しでシルフィアは続ける。
「ユウト殿。1つ私の願いを聞いてはくれないだろうか」
「どうした急に?」
「一連の出来事が片付いた後は……私を奴隷として貴公の傍に置いてはくれないだろうか?」
「……え?」
悠斗は驚きで目を見開く。
何故ならば――。
当初の取り決めでは『異世界に戻る手がかり』を聞いた後は、シルフィアのことを自由にする約束であったからだ。
大金を払っておいて勿体ないという気持ちはもちろんあったが、嫌がる相手を無理やり奴隷にするというのは悠斗の信条に反するものであった。
「……シルフィアはそれでいいのか?」
「ああ。情けない話、私とて最初から理解はしていたのだ。何の後ろ盾も持たない女が1人で生きていけるほどこの世界は甘くはない。
それに……仕えるべき主人がいてこそ騎士は騎士たりえる。私は悠斗殿のことを生涯掛けて仕えるに足り得る男だと判断した」
「買被り過ぎだよ。俺はキミが思っているような立派な男ではない」
「いいえ! シルフィアさんの判断は正しいと思います!」
悠斗の言葉をスピカは強く否定する。
「ご主人さまは素晴らしいお方です! 肉体や精神的な強さはもちろんのこと! 誰にでも分け隔てなく接することのできる大きな器を持っています! 断言します! 私の人生における最大の幸福は、ご主人さまの奴隷になれたことです!」
「……ふむ。よもや自らの奴隷にこのような言葉をかけられるとは……私は益々、ユウト殿のことを気に入ってしまったよ」
シルフィアの言葉を受けたスピカは何を思ったのか感動の涙を流していた。
「うぅぅ。私は今、初めてご主人さまの素晴らしさを心から理解し合うことの出来る方に会ったかもしれません! シルフィアさん! もしよければ……私の奴隷仲間になって下さい!」
(……奴隷仲間ってなんだよ!)
スピカがシルフィアと情熱的な握手を交わしている傍。
悠斗は心の中でそんなツッコミを入れていた。
「仲間……か。随分と久しくその言葉の響きを聞いた気がするよ。どうだろうか? ユウト殿。私を貴公の奴隷にして欲しいという件に関しては……考えてみてくれたか?」
「それに関しては反対する理由が見つからないな。一緒に冒険に行ける仲間は1人でも多い方がいい」
悠斗が告げると、シルフィアはパァッと花の咲いたような笑みを浮かべる。
その笑顔があまりにも可憐なものであったため、悠斗は胸の鼓動を早めていた。
「恩に着る。この一件が片付いた後は――我が身の全てを捧げて主君に仕えさせて頂こう」
「ああ。そう言ってくれると心強い。よろしく頼むよ」
騎士の家系で生まれ育ち剣の腕に覚えがあるシルフィアであれば、冒険の役に立ってくれるだろう。
現状のパーティーは戦闘要員が1人のため何かと不安定なものがある。
戦闘可能なメンバーが増えることは、パーティーの安定化に繋がるに違いない。
(そうと決まれば……早く資金を稼がなければならないな……)
この競売対決に敗れてしまえば、シルフィアが危険な目に遭う危険性が極めて高い。
とにかく今は少しでも多くの金額を稼いでおくことが、シルフィアの安全にも繋がるだろう。
そう判断した悠斗は、奴隷商館を出た後。
討伐クエストによる報酬を得るために冒険者ギルドに向かうのであった。
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